- まえがき
- T 1年生の子どもと国語辞典
- 1 一年生の子どもをどうとらえるか
- 2 今までの辞書の取り扱われ方
- 3 なぜ1年生に国語辞典なのか
- 4 「先生、辞書がまちがってるよ」
- 5 予想を超える使い方
- 6 国語辞典を読み物にする1年生
- 7 国語辞典は「まるごと生活事典」
- U 国語辞典の使い方
- ―1年生が国語辞典を使いこなす4つのポイント―
- 1 「愛用」の国語辞典を持たせる
- 2 「ルビ付き」の国語辞典を用いる
- 3 いつも身近に置かせる
- 4 「付せん」(ポストイット)を活用する
- V 国語辞典の使い方と学習技能
- 1 作文力・漢字を書く力を高める国語辞典
- 国語辞典は「作文の必需品」
- 毎日、文章を書く機会を設ける
- めざせ!人間ワープロ
- 日頃から調べたら書く習慣をつける
- 国語辞典から漢字辞典へ
- 2 調べることへの関心を高める国語辞典
- 国語辞典でも、いろいろ調べられる!
- 国語辞典でオタマジャクシを追究する
- 国語辞典で生きもの調べ
- 給食中は調べるネタでいっぱい!
- キウイで世界が見える!
- 国語辞典でクッキング
- 「夕やけこやけ」の「こやけ」ってなあに?
- 「かっこう」は、なぜ「かあさん」をよぶの?
- 3 「辞典」から「事典」へ―資料活用能力を伸ばす―
- 事典活用のコツは、好きなことを深く追究すること
- 図書館の利用の仕方をマスターする
- 事典活用からノート活用へ―ノートを生かす―
- W ここまでできる1年生
- ―この子が、ここまで、こう伸びた―
- 1 おたよりノートに見られる子どもの成長
- 4月の拓未の「おたよりノート」
- 6月の拓未の「おたよりノート」
- 7月の拓未の「おたよりノート」
- 9月の拓未の「おたよりノート」
- 10月の拓未の「おたよりノート」
- 11月の拓未の「おたよりノート」(1)
- 11月の拓未の「おたよりノート」(2)
- 11月の拓未の「おたよりノート」(3)
- 11月の拓未の「おたよりノート」(4)
- 11月の拓未の「おたよりノート」(5)
- 12月の拓未の「おたよりノート」
- 1月の拓未の「おたよりノート」
- 2月の拓未の「おたよりノート」(1)
- 2月の拓未の「おたよりノート」(2)
- 2月の拓未の「おたよりノート」(3)
- 3月の拓未の「おたよりノート」
- 2年生・4月の拓未の「おたよりノート」
- 2年生・5月の拓未の「おたよりノート」
- 拓未の母親から
- 2 調べ活動で活躍する国語辞典の使い方―生活科における活用法を中心に―
- 実花の「追究ノート」
- 栽培活動で主体的に追究活動を行わせるためのポイント
- 問題意識が持てる教材を開発する
- 調べる方法のモデルを示す
- 新たに「調べる源」を見つけ出した1年生
- それぞれが行う栽培活動に、工夫を生かす余地を残す
- アサガオを挿し木で育てる
- 東山植物園からの手紙
- 実花と東山植物園のファックスを用いた文通
- 3 家庭から見た、子どもたちの成長の様子
- あとがき
まえがき
ここ数年にわたり、低学年の子どもたちと接する機会を得た。
子どもたちと接していて、いつも感じることは、
子どもの持つ能力は、はかりしれないものがある。
ということである。
子どもの側に立つ教育が叫ばれて久しい。
子どもの持つ能力が引き出され、存分に生かされたとき、子どもは、夢中になって活動する。
子どもの側に立つ教育とは、子どもが楽しく、生き生きと活動できる教育である。
楽しくなければ、またやってみようとする次の意欲に結びつかない。
また、子ども自身が見通しの持てない教育は、子どもにとっては苦痛以外何物でもない。
将来役に立つからおぼえておきなさいという大人の論理では、子どもは納得しない。
子どもの可能性を十分引き出し、子ども自身に有用感を持たせるような教材が求められている。
生活科が教科としてスタートして以来、子どもの側に立つ教材開発がなされるようになった。
教材に対して、子どもたちは、それぞれの思いを持って意欲的に活動するようになった。
しかし、一方で子どもたちは困難に突き当たると、安易にあきらめてしまったり、助けを求める傾向はまだ強い。
困難に直面しても、乗り越えていく手段を子ども自身が持ち合わせていないのである。
子どもたちが、自分の力で意欲的に活動(追究活動)をすすめていくための有効な手立てはないかと考えるようになった。
そんな時、有田和正氏の、国語辞典を活用する実践を知った。有田実践に学び、小学1・2・3年生で年間を通して国語辞典を使った実践を行った。
その結果、1年生の子どもたちが、最も国語辞典に関心を持ち、目を見張るような使い方をすることがわかった。
何よりも、子どもが楽しく生き生きとして追究活動を行うようになった。
今まで、国語辞典の使い方について詳しく述べられた本は少なかった。
また、あっても、辞書の引き方の指導法に関するものであった。
本書は、1年生の子どもの学びのスタイルを大切にした国語辞典の新しい指導方法について提案するものである。
問題提起となれば幸いである。
なお、本書をまとめるにあたり、愛知教育大学教授有田和正先生、明治図書編集部樋口雅子編集長および編集部の方々には大変お世話になった。
厚くお礼を申し上げたい。ありがとうございました。
1997年8月 /深谷 圭助
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- 明治図書
- 反省と自信をあたえてくれました。息子に辞典を与えたのが年中のころでした。息子は自分なりに、マーカーで線をひいたり、付箋をつけたりしていました、それを見た私は、息子の勲章を取り去ってしまったのです。先生の本にもっと早く出会っていればと反省。ですが、子供に辞典を与えたことが、間違っていなかったことで親として少し、自信がもてました。息子と一緒にこの本をよんで、息子もうれしかったようで、また、付箋を貼り始めました。現在息子は、刈谷の小学校で2年生です。先生に教えていただける機会があるかもと親子でワクワクしています。これからも、自信につながるような本の執筆お願いします。2004/4/15あずき