- まえがき・この本の使い方
- 序章 教室の子供が出発点だ
- 1 うなずくことが分からないサイン!?
- 2 使わない言葉は忘れる
- 《コーヒータイム@(はつがしら)には、二通りの書き方がある!?》
- 第T章 言葉の算数
- 1 「ふで+はこ=しゅうじ」!?
- 2 教科書だけではダメだ
- 3 辞書を引かせまくる
- 4 ゲーム感覚でする国語の授業
- 5 教科書だけでは教えられない言葉
- 6 自力で読み進めることで教室が知的になる
- 7 「今日は蒸す暑い日(形容詞の複合語の指導)
- 8 誤答から学ぶ
- 《コーヒータイムA》糸東羽次郎(いとひがしはねじろう)ってどんな人!?
- 第U章 漢字の算数
- 1 鉄は熱いうちに打て(1年生の漢字)
- 2 パズル感覚で楽しむ(2年生の漢字)
- 3 ゲーム感覚で楽しむ感じの算数(3年生の漢字)
- 4 退屈な漢字練習よ、さらば!(4年生の漢字)
- 5 漢字のおもしろさを追究する(5年生の漢字)
- (1)犬についた虫はどうなる?
- (2)熟語の計算で大パニック!?
- 6 熟語には魅力がいっぱい(6年生の漢字)
- (1)二字熟語の算数
- (2)三字・四字熟語の算数
- 《コーヒータイムB》漢字を早く覚える方法はある?
- 第V章 文章の算数
- 1 なぞかけで思考力を鍛える
- 2 割り算で一文一義の文章を書く
- 《コーヒータイムC》子供は自分たちが住んでいる地方の地名をどれだけ読めますか?
- あとがき
まえがき
「漢字が苦手だ」、「覚えてもすぐ忘れてしまう」という悩みを持っている子供たちは多いはずです。
本書は、このような悩みを持っている子供たちに、「漢字を少しでも好きになってもらいたい」、「漢字を使った文章をできるだけたくさん書いてほしい」という願いを込めて実践を行い、執筆したものです。
【この本の使い方】
『第T章 言葉の算数』は、国語辞典の活用方法についての実践です。
・子供に語彙力をつけたい
・言葉にこだわる子供を育てたい
・楽しい言葉の授業をしたい
と、お考えの方にお薦めします。
『第U章 漢字の算数』は、「なぞなぞ」感覚での漢字学習の実践です。
・忘れてしまった漢字を思い出させてしっかり覚えてもらいたい
・漢字練習の苦手な子が多くて困る
・楽しい漢字の授業にしたい
と、お考えの方にお薦めします。
『第V章 文章の算数』は、「なぞかけ」を中心に楽しい単文づくりの実践です。
・子供のユーモラスセンスを高めたい
・しっかりした文章の授業をしたい
・楽しく文章の授業にしたい
と、お考えの方にお薦めします。
以上の実践の中には、45分かけて行った授業をまとめたものもあれば、10分程度の「すき間時間(授業が早く終わったとか、行事や集会がくい込み、残り時間が中途半端になった時間)」に行ったものも含まれています。
ですから、本書に紹介した実践に対し「おもしろい」「やってみよう」と思われた時、45分かけてじっくり指導して子供たちと楽しむのも結構ですし、「すき間時間」や意図的に細切れで指導していただいても結構です。そのどちらでも、子供たちは「漢字っておもしろいんだなあ」「言葉の学習は楽しいな」と、感じてくれることでしょう。
現在私は、平成10年4月の人事異動に伴い4年生34名を担任しています。さっそく、本書p.80にも紹介した「特」の由来を授業したのですが、
☆「先生、漢字の勉強っておもしろいね」
と、このような反応が何人もの子供たちから返ってきました。
本書に紹介した実践は、学級児童数わずか6名の複式学級での実践を中心にまとめたものなのですが、学級の人数の多少にかかわらず使える実践だと感じることができました。
『第U章』には、それぞれの学年の配当漢字を使った実践を紹介してありますが、該当学年より上の学年であれば紹介された学年の枠を超えて指導していただいても漢字の楽しさは十分に味わってもらえるものだと思います。
本書に紹介された実践を、追試したり、改良を加えていただき更に発展させた授業を行っていただくことで、漢字嫌いの子供たちが一人でも少なくなってくれること、「国語の授業が楽しい」といってくれる子供たちがたくさん増えてくれることを願ってやみません。
/長内 克磨
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- 明治図書