学力向上フロンティアスクールの実践8
算数科・コース別指導による確かな学び 理論編
補充的学習と発展的学習の効果的な進め方

学力向上フロンティアスクールの実践8算数科・コース別指導による確かな学び 理論編補充的学習と発展的学習の効果的な進め方

投票受付中

書評掲載中

本当に効果をあげることができるコース別指導を提案する。

少人数あるいはTTの加配の教員を加えて、どのように指導体制を組織し、どのような単元指導計画を立案すれば、学習者の主体を尊重し、一人一人に合った教育へと近づくようなコース別指導、TTができるか、という問いへの1つの明解な答えを出したシリーズの理論編。


復刊時予価: 2,442円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: 未販売

電子化リクエスト受付中

電子書籍化リクエスト

ボタンを押すと電子化リクエストが送信できます。リクエストは弊社での電子化検討及び著者交渉の際に活用させていただきます。

ISBN:
4-18-530818-3
ジャンル:
算数・数学
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 144頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 算数教育の現状と課題
――個性を生かした教育への転換
1.1 基礎・基本の確実な定着
1.小学校算数科の基礎・基本について
2.基礎・基本を明確にする評価規準の作成
3.B規準と基礎・基本
4.B(基礎・習熟)の授業改革と基礎・基本
5.C(補充・復習)の授業改革と基礎・基本
6.A(発展・拡充)の授業改革と基礎・基本
1.2 個人差に応じる指導 ――フロンティアスクールのねらい
1.課題であり続ける個人差に応じる指導
2.学力向上フロンティア事業
3.個人差に応じる指導の視点
1.3 学力のとらえ方と評価の仕方
1.学力のとらえ方
2.学力の評価の仕方
第2章 学力向上のための基本構想
――進みつつある学校改革
2.1 「一人一人の学力」を向上させるために ――目的の共通理解
1.目的は何か
2.目的を達成するための方策
2.2 校内の指導体制の確立と保護者の意識改革
1.指導体制の確立
2.少人数指導は条件整備が重要
3.学校体制を整える
4.保護者の意識改革
2.3 他校との協力と授業力アップ
1.他校との協力
2.授業力アップ
第3章 効果的なコース別指導/TTの在り方
3.1 算数科の問題解決指導 ――ホンモノの学力をつける
1.ホンモノの学力と問題解決指導
2.問題解決型の授業の流れ
3.問題解決型の授業ポイント
3.2 補充的な学習の指導と教材開発
1.補充的な学習とは何か
2.補充的な学習はなぜ必要か
3.補充的な学習の内容と指導の進め方
4.コース別学習での補充的な学習の指導
5.補充的な学習の指導形態
6.補充的な学習のための教材開発
3.3 発展的な学習の指導と教材開発
1.発展的な学習とは何か
2.なぜ発展的な学習が必要か
3.発展的な学習の内容と指導の進め方
4.発展・拡充の教材開発の視点
5.コース別学習における発展的な学習
6.単元構成における発展的な学習
7.発展的な学習の3つの視点と実践例
8.よりよい問題解決者を育てるために
3.4 コース別指導/TTのための指導計画
1.コース別指導のための指導計画
2.TTのための指導計画
3.5 コース選択とコースガイダンス
1.コース選択
2.低学年のコース選択
3.中学年のコース選択
4.高学年のコース選択
3.6 学習カード(記録)と評価を生かした指導
1.評価を生かした指導の工夫
2.評価を生かした指導の手だて
3.児童による授業評価や保護者等の外部評価を生かした授業改善
第4章 新しい評価の工夫と学力の在り方
4.1 新しい評価の在り方と工夫
1.新しい評価方法が求められる背景
2.新しい評価の在り方
4.2 コース別指導における評価の在り方
1.コース別指導の評価の課題
2.単元の評価計画作成手順
3.各コースの評価規準の具体例
4.コース別評価(テスト)の必要性
5.コース別学力実態調査
4.3 学力テスト及びアンケート調査の結果とその考察
1.コース別学力テスト問題の評価
2.コース別学力テストの達成状況
3.コース別調査結果
4.アンケート調査結果と考察
おわりに

はじめに

 本シリーズは,平成14年度から3カ年間,学力向上フロンティアスクールの研究指定を受けた二校―埼玉県白岡町立白岡東小と東京都三鷹市立北野小―が協力関係をもちながら実践研究に取り組んできた成果をまとめたものである。編者である私は両校の研究を推進させるため,毎年,数回ずつ各校の校内研究会に参加し熱心な議論を通して,本シリーズに展開されるような,新時代にふさわしい実践を一緒になって作り上げてきた。

