- ☆算数科の授業にゲームやパズルを導入する意義 /古藤 怜
- ☆「手軽に楽しく」その使い方・楽しませ方 /池野 正晴
- 1 たしざんゲーム「10さがし」 1年生
- 2 さくらんぼがりに いこう 1年生
- 3 たしざん・ひきざんパズル 1年生
- 4 たのしい ゆうえんち! 1年生
- 5 高とく点を ねらえ! 1〜2年生
- 6 暗算 カウントダウン 2年生
- 7 てんとう虫の さんぽ 2年生
- 8 どこか へんな時計 2年生
- 9 15ばん目の数1*くりあがりのあるたし算* 1〜3年生
- 10 15ばん目の数2*くりさがりのあるひき算* 1〜3年生
- 11 人間でんたく 3年生
- 12 トランプでかけ算名人! 3年生
- 13 カードのひみつは? 3年生
- 14 指を使って曜日をあてよう 3年生
- 15 じゃんけんじんとりゲーム 3年生
- 16 いろいろな三角形・四角形をつくろう 3年生
- 17 ほんとはどれ? 3〜4年生
- 18 発信された秘密文書は? 4年生
- 19 三角形をかこう 4年生
- 20 折り紙を折って三角形を作ろう 4年生
- 21 コンパスアイテムでお宝をゲットしよう! 4年生
- 22 ぴったり買いましょう! 4年生
- 23 ショッピングバザール 4年生
- 24 わくわくナンバープレート! 4年生
- 25 数え方のバラエティショップ 4年生
- 26 同じ形の図形をさがそう 4〜5年生
- 27 勝利の女神はどちらに? 5年生
- 28 今日のあなたの運勢を占おう〜小数占い〜 5年生
- 29 正方形は作れるかな? 5年生
- 30 ふしぎなかけ算 5〜6年生
- 31 どんな形ができるかな!? 5〜6年生
- 32 倍数・約数陣取りゲーム 6年生
- 33 都道府県・・・何に見える? 6年生
- 34 星形の秘密1 6年生
- 35 星形の秘密2 6年生
- 36 動物の当てっこ 6年生
- 37 王様の自慢のダイヤ 4〜6年生
- 38 さいころならべ 4〜6年生
まえがき
算数科の授業にゲームやパズルを導入する意義
上越教育大学名誉教授 /古藤 怜
「算数的活動の楽しさ」
今次の学習指導要領改訂においては,算数科の指導目標に新しく「算数的活動の楽しさ」という文言が加えられたことはよく知られています。そして,ここでの「楽しさ」とは,たんなる「がやがやと騒ぎ立てる」ような無目的な楽しさであってはならないとされています。実際たとえば,みんなで当面した問題の解決やパズルなどを考究する過程及び結果で感得される,「算数的に考えること」から実感される素晴らしさや楽しさでなければならないと考えます。
つまり,新しい学習指導において大切にしなければならないことは,クラスの友だちと一緒に追究する問題解決の過程で実感される,算数の学習内容が内包している美や調和への感動から得られるものでなければならないと言えましょう。
「ともどもに追究するよろこび」
ところが,このような追究の楽しさは算数の教科書だけからは味わうことが出来ないものであると考えます。何故ならば,教科書の内容に従って授業を進めると,子どもたちの中には,出発の時点で,すでに両親がそのテーマについて予習させたり,塾で先取りして教えて貰ったりして,クラスの中には能力や興味・関心について大きな格差があるのが一般に見られる傾向であるからです。
したがって,このような学習環境では,一緒に考える喜びが実感される機会が少ないと言えましょう。
「よい課題の満たす要件」
クラスの子どもたちがお互いに協力しながら算数を追究していく楽しさが感得できるためには,次の要件などを満たす適切な課題を準備しておく必要があると考えています。
※ クラスの友だちと,同一のスタートラインから,全員が,同時にその解決に向かって出発することができる課題。
※ それぞれが当面した問題に対して,その過程及び結果にある程度の解決の見通しを持つことができる課題。
※ その課題を解決することによって,数学的な考え方のよさを実感することができる課題。
※ 解決の結果及び過程において,それぞれが達成感が感得され,更なる発展の方向が見えてくる課題。
このような,それぞれが主体的・意欲的に追究を続けることができる課題は,残念ながら教科書では,その与えられた許容ページの関係で,掲載し尽くせないのが現状であります。
そこで本書では,このような子どもたちが意欲的に追究ができる算数のゲームやパズルの課題を実践的な研究を通して集めることにしました。
「手軽に楽しく」その使い方・楽しませ方
高崎経済大学教授 /池野 正晴
「ゲームとパズル」
ゲーム的な教材とパズル的な教材の両方を意図して編集してあります。子どもたちの知的好奇心や挑戦意欲をゆさぶり,子どもたちが「やってみたい」と興味をそそられるものを集めました。
ゲームは,友だちと競い合う楽しみがあり,何回やっても面白いものです。パズルは,解けそうでいてなかなか解けないもので,解いてみたいという解く楽しみがあるものです。
「繰り返し楽しめるゲーム」
ゲーム的な教材は,何回でも繰り返して楽しめるように作ってあります。少しの時間を使って,となり同士の友だちと繰り返しやらせてあげてほしいものです。知らず知らずのうちに,算数的な内容に親しんでいくようになります。休み時間や家庭学習でも活用できます。
対戦型としての使い方のほかに,個人型として繰り返し使えるものもあります。自分の前の記録や基準タイムなどと競わせることができるものや日によって結果が異なって出るもの(占い)などがあります。
「解くことを楽しむパズル」
パズルは,アイディア(種)や答えがあり,解く過程を楽しむものです。友だちと競い合って解かせたり,いろいろな解き方を考えさせたりできるものもあります。
また,条件を変えたりして,さらに発展的に考えさせることもできます。
「そのままコピー・印刷で」
どの教材も実物大のワークシート形式になっています。ゲームのしかたやパズル問題の解き方の手順については,子どもたちがそのまま読んで分かるようになっています。
B4判の用紙にコピー(または,A3判の用紙に拡大コピー)し印刷すれば,すぐに使えます。ゲームの中には1枚で二人ないしそれ以上の人数で取り組めるものもあります。教材によっては,何回も取り組むことができるので,常時利用できるように印刷したものを教室に置き,好きな時間に好きなだけ使えるようにしておくのもよいでしょう。
「解説・解答編」の使い方
後ろの「解説・解答編」には,それぞれに,教材のねらい(◎,・印),解答(解答例)と解説,配慮事項・ヒント・発展的な取り扱い方など(※印)についてコンパクトに書いてあります。指定の学年だけではなく,それ以上の学年でも繰り返し使い,習熟を図ることができればと思います。
「ゲームのルール変更も可能」
ゲームの場合,使い方やルールを変えて使うこともできます。後ろの「解説・解答編」にその他の使い方や発展的な使い方を示したものもありますが,それ以外にもいろいろと工夫して使うことができます。クラスの実態に合わせたり,子どもたちの要求に合わせたりして,使い方やルールをいろいろと工夫してみてください。
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- 明治図書