- 本書推薦のことば /岡本 修一
- はじめに /山本 章
- ◇活用事例の一覧表
- ◆話すこと・聞くことの指導のアイディア
- お話玉手箱だよ
- お豆で話せば楽しいよ
- 即席ニュースをつくろう!
- わぁーい 結婚式だ! スピーチだ
- カセットブックをつくろう
- 話す表現の五段活用
- 大事件だ!
- 即席バスガイドになろう
- こんな家(部屋)があるといいな
- モールライトに当たったら
- 助けてくれ! 〜無人島に流れついて〜
- もしも、魔法が使えたなら…
- 変身スピーチをしよう
- 文づくりの鉄人になる
- 虫食いの手紙だよ
- コマーシャルを考えよう!
- 画家ゴッホとして話す
- わたしの好きなこの町
- 替え歌で自己紹介
- 友達のよいところをみつけよう
- あの子はだあれ、だれでしょうね(替え歌紹介)
- わたしたちの町を紹介します
- 春、みーつけた
- この本の題名を当てよう
- 私の自慢の作品です
- 発明王になろう
- 私の好きな番組は、これだ!
- とっておきのファッションショー
- 「読書のれん」を作ろう
- クラスの読書会を開こう
- OHCを使って話そう
- 絵カードを説明する
- 色ぬりターイム
- 積木を正しく積めますか?
- こんな感じですか? こんな漢字だよ
- たからの地図をつくろう
- わたしは、名案内人です
- 電話で道案内をしよう!
- 私は名レポーター
- 昔のくらしを知ろう
- 私は、ニュースキャスター
- 困ったときに、これさえあれば…
- コマーシャルを批評しよう
- 二つの意見を聞き比べて
- 相手が変われば 話し方も変わる
- わたしの話を聞いてください
- ポテトもいかがですか?
- リズム音楽で話をしよう
- 困った、どうする、よかったね
- 司会上手になろう
- お気に入りの写真は、どれ?
- 用務員さんに密着レポート
- お話サイコロで座談会
- 自己PR座談会を開く
- 地球サミットを開こう!
- 公平か? 不公平か? (ミニ討論会)
- 学習参観から学習参加へ(子どもの願い・親の願い)
- 記者会見を開く
- 何を 話しているのかな?
- ようこそ、新入生のみなさん
- 学校おしゃべり探検隊
- お話CD屋さんにいらっしゃい
- お話合戦
- 「おとぎ話」をつくろう!
- 寸劇を楽しもう
- チームのかけ声を考えよう
- ご近所、すべて数珠(じゅず)つなぎ
- かぞえ歌をつくろう
- ことばの置き換えリレー
- スリーヒントクイズをしよう
- 正しい口形でしょうか?
- 各市名物自慢大会をしよう
- その席にいるのは誰だ!
- カードを探し当てよう
- 空白の5分間
- グループでないのは どれかな?
- ポイントを絞って聞く
- 支離滅裂な話です
- この本の題名は何にしようか?
- この詩 なんの詩 きになる詩
- 合言葉で勝負
- ◇音声言語単元 学習指導案1 題材名『絵描きゲームをしよう』…
- 教材設定の意図/ つけたい国語の力/ 授業づくりのポイント/ 指導計画(全三時間)/ 本時の目標/ 本時の展開(二時)
- ◇音声言語単元 学習指導案2 題材名『ブックトークを楽しもう』…
- 教材設定の意図/ つけたい国語の力/ 授業づくりのポイント/ 指導計画(全九時間)/ 本時の目標/ 本時の展開(9時)
- ◇音声言語単元 学習指導案3 題材名『電話のかけ方』
- 目標/ 指導にあたって/ 指導計画(全三時間)/ 本時の目標及び本時の展開
- ◆学習指導要領における「話すこと」の指導目標と内容
- ◆学習指導要領における「聞くこと」の指導目標と内容
- ◇「話すこと」・「聞くこと」指導による効用
- ◆話す力・聞く力を高める方法
- 「話す」・「聞く」を支える「書く」活動/ 発言を大切に受けとめる/ 開放された教室づくり/ 表現意欲を高める場や状況の設定/ 相手意識・目的意識を明確にした言語活動を工夫する/ 教師自らが範を示す
- ◇学校生活における「話すこと」「聞くこと」指導の場
- 児童集会・放送朝礼/ 朝の会・帰りの会/ 校内放送(昼の放送)/ ショウ アンド テル/ 読み聞かせ・ストーリー テリング/ ブックトーク/ 一分間スピーチ/ インタビュー/ ディベート/ 小集団学習/ 相互指名・バトンタッチ指名
