- はじめに
- 第T章 解説編
- 1 数学的活動の位置付け
- 2 数学的活動を充実するための学習指導――数学的活動と「問題」――
- 第U章 事例編
- 式と計算
- [1] 式と計算
- [2] 文字式の利用
- 連立方程式
- [3] 2元1次方程式とその解
- [4] 連立方程式の解法
- [5] 連立方程式の利用
- 1次関数
- [6] 1次関数の意味
- [7] 1次関数のグラフ
- [8] 1次関数と2元1次方程式
- [9] 1次関数の利用
- 平行と合同
- [10] 平行線と角
- [11] 多角形の外角の和
- [12] 図形の合同
- 三角形と四角形
- [13] 角の二等分線の作図の証明
- [14] 平行四辺形になるための条件
- [15] いろいろな四角形
- 確率
- [16] 確率の意味
- [17] 確率の求め方
- [18] 不確定な事象と確率
はじめに
「数学的活動の楽しさ」を知ることは,平成10年に改訂された学習指導要領で中学校数学科の目標に新たに加えられたものですが,中央教育審議会答申や新学習指導要領においても,数学的活動を一層充実させることが強く求められています。
中央教育審議会答申(平成20年1月17日)では,「教育内容に関する主な改善事項」のひとつとして「理数教育の充実」が強調されました。そして,算数・数学の改善の基本方針として,算数的活動・数学的活動を一層充実させることが示されました。
この答申を受けて,新学習指導要領(平成20年3月28日告示)では,中学校数学科の目標の冒頭に「数学的活動を通して」ということが示され,「数学的活動の楽しさ」を実感することとされました。
このように,これまでにも増して,「数学的活動を通して」毎日の数学の授業を行っていくことが求められています。もっとも,数学的活動を通した授業は私たちがこれまでも行ってきたことであり,全く新しい授業や特別な授業ではありません。
本シリーズ(学年別全3巻)では,数学的活動を通して数学の授業を行うための参考として,各学年の「第U章 事例編」で具体的な実践事例(3学年で計55事例)を各4ページで紹介しています。
それぞれの事例では,「1.授業の構想」「2.授業計画」「3.本時のねらい」「4.本時の授業における数学的活動」を見開き2ページにまとめ,次の2ページで「5.本時の流れ」を紹介しています。その授業の【どこで,どのような数学的活動がみられるか】を具体的に明記していることが本書の特徴です。
事例編に先立つ「第T章 解説編」では,「1」で「数学的活動の意義や位置付け」について,「2」で「数学的活動を充実するための学習指導」についてまとめました。なお,「1」,「2」とも前半は3学年にほぼ共通の内容ですが,後半は学年ごとに視点を変えた内容になっています。
数学的活動を通して「よい授業」を行っていくために,本シリーズを活用していただければ幸いです。
最後になりましたが,本シリーズの作成にあたり,明治図書の石塚嘉典さん,有海有理さんには大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。
平成21年3月 編著者 /國宗 進 /相馬 一彦
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- 明治図書
- 数学的活動の模範例として参考にしている。2021/5/540代・中学校教員