- まえがき
- 本書を読むに当たって
- 1 「中学校学習指導要領」数学科の本文は
- 2 本書に収めた事項
- *基本用語選択の基本的な考え方と主な抽出事項
- T章 「目標」の基本用語解説
- 1 目標 16
- 1 基礎的な概念や原理・法則の理解を深める
- 2 数学的な表現や処理の仕方を習得する
- 3 事象を数理的に考察する能力を高める
- 4 数学的活動の楽しさを知る
- 5 数学的な見方や考え方のよさを知る
- 6 進んで活用する態度を育てる
- 2 各学年の目標
- 7 数の概念を理解する(第1・3学年)
- 8 関係や法則を一般的にかつ簡潔に表現し,処理できるようにする(第1学年)
- 9 目的に応じて計算したり変形したりする能力を伸ばす(第2・3学年)
- 10 式を能率的に活用できるようにする(第3学年)
- 11 図形に対する直観的な見方や考え方を深める(第1学年)
- 12 数学的な推論の意義と方法を理解する(第2学年)
- 13 論理的に考察する能力を伸ばす(第1・2・3学年)
- 14 図形の性質の考察や計量に用いる能力を伸ばす(第3学年)
- 15 数量の関係を見いだし表現し考察する能力を伸ばす(第1・2・3学年)
- 16 確率の考え方の基礎を培う(第2学年)
- U章 「各学年の内容及び内容の取扱い」の基本用語解説
- 1 第1学年
- A 数と式
- 17 具体的な場面での活動
- 18 負の数の必要性
- 19 正の数と負の数の四則計算
- 20 式の意味をよみとったりする能力
- 21 文字を用いた式の計算
- 22 文字を用いることの意義
- 23 方程式が等式の性質に基づいて解けること
- 24 一元一次方程式を利用できる
- B 図 形
- 25 線対称,点対称の意味を理解する
- 26 対称性に着目して…直観的な見方や考え方を深める
- 27 基本的な作図の方法
- 28 観察,操作や実験を通して
- 29 図形の計量についての能力
- 30 直線や平面図形の運動による構成
- 31 空間図形を平面上に表現する
- 32 基本的な柱体,錐体の表面積と体積
- C 数量関係
- 33 具体的な事象の中にある二つの数量の変化や対応
- 34 比例,反比例の関係を見いだし表現し考察する能力
- 35 比例,反比例の意味
- 36 座標の意味
- 37 比例,反比例の見方や考え方の活用
- 38 変数・変域
- 〈内容の取扱い〉
- 39 式の値を求める計算
- 40 円の接線
- 41 断面図や投影図
- 2 第2学年
- A 数と式
- 42 事象の中に数量の関係を見いだす
- 43 文字を用いて式に表現し活用する能力
- 44 簡単な整式の加法,減法及び単項式の乗法,除法の計算
- 45 文字式を利用できることを理解する
- 46 目的に応じて,簡単な式を変形できる
- 47 二元一次方程式とその解の意味
- 48 簡単な連立二元一次方程式を解く
- 49 連立二元一次方程式を利用できる
- B 図 形
- 50 観察,操作や実験を通して
- 51 基本的な平面図形の性質を見いだす
- 52 図形の性質を確かめる
- 53 論理的に考察する能力
- 54 証明の意義と方法
- 55 三角形の合同条件に基づいて論理的に確かめる
- 56 観察や実験などを通して見いだす
- C 数量関係
- 57 具体的な事象の中から二つの数量を取り出す
- 58 関数関係を見いだし表現し考察する能力
- 59 一次関数のとる値の変化の割合とグラフの特徴
- 60 一次関数を利用できる
- 61 二元一次方程式を関数を表す式とみる
- 62 起こり得る場合を順序よく整理する
- 63 確率の意味
- 64 簡単な場合について確率を求める
- 〈内容の取扱い〉
- 65 平行四辺形の特別な形であること
- 66 樹形図などを利用して簡単に求める
- 3 第3学年
- A 数と式
- 67 平方根の必要性と意味
- 68 平方根を含む式の計算
- 69 単項式と多項式の乗法,多項式を単項式で割る除法
- 70 一次式の乗法,式の展開
- 71 式の因数分解
- 72 目的に応じて式を変形できる
- 73 二次方程式の必要性を知る
- 74 簡単な二次方程式を解く
- 75 二次方程式を利用できる
- B 図 形
- 76 三角形の相似条件を基にして確かめる
- 77 論理的に考察し表現する能力