- おわりに /山本 克
本書推薦のことば
大阪狭山市教育委員会教育長 /岡本 修一
本市、大阪狭山市教育委員会の指導室長兼教育研究室長である山本章氏が、これまで積み重ねてこられた国語科指導の実践的研究の成果を編まれ、上梓された。「大阪話し言葉研究会」に集まる教員の実践を中心に、具体的で実践的な内容にまとめられ、低学年・中学年・高学年の三分冊に編まれ、実践理論の構築を示されたことは、この上なく喜ばしいことである。
私が、山本章氏と出会ったのは、大阪府教育センターで指導主事として活躍しているときである。府内の教員研修の企画・推進をはじめ、専門の国語科教育推進の中心的役割を果たしているときであった。講座の一つを受け持つことになって、氏の国語科教育に対するひたむきさと情熱を知るとともに、優れた執筆論文と出会い、多くのことを学ばさせていただいた。その後、縁あって、共に仕事をすることになったわけだが、きめの細かい研修企画、内容のユニークさは、本市の学校現場の活性化を生み、教職員の研修意欲はいちだんと向上したと思っている。リフレッシュ研修、マネージメント研修、スペシャリスト研修などライフステージに基づいた研修を生み出し、幅広い人脈をもとに多くの優れた講師を集め、研修に参加した教職員から好評を博してきた。
特にきわだっていることは、氏自ら学校現場で授業を行い、実践を通して研修を行うということである。将に実践を通して言葉を生み出すという姿勢である。指導案を書き、教材をつくり、授業をするわけであるから当然説得 力を持つ。直接、教員から授業を見せてほしいという要望も強いと聞く。学校現場からの教育改革、それは授業改革から生み出されるものである。それを地でいっているといってよい。私は氏のこのような姿勢に教えられることの多い毎日である。
本書は、学校における「ことばの教育」を音声言語活動の側面から見直そうというねらいのもとに編まれたものである、氏の指導実践、それに共感し、指導を求め、共に磨き合い、高め合いを続けた大阪府内の教員の実践が結実したものである。
とりわけ、氏の主張である、「音声言語による表現活動は、人間教育そのものである」という考えには、大賛成である。かねてから、私は、子どもの言語活動は危機的状況にあると考えていた。学校現場の授業を見る機会が多くあった。教室の中の子どもの声はか細く、自分の思いや願い、物事を筋道立てて話す力はいちだんと弱くなったように思われる。相手の言うこと、あるいは第三者の言うことをきちんと聞いて、的確に理解すること、あいさつに始まり、自分の感想や疑問を伝えたり、意見を述べたりすること、それらを通して相手の気持ちや立場、問題の中心点などに留意しながら議論を続けるように指導することなどが今こそ大切な仕事であると思い続けてきた。こういう話す力、聞く力、話し合う力は、自己表現力といいかえることができるだろうが、この力は、学校内外で、全ての教育活動の中で丁寧に、しかも粘り強く育成することが肝要である。しかも、国語科教育の中で、この指導がより強化されるべきだと考えてきた。文字言語が指導の中心であったことや音声言語の力は自然に習得できるといった偏った考えがあったこと、教材化も含めて具体的な指導法にかかわるむずかしさなどで、今までの国語科教育では十全に成果をあげ得なかったきらいがあったようだ。そうだとすればその一つ一つを反省し、音声言語の側面を重視した「ことばの教育」を今一度見直し、子どもの実態に基づいた指導を丹念に行うべきだと考えている。
本書は、その期待にこたえるものといえる。活動事例の一覧表をはじめ、指導法などがわかりやすく示され、すぐに各々の国語教室に生きるものである。そこには、子どもの実態をつぶさに見つめ、子どもの力を伸ばすための豊かで、確かな眼が随所に輝いているからである。本書が広く教員の手に行き渡り、熟読され、授業研究のために読み返されるならば、小学校の国語科授業が一層充実するにちがいない。
山本章氏を中心とした「話し言葉研究会」のこれまでの研究のご苦労に心から敬意を表しつつ、ご推薦申し上げる。
仕組んでいました。
ぜひ、先生たちにさまざまなアイディアを知ってほしい、学級経営にい
かしてほしいと思います。復刻を強く望みます。