21世紀型授業づくり51
自覚的な文章表現者を育てる作文の提案授業

21世紀型授業づくり51自覚的な文章表現者を育てる作文の提案授業

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言語活動の活発さだけでは国語力が育たないとし、文章の論理を考えさせる授業、言語観察によって言語を素材にした作文をさせる授業、対象をよく観させて描かせる授業を提案


復刊時予価: 2,585円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-628504-7
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 164頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

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まえがき
本書における提案授業の要旨
一 対象の論理と文章の論理を考えさせる授業
単元 ことばを使って伝達ごっこをしよう
1 指導案と授業の実際
2 授業の意図の説明と提言…「これからの作文指導の姿」
3 討論…作文の技術の系統的指導をめざして
二 言語観察によって言語を素材にした作文をさせる授業
単元 名前の呼び方を調べて、気づいたことをまとめよう
1 指導案と授業の実際
2 授業の意図の説明と提言…「作文指導の基礎理論」
3 討論…言語観察教材と論理を考えさせる作文について
三 対象をよく観させて描かせる授業
単元 いろいろな絵や物を見て、思ったことや想像したことを書こう
1 指導案と授業の実際
2 授業の意図の説明と提言…「活動をとおして体系的な書き方を」
3 討論…「描く力」を育てる教材と指導法の開発
四 とらえた物事をリズムのある表現にさせる授業
単元 俳句を作ろう
1 指導案と授業の実際
2 授業の意図の説明と提言…「子どもに俳句を作らせることの意義とその方法」
3 対話…「描く力」を育てる教材としての俳句 /足立 悦男 /藤井 圀彦
あとがき

まえがき

 今回の教育改革、なかんずく学習指導要領の改訂によって、教育全般にわたって、学習者の主体的活動が飛躍的に多くなった。国語教育においても、調べたり探究したりする活動が盛んになり、そこでは、読む、書く、聞く、話すなどの言語活動が活発に展開されている。これは、国語教育にとって望ましい状況である。なぜならば、ことばの技術や能力は、活動する事によってのみ、身につけられるものだからである。

 しかしながら、学習指導の実際をよく観察してみると、その活動が、児童・生徒の興味や欲求を満たすだけで、肝心のことばの力がつけられていないのではないかと思うようになってきた。

 国語教育は、子どもたちに、生きて働くことばの力を身につけさせることを本務としなければならない。このことが、目先の活発な活動に惑わされ忘れられてはいないか。

 国語教育は、目標・内容の体系を踏まえた、毎日のきめ細かな学習指導によって、豊かな言語生活を生涯にわたって創造しつづける人間の基礎に培うことを、その任務としているのである。このような理念が、今日の日々の国語教室においてしっかり把握されているかどうかを考えてみると、残念ながら、不十分であると言わざるを得ない。私は、つとに『文章表現力の基礎指導』(東洋館出版社・一九九三年八月)の「まえがき」で、次のように述べている。

 (前略)子どもの書いた文章を窓口にして、子どもの心を覗き、子どもと対話しているだけでは、子どもの文章表現能力の指導にはなっていないことに気づいたのである。これだけでは国語の力をつける指導にはなっていない。(中略)私は、これまでの授業で「人間行動としてのことばの教育」を考え続けてきた。ことばを人間行動の一種と考えそのようなことばの本質に即して、表現・理解の能力を訓練していこうというのである。ことばとは何か、文章とは何か、文章表現とはどうすることなのか、などなどを明らかにし、その文章表現力の根幹部分を訓練してやることが、小学校における作文指導の任務であると思うのである。

 私は、この立場をさらに進めて、「自覚的な表現者」として生き続ける人間の基礎を築くという本来的な国語教育の姿を、授業をとおして求めつづけてきた。その経過と結果を世に問おうとするのが本書である。

 本書は、ことばの本質を踏まえながら「自覚的な表現者を育てる」ための授業を、論理的文章と文学的文章について、それぞれ二例ずつ具体的に提示した。ここには、授業の展開例・授業説明に加えて、授業研究の会員による検討の記録をまとめて追跡研究も可能なようにしてある。なお、単元「俳句をつくろう」には、藤井と足立悦男氏の対談「俳句・詩の指導をめぐって」を収録させていただいた。我が国における第三の教育改革が実施に移されようとしているこの時期に、多くの実践研究者が、ことばの教育について再考していただくとともに、追跡研究をしていただき、ご指導いただくことによって、私の実践研究をさらに深めることができれば幸いである。


  平成十四年七月   /藤井 圀彦

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