- まえがき
- 英語の「お店屋さんごっこ」の遊び方
- [1] ‘ハンバーガーショップ’ごっこキット
- Hamburger Shop
- [2] ‘アイスクリームショップ’ごっこキット
- Ice−Cream stand
- [3] ‘ピザ屋さん’ごっこキット
- Pizza house
- [4] ‘ファミリーレストラン’ごっこキット
- Restaurant
- [5] ‘お菓子屋さん’ごっこキット
- Candy Shop
- [6] ‘果物屋さん’ごっこキット
- Fruit shop
- [7] ‘八百屋さん’ごっこキット
- Vegetable shop
- [8] ‘洋服屋さん女性用’ごっこキット
- Dress shop
- [9] ‘洋服屋さん男性用’ごっこキット
- Tailor's shop
- [10] ‘靴屋さん’ごっこキット
- Shoe store
- [11] ‘文房具屋さん' ごっこキット
- Stationery store
- [12] ‘スポーツ用品屋さん' ごっこキット
- Sport goods shop
- [13] ‘薬屋さん' ごっこキット
- Pharmacy
- [14] ‘花屋さん' ごっこキット
- Flower shop
- [15] ‘おもちゃ屋さん' ごっこキット
- Toy store
- あとがき
まえがき
「お店屋さんごっこ」は,だれもが一度は経験したことのある遊びである。
「いらっしゃいませ」
「きょうは,何にしましょう?」
「これくださいな。いくらですか?」
「350円です」
「1000円で,いいかしら」
「はい,おつりです」
「ありがとう」
「毎度,ありがとうございます」
こんな会話をしながら,私たちは,ちょっぴり大人の気分を味わった。そして,ちょっと背伸びした言葉づかいを楽しんだ。
お店屋さんごっこでは,大人に教えられなくても,子ども言葉と大人言葉を使い分け,男性言葉と女性言葉の使い分けを学んだ。
出会いのあいさつ,値段や品物のたずね方や答え方,別れのあいさつなど,人が言葉を交わす時のルールやマナーを知らず知らずのうちに学んだ。
最近では,この会話に,「消費税は入っていますか?」という現代用語が加わるのかもしれない。
考えてみれば,「お店屋さんごっこ」という遊びは,世界中のどの国でも行われている。しかも,お客さんになったり,お店の人になったりして,子どもたちは繰り返し,繰り返し遊ぶ。
「小・中学校の英語遊びシリーズ10」では,この世界的遊びとも言える「お店屋さんごっこ」を英語の時間に取り上げた。
立ち止まって,「お店屋さんごっこ」には,どのような教育的価値があるのだろう?
第一に,お店屋さんごっこでは,何より子どもの夢がふくらむ。お金を使う経験,ちょっぴり高価なものを買う経験,これは現実ではなく夢の世界だからできるのである。子どもの夢,これは創造性の源である。
第二に,お店屋さんごっこでは,大人体験ができる。お客さんになったり,店員になったりして,大人としての言語コミュニケーションができる。これは,ある意味での背伸び現象であるが,成長のために必要な背伸びである。
第三に,お店屋さんごっこには,微笑みがある。みんなで笑いながら,明るく学習できる,これは小・中学校の英語遊びの必須条件である。
第四に,お店屋さんごっこでは,バリエーションに富んだコミュニケーション体験ができる。最近,日本語教育でも外国語教育でもコミュニケーション能力の必要が言われる。何より大切なのは,コミュニケーションをする体験の豊かさである。
第五に,お店屋さんごっこは,実生活でそのまま役立つ。これからの英語教育では,役に立つ,つまり実用性を重視しないと子どもの興味・関心を集めることはできない。
本書で取り上げたお店屋さんごっこは,「ハンバーガーショップ(hamburger shop)「アイスクリームショップ(ice cream stand)」「ピザハウス(pizza house)」など,バラエティーに富んでいる。
これらの場面を演じる子どもたちは,きっと,楽しみながら英語を話す面白さを感じてくれると信じている。
本シリーズの発案は,明治図書出版の樋口雅子さんと江部満氏である。お二人はほんとうに時代をよく見られ,次々と新しい問題提起をして下さる。企画から原稿執筆,発刊にいたるまで多くのご指導とご支援をいただいたことに,紙面をお借りして厚く感謝申し上げたい。併せて,ていねいな編集と校正にご尽力いただいた木山麻衣子さんに感謝申し上げたい。
1997年12月 /長瀬 荘一
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- 明治図書