- はじめに
- T アメリカの教科書ではどのように鍛えているか
- 1 オーダーサークルで鍛える
- (1) タイムオーダー
- (2) スペースオーダー
- 2 ピクチャーストーリーカードで鍛える
- 3 ストーリープロットとアウトラインで鍛える
- 4 アメリカの教科書に見る鍛え方
- U 作文教材で順序をどのように鍛えるか
- 1 三枚の絵を使って「順序」を鍛える(一年生)
- 2 挿し絵をあてはめて「順序」を鍛える(二年生)
- 3 四つの順序を考えることで「順序」を鍛える(三年生)
- 4 オーダーサークルで「順序」を鍛える(四年生)
- 5 写真で空間の順序を鍛える(五年生)
- 6 論証のアウトラインで論理の順序を鍛える(六年生)
- V 順序を鍛える授業
- 1 低学年の授業・三枚の絵で「順序」を鍛える
- 【コメント】少しずつ……短時間で……繰り返し行なう
- 2 中学年の授業・時間の順序で鍛える
- 【コメント】無意識なものから、意識的なものへ
- 3 高学年の授業・オーダーサークルのコードで鍛える
- 【コメント】「時間の順序」からもっと広い「順序」の指導へ
はじめに
作文教育の改革に対する提言が目立つようになった。
・短作文指導の提案
・なりきり作文の提案
・十分間作文指導の提案
右の提案の特徴は何か。
・いずれも、授業をしている教師による提案である。
・教材が提案されている。
授業をしている教師だからこそ、右の提案ができる。子どもの手に届くところで実践している教師だからこそできる提案である。これまで、教師に求められながらも教師にできないことがあった。次の二つである。
・教材作り。
・ワークテスト作り。
右のことができないのは、教師が多忙で時間がないからではない。作る力がないだけなのだ。教材作りにしろ、ワークテスト作りにしろ、作るためのノウハウを蓄積してこなかったからどのようにして作ったらよいかが分からないのだ。
教師の大方は、このような状態であった。それがどうだ。次々と教師の手作り教材の提案が始まった。このような状態は望ましい。
新潟言語技術の会は、作文教育に関して次の提案をしてきた。
(1) 『作文技術で思考を鍛える』明治図書教育新書
(2) 『思考を鍛える作文技術ワーク』明治図書
(3) 『提案 作文技術教育の指導計画』明治図書
(4) 『思考を鍛える作文技術ワーク 第二集 子ども版』明治図書
そして、この『作文授業改革シリーズ』全五巻である。
『作文授業改革シリーズ』全五巻は、『提案 作文技術教育の指導計画』(明治図書)によっている。作文技術教育の指導計画の中から典型的な作文技術を抽出して構成したものである。
たとえば、第一巻は『描写力を鍛える』である。
第一巻には作文技術教育の指導計画中の「描写」を、学年を追って系統的に指導するための教材や指導法が示されている。また、アメリカの教科書では「描写」をどのように取り上げられているかが分かるようにしてある。この本を手にされた方は、アメリカの教科書からも様々なアイデアを学ぶことができるだろう。
自分の手で教材を作り、自作の教材を使った授業をし、そして、自分の指導法を開発する。子どもに作文の力をつけることができた教材や指導法は教師が自由に使えるようにする。こうすることで、教師の世界は外に開かれていくようになる。新潟言語技術の会はこのようなことを考え、夢見ている。
最後に、新潟言語技術の会の活動を支え、励ましてくれている江部満氏に感謝します。江部氏の激励があったからこそ新潟言語技術の会の活動がこのような形になった。
一九九四年四月 新潟言語技術の会 /大森 修
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