楽しいクラスづくりフレッシュ文庫65
だれでも出来る歌唱指導 ─ちょっとしたコツ30─

楽しいクラスづくりフレッシュ文庫65だれでも出来る歌唱指導 ─ちょっとしたコツ30─

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序章 子どもはいつでもどこでも歌いたい/第1章 曲の出だしこそ勝負どころである/第2章 歌詞をもっと重視しよう/他。


復刊時予価: 2,101円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-698508-1
ジャンル:
学級経営
刊行:
15刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 96頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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まえがき
序章 子どもはいつでもどこでも歌いたい
1 歌わないのは,教師の授業に問題はないか?
(1) 「高学年だから歌わない」という通説は本当か?
(2) つまらない授業の積み重ねはなかったか?
2 授業の最初はとにかく歌い始めるといい
(1) 静かになるまで待ったりしなくてもいい
(2) 「変化のある繰り返し」で授業を始めるといい
(3) 歌でなくても,リコーダーなどの楽器でもいい
第1章 曲の出だしこそ勝負どころである
1 何度も歌わせるだけではうまくならない
2 曲の出だしこそが指導のポイントである
(1) 出だしをそろえること
(2) 最初の歌詞の字の発音をはっきりとさせること
3 フレーズの出だしを楽しもう
第2章 歌詞をもっと重視しよう
1 歌は歌詞から始まった
2 音楽の授業は国語の授業
(1) 国語の授業のように,歌詞の意味を考えていこう
(2) 3年生での「オルゴール」の授業
(3) 5年生での「星の世界」の授業
(4) 6年生での「ふるさと」の授業
(5) 卒業合唱での「少年の日はいま」の授業
3 歌詞の意味からイメージさせていこう
第3章 美しい声を聴くと目標ができる
1 いい歌声を何度も聴こう
(1) いい音楽を聴かせると子どもたちの耳が育っていく
@ 聴かせて子どもの耳を育てよう/ A 下手に理屈っぽくならないように気をつけよう/ B 授業では「変化のある繰り返し」の原理原則を使おう
(2) 聴いている声が目標になる
(3) 教師自身もいろんな歌声を聴こう
2 子どもは「高い声を出せるようになりたい」と思っている
3 「元気な声で歌いましよう」という言葉かけには落とし穴がある
4 専門的な発声練習よりも楽しい発声練習を
(1) 歌えば自然と発声練習になる曲を歌おう
(2) 発声練習のおすすめの曲
@ 「きらきらぼし」/ A 「アマリリス」/ B 「おなかの体操」
(3) 既習曲を歌って発声練習代わりにする
5 楽譜を読めない子が半数いてもいいではないか
第4章 こうやってメロディは覚えさせよう
1 何度も聴かせよう
2 一度間違って覚えると,ほとんど直せない怖さ
3 まずは「斉唱」,「二部合唱」はそのあとで
4 ピアノができる子どもを活躍させるといい
(1) 普段目立たない女の子に白羽の矢を立てよう
(2) 秘密練習のあとにデビューさせる
@ 4人をさりげなく呼び出す/ A 事前のチェックを入れる/ B クラスに知らせる/ C そして,パート練習スタート!
(3) パート練習の仕方の指導を継続的に
第5章 選曲次第で伸びが変わる
1 子どもに,歌いやすい音域を使おう!
(1) 歌のテストには,移調が必要
(2) 音域を考えて選曲しよう
(3) レベルが上がれば移調しよう!
2 男子にはとってもつらい変声期
(1) 高学年には変声期の問題がある
(2) 変声期に関する指導をしよう
(3) 卒業式での合唱曲の選曲
3 お奨めの合唱曲
@ 低学年向き/ A 中学年向き/ B 高学年向き
あとがき

まえがき

 「違う! 何度言ったらわかるんだ!」と,怒鳴り散らした歌唱指導をしていた。

 大学時代は理科専攻ながら,少しばかりオーケストラでの演奏活動を経験し,フルートについてはプロのレッスンを受けてきた。ピアノも我流ながら,一応両手で子どもだまし程度には弾ける。限りなくアマチュアのレベルで,楽曲分析などもやってきた。

 だから,「子どもたちに比べたら,自分は音楽のプロだ!」と,自負していた。

 「俺の言うとおりに歌えばいいんだ!」と,言い訳無用で子どもたちに歌うことを強制していた。

 小学校に勤める前の中学校勤務で,合唱祭の指導をしたときもそうだった。ピアノ伴奏をする女子生徒を泣かしたり,生徒に怒鳴ったりしていた。

 今から思えば,子どもたち自身,生徒たちが表現することなど,何も考えず,スパルタ式の授業,指導をやっていた。

 今考えてみると,何と傲慢な教師であったことか。まさに冷や汗ものである。

 しかし,当時は全くそのように思っていなかった。そのときは,それはすべて,子どもや生徒のせいにしていた。すべて自分が正しいと思っていた。

 そんな授業で子どもたち,生徒たちが満足するはずがない。

 表面的に,口の暴力で子どもたちを押さえつけていただけの授業だった。だから,授業が成立しないなんてことはなかった。

 しかし,自分自身としては,「このままではいけない。」と思いはじめた。

 とはいうものの,どうすればいいかわからない。

 そんなとき,ちょうど京都教育大学で大学院修士課程設置の話を聞いた。

 そして,理科専攻だった私が,音楽科教育の部屋のドアを叩くことになった。

 本書は,このような私が大学院での研究をもとに進めてきた音楽の歌唱指導をまとめたものである。

 まだまだ不十分なことが多く,読者の方の御指導,御批判を仰ぎ,今後もっといい音楽の授業を目指したい。


  1998年1月   /平田 淳

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