- 78 図形の相似の意味
- 79 平行線と線分の比についての性質を見いだし,それらを確かめる
- 80 相似の考えを活用できる
- 81 三平方の定理を見いだす
- 82 三平方の定理が証明できることを知る
- 83 三平方の定理が利用できる
- C 数量関係
- 84 具体的な事象の中から二つの数量を取り出す
- 85 関数関係を見いだし表現し考察する能力
- 86 関数y=ax2について理解する
- 87 関数y=ax2のグラフの特徴と関数のとる値の変化の割合
- 〈内容の取扱い〉
- 88 自然数を素因数に分解する
- 89 公式が利用できる程度のもの
- 90 因数分解を用いて解くことのできない二次方程式
- V章 「指導計画の作成と内容の取扱い」の基本用語解説
- 1 指導計画の作成上の配慮事項
- 91 当該学年の内容の一部を軽く扱い
- 2 課題学習
- 92 主体的な学習を促し数学的な見方や考え方の育成を図る
- 93 各領域の内容を総合
- 94 日常の事象に関連付けたりした適切な課題
- 95 作業,観察,実験,調査などの活動を重視
- 3 用語・記号
- 96 各学年の内容と密接に関連させて取り上げる
- 4 コンピュータや通信ネットワークなどの活用
- 97 電卓
- 98 コンピュータ
- 99 情報通信ネットワークなどの活用
- 100 観察,操作,実験などによる指導
- 5 選択教科としての数学
- 101 選択教科としての「数学」
- 102 第2の内容その他の内容
- 103 課題学習,作業,実験,調査
- 104 補充的な学習
- 105 発展的な内容
- W章 数学教育のさらなる改善を目指して
- 1 数学的知識伝達/獲得に関しての吟味
- 2 数学的知識活動の過程の評価
- 3 社会生活における数学学習の必要性
- 【付録】中学校学習指導要領「数学」
まえがき
中学校の教育課程の基準を示した新しい「中学校学習指導要領」は,平成10年12月14日に告示された。
数学科も基礎的・基本的な内容の厳選に答えるべく,削除,軽減はもちろん,系統性を睨んで,例えば,「図形」領域では学年ごとの内容再編,あるいは,自ら学び自ら考える力などをはぐくむために問題解決の能力を一層高める課題学習の充実など,改善を図ったところである。
こうした様々な改善を進める際,「学習指導要領」改訂作業の中で実はもう一つ配慮したことがある。それは,とかく教条的になりがちな指導諸項目の表現を,多くの人々に理解できるよう読みやすくできないかということであった。
「中学校学習指導要領(平成10年12月)解説─数学編」(文部省1999.9.20.)もこれを受け編集されたものである。学校の数学の先生方だけでなく,保護者の方々にも読んでもらい,数学教育についての一層の理解を得たいという願いがあったことは「解説」本の装丁からも頷けることと思われる。
それだけに,文章の中の一つ一つの文言には,数学教育に対する特別な思い,大事な数学教育的意味が盛り込まれている。
本書は,こうした基本的な用語(キーワード)について先生方に理解していただき,その意義を明確に理解した上で適切な数学指導をしてもらえるようにと企画されたものである。なお,書名に「基本用語辞典」とあるが,単なる〈用語・記号〉の解説ではない。数学学習を通して生徒が身に付けるべき基礎的・基本的事項であるので,少々長い項目もある。この意味では,処方箋としてではなく,数学教育についてもっと深く考えるときの手がかりを得るものとしてご活用いただきたい。
この際,既刊の「鼎談 中学校数学科の授業をどう創るか」(根本,長崎,中野著 1997.7.明治図書刊)及び「改訂中学校学習指導要領の展開 数学科編」(根本博・杉山吉茂編著 1999.11.明治図書刊)も併せてご活用いただければ幸いである。
執筆に当たっては,全国各地区の先生方にお願いをした。授業や各地区での説明会等,公務でお忙しくされているにもかかわらず,100項目以上に及んで要点を端的にまとめていただいた。また,執筆と併せて,このとりまとめには,長崎,国宗,相馬,重松,五十嵐各先生方のご協力を得た。お世話になった先生方のご苦労に心から感謝申し上げる。最後になったが,各執筆者への連絡等でご面倒をおかけした明治図書編集部の石塚嘉典,三橋由美子両氏にお礼を申し上げる次第である。
平成12年4月 文部省初中局中学校課教科調査官 /根本 博
-
- 明治図書