言語技術教育8音声言語指導の教材開発・授業開発

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伝え合う力を育てる新国語科の趣旨に即して音声言語授業のための教材開発と授業開発をどう進めるべきか,その具体例をあげて実践的に解説した。


復刊時予価: 2,442円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-657205-4
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小・中
仕様:
A5判 144頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

特集 音声言語指導の教材開発・授業開発
まえがき /市毛 勝雄
第一部 誌上シンポジューム 「音声言語指導の教材開発・授業開発」
提案
1 「教材」よりも「学習材」という考え方へ /高橋 俊三
2 「話す・聞く」基礎・基本の『繰り返し学習』による「生きて働く力」の獲得 /瀬川 榮志
3 音声言語の4領域を提案する /桜沢 修司
4 ドイツの音声言語指導からプロトコール・その有効性と授業方法 /三森 ゆりか
5 年間を通しての取り組みと討論の授業 /柳田 良雄
意見
1 音声言語領域の言語技術そのものがまだ解明されていない /阿部 昇
2 「4領域」と「記録文」の提唱が収穫 /市毛 勝雄
3 音声が聞こえる文章が要る /宇佐美 寛
4 二、三の問題点および感想 /小田 迪夫
5 無言化社会の中で音声言語教育に期待する /鶴田 清司
第二部 提案 言語技術教育としての音声言語の授業
T 提言「音声言語の授業 問題点と課題」
1 音声言語技術指導のためのより切実な場の工夫
―総合的な言語活動単元の試案を事例として― /大内 善一
2 音声言語コミュニケーションとしての授業への志向 /大熊 徹
3 教材造りと授業論の課題 /渋谷 孝
4 音声言語ワークブックづくりが急務 /野口 芳宏
5 「話すこと・聞くこと」としての音声言語指導 /本堂 寛
6 音声言語の授業の原点 /増田 信一
7 音声言語を上手に使いこなせる教師になること /向山 洋一
U 実践「新しい教材開発による音声言語の授業」
1 『発想飛び』スピーチコンテスト /池内 清
2 「聞き方」の技術指導は、聞き取りメモのとり方から /井上 敬夫
3 あなたも街のレポーターニュース形式のプレゼンテーション /荻野 勝
4 相手意識 /目的意識を明確にした音声言語の授業 /間島 伸佳
5 「10の行動をあてろ」ゲーム
―「一般→具体」の志向を鍛える対話ゲーム― /佐内 信之
6 リラックススピーチで発信する力を鍛える
―学習活動のなかからの教材開発― /中村 敦雄
V 音声言語の授業
―理論・実践の総括
音声言語の特質をおさえた授業の開発を
―コミュニケーション能力の育成を中心にして― /高橋 俊三
第三部 書評と第7回大会の報告
書評
1 井上尚美著『思考力育成への方略』(明治図書) /小林 義明
2 大内善一編著『新しい作文授業「コピー作文がおもしろい」』(学事出版) /加藤 郁夫
3 市毛勝雄著作集 第2巻『国語科教育の授業改革論』(明治図書) /江連 /隆
4 日本音声言語教育学会 長岡支部著『「詩の技法」をどう教えるか』(明治図書) /深川 明子
5 小森茂著『個を生かす国語授業論の開発(上)(下)』(明治図書)佐藤 洋一
6 村松賢一著『いま求められるコミュニケーション能力』(明治図書) /丸山 義昭
7 高橋俊三・声とことばの会著『国語科授業改革双書28 聴く力を鍛える授業』(明治図書) /植山 俊宏
日本言語技術教育学会 第7回大会の報告 /阿部 昇
編集後記 /鶴田 清司

まえがき

   日本言語技術教育学会会長・早稲田大学教授 /市毛 勝雄


 わが学会も今年で第8回を数えることができた。まことに慶賀すべきことである。

 「言語技術教育」というまだ耳新しい学会が、多くの研究熱心な会員のみなさまに支えられてここまで続いてきたという事実だけでも、国語教育史に残る価値がある。これというのもひとえに研究熱心な会員のみなさまの熱意のたまもので、今後とも変わらぬご支持をたまわりたい。

 本書『言語技術教育8』は「音声言語指導の教材開発・授業開発」という特集テーマのもとに、会員各位に健筆を揮っていただいた。おかげさまで新鮮・多彩な読み応えのある論文・報告が出そろった。これらの諸論文は本大会の討議に大いに役立てていただきたい。

 わが学会は、情趣豊かな文学的傾向を持っていたこれまでの「国語教育」を見直し、論理的・技術的に言葉の教育を再構築しようとして設立された。そして、その初期の活動としては、一九九六年春に中央教育審議会に対して提出した「『国語科』教育に抜本的改革−次期学習指導要領改訂へ向けての緊急提言−」がある。

 この「緊急提言」は初代会長波多野里望氏を初めとする学会員諸氏の努力によって整然とした形態を整え、その発表は教育界を始め多くの人々に衝撃を与えた。賛否こもごもの論議の対象となったが、二〇〇二年から施行されることになった学習指導要領(小中)の内容には、「緊急提言」の内容と類似した点をいくつも認めることができるのは、わが学会としてよろこばしい。

 だが、わが学会はこれに満足することなく、学習指導要領上で言葉として設定されただけの用語(例えば「論理的・思考力・表現力」等)を、たくさんの学習指導事例によって確実な概念として、学習指導に役立てる責任がある。わが学会の会員が著述する数多くの国語学習指導研究書はこの責任を自覚したものが多く、実践研究者に高く評価されている。この成果は学会でも大いに生かされなければならない。

 わが学会では、単に言語技術理論の研究だけでなく、言語技術を駆使する実践面でも優れた実績をつくりつつある。学会の討議で発言時間一分、あるいは三分という厳しい制約が常に守られ、整然と討議が進行しているのがその証左である。かくて、毎年開かれる学会の参加者が年を追って増加しつづけている。この理論・実践両面にわたる厳しい研究は、今後の国語科教育(日本語教育)に大きな影響を与えるにちがいない。

 本年度から市毛が学会の会長を、向山洋一氏が副会長を務めることになった。研究熱心な学会員諸氏の納得できる、水準の高い内容の充実した研究発表の場として学会が有効に機能するよう、精一杯努力する覚悟である。すべての会員諸氏のご支援をお願いする。

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