言語技術を生かした新国語科授業 小学校編43年の説明文教材「自然のかくし絵」「たこたこあがれ」

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なぜ言語技術教育が必要か/この教材で言語技術を教える/教材のねらい・文章構成・指導計画・指導の実際・言語技術指導の成果と反省。分析。


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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-658411-7
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 100頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

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まえがき
なぜ言語技術教育が必要か
T 従来の説明文教材の指導観について
U これからの説明文教材の指導観について
V 説明的文章の読み方指導の在り方について
W 言語技術の使い方による文章内容の理解の学習を正しく行うこと
この教材でこの言語技術を教える〈本書の構成〉
自然のかくし絵(東書 3年上) /秋山 治美
・ 教材のねらい
・ 文章構成
・ 指導計画
・ 指導の実際
・ 言語技術指導の成果と反省
・ 実践の分析
たこたこあがれ(光村 3年上) /石田 寛明
・ 教材のねらい
・ 文章構成
・ 指導計画
・ 指導の実際
・ 言語技術指導の成果と反省
・ 実践の分析

まえがき

 このたび、小学校、中学校の説明文教材の読み方指導についての新しい提案を『言語技術を生かした新国語科授業』全十三巻(小学校編九巻・中学校編四巻)として、行うことになった。説明文教材に限定したのは、既に文学教材編の実践的研究を公表しているからである(『実践言語技術教育シリーズ(小学校編十二巻・中学校編八巻)』明治図書出版、一九九七年八月)。

 私どもは、今までに『読み方授業のための教材分析(小・中学校編)全七巻』(一九八三年)、『読みを深める授業分析(全六巻)』(一九八七年)、『授業のための全発問(全二十巻)』(一九九一年)(以上いずれも明治図書出版)を刊行してきた。『読み方授業のための教材分析』では、教材研究と作品研究は相対的に異なることを具体的に明らかにすることに努めた。作品研究は作品と読み手だけの二つの主要な契機によって行われる。教材研究は、教材(作品と実質的に同じ材料であることもある)と読み手である学習者とさらに授業者の三つの契機から成り、指導目標によって分析と解釈がなされる。『読み方授業のための教材分析』は、その方向性を自覚的に明らかにしようと試みたものである。

 次いで、『読みを深める授業分析』では、良い授業のあり方を求めて、授業で使う教材についての全時間の授業記録を掲載し、その記録についての授業者と編者が別々に授業論の立場からの考察を加えたものである。次の『授業のための全発問』では、発問づくりの重要性に焦点をあてて、授業で使う教材についての全授業時間の発問を作って、その個々の発問の趣旨と解答の輪郭を述べたものである。ここ二十年ほどの間に、一つの教材による全時間の授業記録がいくつも公表されるようになった。授業記録には、筆録のもの、カセットテープのもの、ビデオテープなど、それぞれに資料としての長短があるが、教材解釈や指導計画、指導案などのいずれとも異なる独自な価値があるので、好ましいことである。ただ残念なことには、圧倒的に文学教材による授業記録に偏っている。説明文教材には、文学教材のようには長期間にわたって使用されないものが多いので、止むを得ない出版情勢もあるが、あきらめてしまってよいことではない。

 私達編者は、個々の論文の執筆者とともに、今まで問うてきた一連の実践的研究書の問題点についての反省の上に立って、これからの、よりよい読み方指導のあり方を求めて、真に実践的な新しい提案を行いたいと考えた。その提案の立場については、本書の初めに詳しく述べた通りである。これが本シリーズ刊行の目的である。

 本シリーズが読者諸氏によって、多様な観点からの参照を賜り、私達が次の段階の実践的研究の手立てを得ることが出来る批判をいただくことが出来るなら、幸いこれに過ぎるものはない。


  平成十(一九九八)年一月   /渋谷 孝 /市毛 勝雄

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