- ◎まえがき
- ◎本書の活用の仕方
- 一 えがくために
- 1 点であそぼう1(動物の足あと) 【低 20分】
- 2 点であそぼう2(ふしぎな足あと) 【低/中/高 30分】
- 3 色の妖精1(なかまをふやそう) 【低/中 30〜45分】
- 4 色の妖精2(色の塗り方) 【低/中 30〜45分】
- 5 花をさかそう(版遊び) 【低/中 30分】
- 6 線をみつけよう1 【中/高 20分】
- 7 線をみつけよう2 【低/中/高 30分】
- 8 らくがきから形をみつけよう 【中/高 30分】
- 9 左手でかこう・一筆がきでかこう 【中/高 20分】
- 10 見ないでかこう・見てかこう 【中/高 20〜30分】
- 11 ロボットでかこう 【高 15分】
- 12 明暗をかきわけよう 【高 30分】
- 13 質感を表そう(不思議な食パン) 【高 30分】
- 14 遠近感を表そう(おばけだ! にげろ!) 【高 20分】
- 15 構図を考えよう 【中/高 30分】
- 二 色や形を工夫するために
- 1 どんな感じ? 【高 20分】
- 2 つりあいを考えて(バランス) 【中/高 15分】
- 3 宇宙人のあく手(コントラスト) 【中/高 30分】
- 4 対称の形(シンメトリー) 【中/高 20分】
- 5 形をずらして(シフティング・グラデーション) 【高 20分】
- 6 同じ形を並べて(リピテーション) 【中/高 20分】
- 7 線を重ねて(幾何模様) 【中/高 30〜45分】
- 8 文字を立体的に表そう 【高 15分】
- 9 色の性質を生かして 【中/高 30分】
- 10 ユニホームのデザイン 【中/高 30分】
- 11 小さなデザイン 【中/高 30分】
- 三 つくるために
- 1 風を生かして 【低/中 15〜30分】
- 2 紙の性質を生かして 【中/高 30分】
- 3 切り込みを生かして 【中/高 30分】
- 4 飛び出すカード 【中/高 30〜45分】
- 5 鳥のバランス 【高 15分】
- 6 パッケージをつくろう 【中/高 30分】
- 7 六角変身 【中/高 30分】
- 8 トラとライオン(リンク) 【中/高 30〜45分】
- 9 紙を編んでつくるカード入れ 【高 30分】
- 10 無人島たんけん 【低/中 30〜45分】
- 四 あじわうために
- 1 作品クイズ1(絵画) 【中/高 20分】
- 2 作品クイズ2(立体) 【中/高 20分】
- 3 身の回りの「おもしろい」をさがそう 【中/高 30〜45分】
- 4 名画のポーズで 【中/高 30分】
- 5 ダ・ビンチとピカソ 【高 20分】
- 6 ゴッホの部屋 【高 30分】
- 7 日本美術の始まり 【中/高 30分】
- 8 友だちのいいところ 【中/高 25分】
- 9 鑑賞カード 【中/高 30分】
- ◎子どもを主体とした図工科学習と基礎基本
まえがき
「図画工作科の評価をどうすればよいのか」「図画工作科の基礎基本をどのように考えればよいのか」といった疑問をしばしば耳にする。
新学習指導要領に基づく授業実践・研究が進むにつれ,これらの課題を改めて検討していくことの重要性が高まってきている。
ここ数年で「生きる力」というキーワードもほぼ定着,浸透しており,未だ論議は尽きないとはいえ,これからの社会に生きる子どもたちが,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題解決にあたることのできる力を育んでいく必要性については大方の認めるところとなった。
図画工作科においても,子どものよさや可能性を大切にし,子どもが主体的に造形課題の解決を図り,生きる力を伸ばしていけるような学習指導が望まれている。
そこで「造形的な創造活動の基礎的な能力」を,個々の技法や表現方法と考えるのではなく,生きる力にはたらく資質・能力としてとらえるといった,能力観の転換が求められることになる。つまり,子どもが自分らしい感性や発想で,身の回りのさまざまな素材にはたらきかけ,思いにふさわしい技法をつくりだしながら自らの表現世界を主体的,個性的に広げていく力が基礎基本であるといえる。筆の使い方や木材の切断方法などといった造形活動を行う上で最低必要な技術・技能は,「造形的な創造活動の基礎的な能力」の基底をなすとともに,それらを引き出すためにはたらくものととらえることができる。
また,子どもの主体的な追求活動を支えるためには,個々の子どもが取り組んでいる活動の意味を読み取り,適切な助言を行う必要がある。そこで指導と一体化した信頼性のある評価活動が望まれるのである。
本書ではワークシートを活用することによって,造形活動を行う上で最低必要な造形要素・技術の習得を,子どもが自主的に図っていけるように考えた。ワークシートのそれぞれには,ねらいや指導上のポイントとともに評価の基準表を設けた。子どもの学習活動をとらえ指導に生かせるようにしたい。
なお,「本書の活用の仕方」及び「子どもを主体とした図工科学習と基礎基本」を参照の上,子どもの主体的な学習をいっそう進めていくために,ワークシートの活用をお願いする次第である。
2004年3月 /初田 隆
しかし、本書では、指導のポイントがワークシートというかたちでまとめられているので、何をどう指導すればいいのかがよくわかります(時間や用具も書いてあったのが便利でした)。
たとえば、1枚の絵を描かせるにあたっては、「Tえがくために」の3、4、6、14、15等を使う。作品が完成したら,「Wあじわうために」の8、9を用いる…など、いろいろな組み合わせも工夫できますね。
また、評価表に照らして子どもの絵を見れば、どこにどんな工夫がなされ、どれくらいできるようになったのかも一目瞭然です。
書名にあるとおり、図工科で育てるべき基礎基本について考えさせられた1冊でした。