- はじめに
- 第T章 第7学年に必要な「選択数学」とは何か
- §1 7年生からこそ自由思考で高次の数学を!
- 子どもとの勝負/ Korper星団の発見!/ 7年生だからこそ自由思考で数学を!
- §2 7年生からこそ製作を通しての数学創りを!
- 日本の9年生とドイツの10年生との協同学習/ 日時計の構造/ 日独間の協同学習の実際/ 先生も生徒も高次の数学に取り組む/ 7年生もまた数学を創り,製作活動が大好き
- 第U章 整数の美しさを探る
- ―整数とその性質―
- 第T節 「整数の美しさを探る」の構成と概観
- §1 整数の性質を扱う数学的・教育的意義
- §2 指導計画とその展開
- 第U節 単元の展開
- 単元1 整数の美しさを探る―整数とその性質―
- 第1節 素数と素因数分解
- §1 整数の世界での計算<問1〜4>
- §2 素数と素因数<問1〜5>
- §3 素因数分解とその利用<問1〜7>
- 第2節 剰 余 類
- §1 剰余の処理と分類<問1〜5>
- §2 剰余類の利用<問1〜2>
- 第3節 数の並び
- §1 図 形 数<問1〜2>
- §2 ピタゴラス数<問1〜4>
- [単元確認テスト]
- 問・単元確認テスト[解答]
- 第V章 割合を生活に生かそう!
- ―濃度から比率へ―
- 第T節 「割合を生活に生かそう!」の構成と概観
- §1 割合の数学的・教育的意義
- §2 指導計画とその展開
- 第U節 単元の展開
- 単元2 割合を生活に生かそう!―濃度から比率へ―
- 第1節 食塩水づくりから
- §1 食塩水の濃度<問1>
- §2 濃度の利用<問1〜3>
- 第2節 野球選手の実力を測る
- §1 ヒットはどれくらい?<問1>
- §2 投手の実力は?<問1〜3>
- 第3節 利息を計算してみよう!
- §1 預金・借入金の利息はいくら?<問1>
- §2 複利法による元利合計<問1〜2>
- 第4節 戸外に出て高さを測ろう!
- §1 高さを測ろう!<問1〜2>
- §2 連比とその利用<問1〜2>
- [単元確認テスト]
- 問・単元確認テスト[解答]
- 第W章 論理の組立
- ―証明の基礎―
- 第T節 「論理の組立」の構成と概観
- §1 論理の数学的・教育的意義
- §2 指導計画とその展開
- 第U節 単元の展開
- 単元3 論理の組立―証明の基礎―
- 第1節 集合と命題
- §1 命題とその真偽<問1〜3>
- §2 2つの集合と複合命題<問1〜4>
- §3 集合の関係にない複合命題とその真偽<問1〜6>
- 第2節 推論と証明
- §1 推論とその基本型<問1〜7>
- §2 証明とその仕組み<問1>
- [単元確認テスト]
- 問・単元確認テスト[解答]
- 第X章 多面体を作ろう!
- ―多面体の性質・製作と立体の表現―
- 第T節 「立体図形を作ろう!」の構成と概観
- §1 中学校数学における立体図形の意義
- §2 指導計画とその展開
- 第U節 単元の展開
- 単元4 多面体を作ろう!―多面体の性質・製作と立体の表現―
- 第1節 多面体
- §1 平面で囲まれた立体<問1〜10>
- §2 多面体の面,頂点,辺の関係<問1〜4>
- §3 面と面のなす角とその大きさ<問1>
- 第2節 立体を図に表す
- §1 見取図<問1>
- §2 投影図<問1〜3>
- [単元確認テスト]
- 問・単元確認テスト[解答]
- 第Y章 立体のスライスから体積を求める
- ―球と斜円錐の体積―
- 第T節 「立体のスライスから体積を求める」の構成と概観
- §1 この単元の数学的・教育的意義
- §2 指導計画と授業展開の概要
- 第U節 単元の展開
- 単元5 立体のスライスから体積を求める―球と斜円錐の体積―
- 第1節 立体のスライス
- §1 球の体積<問1〜4>
- §2 斜円錐の体積<問1〜2>
- 第2節 切断面の等しい立体の体積
- §1 直円錐と斜円錐<問1〜2>
- §2 切断面の面積が球と一致する立体<問1〜3>
- [単元確認テスト]
- 問・単元確認テスト[解答]
はじめに
この『第一学年の「選択数学」』は,『中学校「選択数学」の新展開』シリーズ全4巻の第2巻として,下記の目的に基づいて執筆・編集したものである。
(1) 中学校の数学の先生方に,中学1年の選択教科としての数学の授業に,実際的にすぐ役立てて頂くように配慮した。
(2) 私共が先行的に研究し実践してきた結果と,「選択数学」の学習の成果を資料として,全国各地の中学校に役立つように構成し執筆した。そのために本書の執筆に際しては,全国各地で平素から数学教育を研究され,選択数学の学習を開拓的に実践してこられた先生方を選び,執筆をお願いした。
(3) 本書の第T章では,小学校1年から中学校3年までの児童・生徒の中で,特に中学1年の生徒にとって,選択数学がいかに大きな意義があるかを述べた。
(4) 第U章から第Y章までは,広範な数学の分野から,中学1年の生徒に興味があり,高次の数学にも及ぶ以下の内容を選んだ。
整数自体の仕組みと美しさ,割合や比率の高度で実際的な活用,論理と推論の仕組みと活用,多面体の開拓的研究,球と斜円錐の体積への挑戦,などである。
(5) 第U章から第Y章までの各章では,まず学習内容とその意義を明記し,各節では例題や問を含め,細部にわたって具体的な展開を示した。また各章の終わりには,その章の学習内容の確実な習得を目指して,「単元確認テスト」を提示した。
私共は選択数学もまた,必修数学と同様に,学習した内容を学習者が確実な学力として獲得するよう願っている。例題,問のみならず,確認テストまでも収録・掲載したのも,確実な学力の保障を願ってのことに他ならない。
(6) 中学1年の選択数学の内容は,先生や生徒,地域の状況に応じて,多様な内容が予想される。また,内容の展開方法も多様に考えられる。私共は,本書の内容がこうした多様な選択数学の採用に際しても,実際的な参考資料となり得るように執筆した。
以上の意図で出版した本書が,全国各地の数学の先生方に活用されることを願っている。
なお,本書は『中学校「選択数学」の新展開』シリーズ全4巻の中の第2巻であるが,第1巻である『「選択数学」の考え方と展開』では,中学校全学年を通しての「選択数学」の意義と役割,中学生に必要な高次の数学とその内容,学習指導要領にみる「選択数学」の位置づけ,戦後から今日に至る数学教育史の中での,「選択数学」の歴史的経過,などを詳細に述べた。是非,本書と共にこの第1巻も活用して頂きたい。
また,中学校での選択数学の活用方法は多様であり,『中学校「選択数学」の新展開』シリーズ全4巻の中の,第3・4巻に相当する『第二学年の「選択数学」』,『第三学年の「選択数学」』も活用して頂き,必要に応じてこれらの巻の内容を,中学1年の選択数学として利用して頂くと幸いである。
本書を初め,『中学校「選択数学」の新展開』シリーズ全4巻の出版が実現の運びとなったのは,明治図書の江部満氏の激励と援助によるところが大であった。ここに改めて感謝の意を表しておきたい。
2000年10月1日
監修者 /横地 清
編集者 /菊地 乙夫
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- 明治図書