- 考えることを楽しみ,算数を好きにする
- ゆとりの時間を生かし,基礎基本の定着と,発展的に考える力を伸ばす
- 【1年生】
- 1 かずあてゲーム
- 2 けいさんめいろ
- 3 けいさんパズル
- 4 たのしい さかなつり
- 5 どのみちが ちかい
- 6 かたちを つくろう
- 【2年生】
- 7 さんすう かるた
- 8 ぴったり はらおう
- 9 たし算・ひき算で数をつくろう
- 10 三角形と四角形でかいたけど
- 11 かけ算九九めいろ
- 12 m,cm,mm,おたからをさがせ
- 【3年生】
- 13 おひるのメニューは?
- 14 犯人はだれだ!
- 15 重さがつり合うのはどーれ?
- 16 にせものはどれだ!
- 17 怪盗キッズをさがせ!
- 18 きまりを見つけよう!
- 【4年生】
- 19 かく カク 角
- 20 お星さまのひみつ
- 21 三角形のかざりを作りたい
- 22 ジャンケンじんとりゲーム
- 23 ナンバープレートを使って
- 24 君にもチャンスがやってきた
- 【5年生】
- 25 もどれるのはどんな場合?
- 26 最大の体積は?
- 27 ケーキを等分しよう!
- 28 どんな式になるの?
- 29 ピラミッドの計算・1
- 30 ピラミッドの計算・2
- 【6年生】
- 31 棒消し 必勝法を探れ!
- 32 分数のかけ算でメイク10に挑戦
- 33 拡大図の面積は何倍になるの?
- 34 立体を切り開こう
- 35 全部の顔を見よう
- 36 ダブル棒消し 必勝法を探れ!
まえがき
考えることを楽しみ,算数を好きにする
【ゆとりの時間を生かし,基礎基本の定着と,発展的に考える力を伸ばす】
元横浜国立大学教授 /片桐 重男
1 子どもは算数が嫌いではない
【よい課題と,力にあった学習で,算数は好きになる】
算数嫌いの子が多いということが言われていますが,子どもは本来算数が嫌いではないのです。周囲が算数を嫌いにさせているのです。子どもが挑戦したいと思う問題を用意し,十分に考えさせ,適切に指導していけば,子どもたちは,1時間でも2時間でも一生懸命考えることに熱中するのです。
子どもたちに,このようなことを経験させることが非常に大切です。本教材は,このような経験を,子どもたちができるように場面を工夫し,展開を工夫しました。
2 ゆとりの時間を有効に活用
【さらに発展的な学習を】
この度の教育課程では,減少した算数の時間以上に,内容を削減しています。これは,ゆとりを持って学習できるようにということです。そのゆとりの時間には,特に子どもたちの考える力を育てることが大切です。そこで,次に述べるように,この本の問題を取り上げることが,このような力を育てるためのゆとりの時間に最適です。是非このような時間に活用して下さい。
【移行期にも役立つ】
また特に平成13年度は移行措置で,多くの内容が軽減されるので,多くの時間にゆとりができます。
この時間の活用に,本教材は最適です。このときこそ,本教材を使って,基礎基本の定着と共に,考える力を育てるようにしたいものです。
3 基礎基本の定着を
【子どもの積極的な学習で基礎基本が一層定着する】
基礎基本を確実に定着させることも大切です。しかしこの基礎的基本的な知識や技能を確実に身につけさせるには,練習が必要です。ところが,その練習は,多くの形式的な問題を用意して,これを反復練習させればよいと言うものではありません。これでは能率が上がるようで,実は上がらないのです。
各自が,練習によってどこを直すのか,伸ばすのかと言うことをしっかりとらえ,それに対する練習の必要がつかまれることによって,有効な練習になるのです。
そしてこの不十分な点とか誤りやすい点というのは,どの子も同じというわけではありません。それだけになおさら,それぞれの子が自分にとってどんな点の練習が必要かということを自覚するような指導の工夫と,練習したいという意欲を持たせる問題の出し方の工夫が大切です。
4 発展的な学習ができるように
【自ら考え判断する力を】
これからの教育で,特に重要なねらいは,「児童一人一人が,自ら考え,自ら判断して行動できる能力や態度を育てること」です。
数学的な考え方を伸ばそう
そしてそのような能力態度を育てるには,算数科では,数学的な考え方を育てることです。問題を見つけたり,解決したり,更にあたらしい問題に発展させるようにできるために,重要な力は,数学的な考え方です。
そこで,数学的な考え方を育てることに焦点を当てた学習活動が大切です。
5 こんな中身です
以上のようなことから,本書は
【基礎的基本的事項を楽しんで定着できるように】
(1) 基礎基本を楽しんで定着させる
基礎的基本的知識・技能の定着には,練習が必要です。そこで練習の必要が分かり,興味を持って,練習するように,工夫した問題やゲームを取り入れています。
【数学的な考え方を伸ばす】
(2) 数学的な考え方を伸ばす
問題の解決にいろいろな数学的な考え方が使われるように工夫してあります。特に帰納的な考え方が有効に働くように留意しています。
【発展させる】
(3) 問題を発展させる
更に問題が解決できたところで,その問題を発展させられるようにしています。それは,
・この問題のこの数を,少し大きくしたらどうなりますか
・このことはいつでもいえますか
・このことがいえるわけを考えましょう
といったようなことです。
そのときに使われる考え方は一通りではありませんが,このような挑戦をさせていくことによって,発展的に考えていくときのいくつかの数学的な考え方のよさを経験させられます。
これは日頃の授業を越えた,望ましい活動です。是非子どもたちに試みさせて下さい。
6 本教材の使い方
【コピーして】
本教材は,コピーして子どもたちに配って下さい。原則としてそれぞれの子どもが,自主的に行っていけるようにしてあります。
【解説にねらいと答えが】
各問題の趣旨と解答は巻末に載せてあるので,これで確かめて下さい。
【進んだ子のことも考慮している】
またできるだけ発展できるように考慮してありますので,特に早く終わった子には,この発展的な問題を考えさせるようにして下さい。これによって,できる子も退屈せずに,一生懸命学習していくでしょう。
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- 明治図書