- はじめに
- 単元T) 集合と論理
- 集合と論理の指導
- 第T節 命題と集合
- §1 命 題
- §2 集 合
- 第U節 作図活動と文章表現
- §1 基本的な作図
- ◎節末完全習得問題
- 解 答
- 単元U) 数の表し方と2進法
- 数の表し方と2進法の指導
- 第T節 近似値と誤差
- §1 数直線と絶対値
- §2 近似値と誤差
- §3 有効数字
- ◎節末テスト問題1
- 第U節 2進法
- §1 2進法の仕組み
- §2 2進法と10進法
- ◎節末テスト問題2
- ◎Let's Try!1
- 第V節 2進法の計算
- §1 加 法
- §2 減 法
- §3 乗法と除法
- ◎節末テスト問題3
- ◎単元確認問題
- ◎Let's Try!2
- 解 答
- 単元V) 等式の仕組みと公式の主格変換
- 等式の仕組みと公式の主格変換について
- §1 方程式と恒等式
- §2 等式の同値変形
- §3 公式の主格変換
- ◎単元確認問題
- 解 答
- 単元W) 2乗に比例・2乗に反比例
- 2乗に比例・反比例の指導
- 第T節 2乗に比例する関数
- §1 関数 y=ax^2
- §2 関数 y=ax^2 と変化の割合
- §3 関数 y=ax^2 の利用
- ◎節末テスト問題1
- 第U節 2乗に反比例する関数
- §1 関数 y=a/x^2
- §2 関数 y=a/x^2 のグラフと性質
- §3 関数 y=a/x^2 の利用
- ◎節末テスト問題2
- ◎単元確認問題
- ◎Let's Try!
- 解 答
- 単元X) 立体図形と空間の位置関係
- 第T節 多面体
- §1 多面体の特徴
- §2 正多面体の展開図
- ◎Let's Try!1
- ◎節末テスト問題1
- 第U節 立方体の切断
- §1 空間における直線や平面の位置関係
- §2 平面と平面の位置関係
- §3 立方体の切断
- ◎Let's Try!2
- ◎節末テスト問題2
- ◎単元確認問題
- 解 答
- 単元Y) 地球の幾何学
- 第T節 地球の数学
- §1 緯度と経度
- §2 大阪を基準にした地球上での距離
- §3 時 差
- ◎節末テスト問題1
- 第U節 赤道型日時計
- §1 太陽の動きと地球の関係
- §2 文字盤の仕組み
- §3 幾何学と日時計の原理
- §4 赤道型日時計の作製
- ◎節末テスト問題2
- ◎単元確認テスト
- 解 答
はじめに
本書は『新教科書を補う中学校数学 発展学習教科書』全3巻の中の第1巻,第1学年編である。
現行指導要領は2002年から実施されているが,この全3巻は,その指導要領に基づく中学校の数学教育並びに現行検定教科書について,その不足を補い,必修時間を拡充する内容,あるいは選択教科の内容,さらには,数学を中心とする総合学習の内容として,次に述べる観点から,発展的な活用を願って発刊したものである。
【1】 日本の数学教育の発展を願う私どもは,すでに1992年からの前学習指導要領が,中学1年の数学の必修時間を週3時間としたことに非常な憂慮を表明し,2学年,3学年同様に,週4時間にすべきことを訴え続けてきた。それにもかかわらず,今回の学習指導要領は中学1年の必修時間を増やすどころか,2学年,3学年までも,軒並み週3時間とした。
中学校の数学は,国語と並んで知的な分野の学習の基本である。さらには,中学生が将来活躍する自然科学,社会科学,人文科学など広範な分野の基礎となるもので,今回の措置は日本の将来に大きな危惧を抱かせる。
こうした事態に対応する緊急措置として,本来的に中学生に必要とされながら,現行学習指導要領に不足している数学を,補充する学習が要請される。
【2】 現行学習指導要領は,中学校数学から1元1次不等式を欠落させ,2次方程式の一般解を欠落させ,方冪の定理を欠落させ,統計を欠落させた。
改めて言えば,代数・解析・幾何学・統計学の内容に欠落を来し,体系的な学習を一段と希薄なものにした。
中学の時期には,集合と論理,代数,解析,平面幾何学,空間幾何学,確率と統計,などの内容を,体系的に学習する必要がある。中学生は,本来こうした体系的な学習に適した年齢なのである。
