小学校算数科1・2年全単元の絶対評価
評価の実際と子どもへの支援

小学校算数科1・2年全単元の絶対評価評価の実際と子どもへの支援

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現在各学校現場の大きな研究課題となっている絶対評価。求められる評価とはどのようなものか。この問いに算数科1・2年の全単元でその実際を簡潔に示して答えた。


復刊時予価: 2,332円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-587106-6
ジャンル:
算数・数学
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
B5判 128頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
1章 算数科における絶対評価の基本
§1 観点別学習状況の絶対評価
§2 評定の絶対評価
§3 授業の中の絶対評価
§4 評価計画と評価のポイント
2章 算数科1・2年評価規準活用の全単元絶対評価の実際
§1  第1学年の評価方法と子どもへの支援
1 なかまあつめ 導入,なかまづくり
2 いくつかな 10までの数
3 なんばんめ
4 いくつといくつ 合成・分解,10の補数
5 たし算―1 意味と式,繰り上がりなし計算,0のたし算
6 ひき算―1 意味と式,繰り下がりなし計算,0のひき算
7 10よりおおきいかず
8 3つのかずのけいさん
9 たし算―2 意味と式,繰り上がりあり計算
10 ひき算―2 意味と式,繰り下がりあり計算
11 100までのかず
12 ながさくらべ
13 かたちあそび
§2  第2学年の評価方法と子どもへの支援
1 たし算のひっ算 2位数+1位数,2位数+2位数,きまり
2 ひき算のひっ算 2位数−1位数,2位数−2位数,たしかめ
3 100より大きい数
4 たし算とひき算のひっ算 百の位に繰り上がる2位数+2位数,百の位から繰り下がる2位数−2位数
5 かけ算―1 かけ算の意味と式,答え,倍,5・2・3・4の段
6 かけ算―2 6・7・8・9・1の段,九九の表
7 1000より大きい数
8 たし算とひき算 加法逆の減法,減法逆の加法
9 長さのたんい 直線,センチメートル,ミリメートル
10 長い長さのたんい メートル
11 とけい
12 三角形と四角形 かたちづくり,三角形,四角形
13 グラフ 表,グラフ

まえがき

 絶対評価は,子どもに基礎学力と生きる力を確実に付けるための評価の基本原理です。教師なら誰でも次のような願いを強く抱いて,日頃の授業の充実や心の教育,生活指導の安定に悩み,苦しみ,工夫し,改善に努めています。


○ 子どもを分かるようにしたい。

○ 子どもをできるようにしたい。

○ 子どもが知識や技能,考え方を活用できるようにしたい。

○ 自分の課題について考え,解決できるようにしたい。

○ 子どもを心ゆたかにし,前向きに生きるようにしたい。


 これらのことを授業のなかで実現するためには,指導し,評価し,その状況に応じて援助の手立てを具体的に講じていくようにしなければならないと思います。

 始めに,各単元ごとに,評価規準を設定し,子どもをどのように捉えたらよいか考えてみました。子どもの取り組みの状況,達成の状況にはおよそ5つの類型があるように思われます。第一は,教師の指導をほとんど必要としないような見事な取り組みと結果を始めから出せるタイプです。第二は,第一のタイプほどではありませんが,自分で考え,工夫し,自分一人でおおむね満足できるレベルの過程と結果の得られるタイプです。

 第三は,良く考え,工夫し,創造的に取り組んではいるのですが,今一歩のところで行き詰まっているタイプです。第四は,自分なりに取り組んでいるのですが大きくつまずき迷路に入り込んでしまっているタイプです。

 そして,第五は,どのように取り組んだらよいか全く見通し(仮説)が持てないために手が付かないというタイプです。

 次に,このような様々な子どもたちにどのような援助をしたらよいか工夫しました。その具体的な援助の手だては,各単元に紹介しました。

 最後に,その過程や結果を把握し,記号で記録したり,コメントで残しておいたものを整理して,4観点(関心・意欲・態度,数学的な考え方,表現・処理,知識・理解)の評価にどのように生かすか,評価をどのような考えや手続きで行ったかを実践に基づいて提案してもらいました。

 さらに,「観点別評価の結果」をどのように「評定」に反映させたらよいかについても,現時点における各執筆者の考えや実践を紹介してもらいました。いろいろな考え方,実践が紹介できたと思います。

 しかしながら,このように一冊にまとめてみると,発想,基本的な考え方,方法,援助の手だて,評価に対する教師の構えに「似かよったもの」が強く感じられ,「絶対評価による指導と評価と援助の一体化」はこれから研究し,開発し,実用化していく段階にあることを強く感じました。

 1時間(小単元)の中の評価を重点化して,工夫して指導し,指導したことは適切に評価し,その状況に応じて効果的に援助の手だてを講じる必要があります。このことは,余りにもあたりまえのことですが,長い間の相対評価によって,このあたりまえの「指導と評価と援助の一体化」が隅に忘れ去られていたのです。

 私たちは,もう一度学習指導の原点に立ち返り,「指導し,評価し,援助する」ことを一体的に進める授業力と評価力を高める必要性を改めて認識しました。

 このシリーズは次の3巻で構成しました。このシリーズが,教室のなかの評価のあり方,進め方の研究や実践のための呼び水になりましたら私たちの何よりの幸せでございます。ご一読の上,ご批判,ご指導を切にお願いする次第です。


○ 小学校算数科1・2年全単元の絶対評価――評価の実際と子どもへの支援――

○ 小学校算数科3・4年全単元の絶対評価――評価の実際と子どもへの支援――

○ 小学校算数科5・6年全単元の絶対評価――評価の実際と子どもへの支援――


 いつもながら,意欲的に研究し,実践している先生方から色々なことのなかでこのシリーズへのご執筆を優先していただき,玉稿を賜りましてありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。

 最後になりましたが,企画から原稿の整理に至るまで辛抱強く支えてくださった明治図書の安藤征宏氏に対して特に名を記して感謝の意を表します。


  2002年7月20日 モンゴルへの機上で   編者 /小島 宏

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      明治図書

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