イラスト解説 今日からできる!算数的活動の実践モデル 高学年編

イラスト解説 今日からできる!算数的活動の実践モデル 高学年編

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イラスト解説で目で見てわかる!算数的活動の実践モデル集

新学習指導要領の内容に具体例が示された算数的活動。“でも、算数的活動って、実際授業ではどのように取り組めばいいの?” そんな疑問に答えるべく、子どもの活動から教材・教具まで豊富なイラストを中心にまとめた、目で見てわかる実践モデル集です。


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ISBN:
978-4-18-544916-8
ジャンル:
算数・数学
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 144頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
T 理論編
§1 「算数的活動」の実相に迫る
1 「算数的活動」の意味は?
2 「活動」の意味をどうとらえたらいいの?
3 内的な思考活動と外的な操作活動の関連をどう考えたらいいの?
4 具体例で説明すると?
5 算数的活動の実相は?
§2 「算数的活動」の成立過程を探る
1 「算数的活動」はいつ,どのようにして生まれたの?
2 算数的活動は旧解説書ではどのように説明されているの?
3 算数的活動が重視されてきたわけは何なの?
4 今回の改定で,算数的活動がより一層充実されたのはなぜ?
5 新しい算数的活動の意味はどのように変化したの?
§3 まとめ
U 実践編
§1 5学年の実践モデル
1 奇数・偶数 ◆「奇数と偶数の数図カード」を使って
2 倍数・約数 ◆両手を挙げれば公倍数
3 素数 ◆素数の性質に気付き,その不思議な世界に触れよう
4 小数でわる計算 ◆発表・おたずね・つけたしの意見交換でコミュニケーションを深めよう
5 異分母分数の加減 ◆「等しい分数板」を使ってたし算してみよう
6 分数のわり算(分数÷整数) ◆「等しい分数板」を使ってわり算してみよう
7 三角形・四角形の面積 ◆平行四辺形は合同な三角形2つに分かれるから
8 ひし形の面積 ◆2つの対角線が垂直に交わる形の面積
9 平均 ◆ゲームの得点を比べるには?
10 単位量当たりの大きさ ◆3つの部屋の混み具合を調べよう
11 直径と円周 ◆円周リレーをしよう
12 図形の合同 ◆2つの三角形が合同であることを説明しよう
13 多角形の内角の和 ◆多角形の内角の和を求めるための「図形操作板」
14 角柱と円柱 ◆友だちの作った角柱を当てよう
15 簡単な場合の比例関係 ◆3つの点を結んでできる三角形の面積を比べよう
16 数量の関係を表す式 ◆「カレンダーマジック」のひみつを調べよう
17 百分率 ◆関係をとらえやすくするテープ図の工夫
18 円グラフ・帯グラフ ◆自分たちの生活実態調査をグラフに表そう
§2 6学年の実践モデル
1 分数÷分数 ◆巻紙面積図「ペンキ塗りマシン」を使って
2 四則混合計算 ◆林間学校のタイムスケジュールを考えよう
3 概形とおよその面積 ◆大仏様の手のひらの面積を求めよう
4 円の面積 ◆円を等分した形を切り貼りしてみよう
5 柱体の体積 ◆底面積×高さ(いくつ分)のイメージを
6 速さ ◆ストップウォッチで電車の速さを測ろう
7 メートル法 ◆身の回りの単位について調べよう
8 拡大図・縮図 ◆拡大図を並べてながめてみると
9 線対称 ◆鏡を使って線対称の図形を作ろう
10 点対称 ◆合同から点対称へ
11 比例@ ◆形は同じで大きさの異なる長方形を作ろう
12 比例A ◆特急列車が普通列車を追い抜くグラフ
13 反比例@ ◆自作天びんにおもりをつるしてみよう
14 反比例A ◆レーザーの光はどこに反射するの?
15 文字を用いた式 ◆サイコロの隠れた面の数はいくつ?
16 柱状グラフ ◆柱状グラフの形を読み取ろう
17 場合の数@ ◆具体的な事象に即して順序よく調べよう
18 場合の数A ◆「45213」は大きい方から数えて何番目?