【3】 言うまでもなく基礎教科としての数学の必修時間は,増加することはあっても安易に減らしてはならない。しかし,必修時間の増加で問題が解決するわけではないことも当然である。重要なことは限られた時間の中で,中学生にふさわしい上記各数学諸領域について,体系的な学習を実現することが大切である。言うまでもなくそこでは,既存の内容や既存の体系化を超えた,中学生に相応しい今日的内容と今日的体系化が必要である。
以上のような観点から,かねてより数学教育学の研究を続けてこられた編集者の菊池乙夫氏,並びに長年,中学の数学教育学の理論的,実践的研究を続けてこられた執筆者の各位の協力を得て,本シリーズを公にした。是非,必修時間の発展として,あるいは選択教科の内容として,あるいは数学を中心とする総合学習として,これら全3巻を活用していただくよう願ってやまない。
なお,本書第1巻,第1学年編では,次の内容を展開した。
単元T「集合と論理」では,数学を学習する際の最も基本となる推論の仕方,数学の体系化の意味,論理的な文章表現,などの学習を実際的に扱った。中学生が数学を体系的に学習する際,最も基本となる学習内容である。そして,現行学習指導要領が欠落させている内容の1つでもある。執筆は,学校現場に親しく接触して数学教育学について研究されている黒木伸明氏にお願いした。
単元U「数の表し方と2進法」では,実験・実測で得た数値が演算を重ねる際,誤差がどのように累積するかといった問題,観測値の羃表示,さらに2進法について扱った。誤差や羃表示の問題は,各種実験や調査を進めている中学生には避けて通れない重要な学習分野である。また,2進法はIT時代の今日,数学の重要な基礎である。執筆は,この方面に造詣の深い植野義明氏にお願いした。
単元V「等式の仕組みと公式の主格変換」では,主として2変数に関する等式(関数関係)を,任意の1変数を主格とする式に変換したり,すでに特定の1変数を主格とした等式を他の変数を主格とする等式に変換するなどの内容を扱った。また方程式と恒等式の区別を明らかにし,恒等式についても学習することにした。中学1年であるため,複雑な場合や技巧的な場合を省き,できるだけ実際的な意味が分かるようにした。執筆は学校現場で研鑽を積んでこられた成田達也氏にお願いした。
単元W「2乗に比例・2乗に反比例」では,正比例・反比例の発展として,2乗に比例・2乗に反比例を扱い,変域,独立変数・従属変数,変化率などの関数の基本的概念を学習するようにした。また平方根にも触れ,2乗に比例する関数の実際例にも及んだ。執筆は,学校現場で教育実験を積んでこられた柳本哲氏にお願いした。
単元X「立体図形と空間の位置関係」では,正多面体の双対性(例えば,正四面体の4つの面の重心を頂点とする立体は,正四面体となる。また正八面体の各面の重心を頂点とする立体は,正六面体になる,といった性質)の学習を通して,空間図形の持つ性質に注目させた。さらに,立方体の各種の切断を扱い,空間図形の特徴を直観的に把握できるようにした。執筆は学校現場で,この方面の研究をされている滝澤豊氏にお願いした。
単元Y「地球の幾何学」では,地球時代・宇宙時代の今日,遅くとも中学1年までには学習してほしい「地球の幾何学」を扱った。ここでは経・緯度座標に始まり,地球儀作りから目盛板が赤道に平行な赤道型日時計の製作に及んだ。学習の展開では,できるだけ空間幾何学の諸性質を把握するようにした。執筆はすでに,小学校高学年で「地球儀の幾何学」を実践され,この方面の研究に詳しい渡邉伸樹氏にお願いした。
これらの内容を収めた本書が,中学1年の発展的な数学教育の内容として,多くの学校で実践されることを期待している。本書には未熟な点も残されていると思われるが,再版の際に改めるようにしたい。
なお,本シリーズ全3巻の刊行には,明治図書葛ウ育書編集部 江部満氏をはじめ,多くの方々に大変お世話になった。ここに厚くお礼を申し述べておきたい。
2005年3月 監修者 /横地 清
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明治図書
