はじめに

 新学習指導要領に基づく算数教育の実践が始まった。本格実施としては,平成23年度からであるが,算数科では,平成21年度の移行措置期間よりその趣旨を踏まえた先行実施がスタートしている。

 今回の新しい算数教育の特長とするところは,その目標に端的に現れている。新学習指導要領の算数科の目標は次の通りである。


  算数的活動を通して,数量や図形についての基礎的・基本的な知識及び技能を身に付け,日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え,表現する能力を育てるとともに,算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き,進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる。

         (傍線筆者)


 傍線部分が主として改訂されたところであるが,次の3点に要約することができる。

@算数的活動の充実

A表現力の育成

B活用の重視

 特に「算数的活動を通して」が目標の冒頭にきたところに大きな特長がある。「算数的活動」は平成10年告示の学習指導要領の算数科で登場した言葉であるが,今回はそれがより一層強調され,充実が図られたということである。

 この「算数的活動」については,『小学校学習指導要領解説算数編』(平成11年5月文部省)や『小学校学習指導要領解説算数編』(平成20年8月文部科学省)において,その意味が述べられ,その意図するところが詳しく説明されている。しかしながら,学校現場で実践する者にとって,その意味を十分とらえられるところまで説明されていないという声も聞かれるところである。算数的活動の実践例に関する書籍もいくつか刊行されているが,具体例の紹介だけに止まり,わかりやすく算数的活動そのものを説明している本は見当たらないと感じているのは筆者だけであろうか。

 筆者は,学習指導要領算数科の改訂に,平成10年告示と平成20年告示の2回にわたって携わらせていただき,『小学校学習指導要領解説算数編』も2度にわたって,その作成協力者をさせていただくという幸運に恵まれた。この期間に幾度となく行われた会議などの経緯等も踏まえて,約40年間にわたって小学校現場での算数教育の実践研究の中に身を置きつつ自ら経験してきたことを基に,算数的活動を現場の実践者にとってわかりやすく,より具体的に説明できればという願いをもち続けて今日に至っている。そこで,算数的活動とはこういうものであるということを,わかりやすく明確にしたいという気持ちで,独断的な部分もあることを承知で本書を執筆した。事例については,現場での実践者から具体的な実践例の提供を受けたが,算数的活動の意味に沿うように検討を加えて開発されたものを集めた。

 これからの新学習指導要領の本格実施に向けて,各地の算数教育の実践が実り多きものになるようにと願いを込めて,筆を置くことにする。

 最後になりましたが,高学年編の編集に協力いただいた堀俊一校長先生,各実践を提供していただいた研究仲間の先生方,また原稿が大変遅れたにもかかわらず,あたたかく見守ってくださった明治図書の矢口郁雄氏に心より御礼申し上げます。


  平成22年1月   大阪成蹊短期大学 /小西 豊文

著者紹介

小西 豊文(こにし とよふみ)著書を検索»

大阪成蹊短期大学教授

1949年大阪市生まれ。大阪教育大学数学科卒業。兵庫教育大学大学院修了。大阪市公立小学校,大阪市教育委員会などに勤務,芦屋大学助教授を経て,現在,大阪成蹊短期大学教授。

専門は算数授業論,算数教具開発論。文部科学省(文部省)『小学校学習指導要領解説算数編』の平成11年版,20年版ともに作成協力者。

堀 俊一(ほり しゅんいち)著書を検索»

帝塚山学園帝塚山小学校校長

1946年生まれ。佐賀大学教育学部及び奈良女子大学数学研究科卒業。現在、学校法人帝塚山学園理事,帝塚山小学校校長,同幼稚園園長。日本私立小学校連合会副会長,西日本私立小学校連合会会長。1998年,教育功労者として文部大臣表彰。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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