 個性を生かした教育への転換をやり遂げること,そして一人一人の学力を向上させることを目指して,効果的なコース別指導/TTの在り方について,ある程度の高い完成度で確立することに成功したと自負している。この研究の目標を達成し,短期間で一応の成果を上げるために,二校が互いに協力しアイデアを出し合い,多くの実践を交流させることが極めて効果的であったと思う。両校は互いの校内研究のたびに数人ずつを派遣し,情報交換を綿密に行い,意見の交流に努めてきた。もちろん,各校の独自性は尊重されており,各校の環境や条件が異なることから自ずと独自なやり方が生まれてきた。しかし,上に掲げた研究の目標は共通であり,指導体制の組織化やコース別指導/TTの進め方などに多くの類似点が見られるのは,協力関係を結びつつ研究を行ってきた成果である。

 平成16年度の後半には,全国のほぼ全校に少人数加配の教員が配置された。しかし,加配教員を加えて,どのような指導を実践すれば効果的なのか,いまだ暗中模索の状況にある学校も少なくない。一方では,「少人数」指導というのだから,とにかく1学級の人数を少人数にして授業すればよい,という考え方がある。例えば,1つの学級を半数ずつに均等分割して授業をすれば,個別指導などきめ細かな指導ができるので,効果的であるというのである。このやり方が有効な場面もあるに違いないが,このやり方だけでは,恐らく従来からの落ちこぼれといわれる児童を一人も救うことができないであろう。また,算数の方面で優れた才能をもつ児童たちの学力を,教科書の範囲を超えて伸ばすことも,まず不可能に近い。

 他方では,習熟度別指導を行えばよいのだということで,児童の発達段階や単元の指導内容などを一切考慮に入れず,全学年の全単元で,毎回習熟度の振り分けテストを実施し,その点数に応じて習熟度別コースに振り分けて指導する,という考え方がある。このやり方も時と場合によっては有効であろうが,機械的形式的に流れてしまうと,単なる選別と競争に基づく指導という,差別的な教育に陥りかねない。

 これらはともに両極端な考え方であり,それによる効果は一時的にはあがっているように見えても,長い期間を実践したときにはその成果が疑問視される。というのは,本当の意味の個性を生かした教育という流れから逸脱しており,一人一人の学力を高め,創造性の基礎を培う教育から遊離しているからである。

 では,少人数あるいはTTの加配の教員を加えて,どのような指導体制を組織し,どのような単元指導計画を立案すれば,学習者の主体性を尊重し,一人一人に合った教育へと近づくようなコース別指導/TTができるか。この問いに1つの明解な答えを出すことが本シリーズのねらいである。本シリーズは「理論編」1巻と「実践編」2巻とから成っている。前者は少人数担当者及び研究主任必携であり,後者は全学年の主要な単元についてコース別単元指導計画をも載せている。現在,算数の学力向上を目指して奮闘している先生方にとって必ず役立つばかりでなく,勇気と展望を与えることができるならば,この上ない幸せである。

 最後に,多忙の中にもかかわらずご協力をいただいた本シリーズの執筆者の方々並びに両校の関係各位に心から感謝申し上げるとともに,作成にご尽力を賜りました明治図書編集部の石塚嘉典氏に厚くお礼を申し上げる次第である。


  平成17年初夏   編著者記す

著者紹介

伊藤 説朗(いとう せつろう)著書を検索»

昭和15(1940)年12月東京都に生まれる。豊橋市の小学校,中学校を経て,愛知県立時習館高等学校を卒業し,愛知学芸大学(愛知教育大学の前身)中学校教員養成課程・数学科に入学する。昭和38(1963)年に同大学を卒業し,愛知県立豊橋商業高校,愛知県立豊橋工業高校の数学科教員を9年間勤める。

昭和47(1972)年に高校教員を退職し,東京教育大学(現在の筑波大学の前身)大学院教育学研究科に入学し,再び数学教育の勉強を始める。昭和52(1977)年に同大学院博士課程を単位取得退学し,熊本大学教育学部に講師として就職する。昭和54(1979)年に文部省初等中等教育局調査官に転勤し,小学校算数科の教育について実証的な研究を行う。そして,昭和59(1984)年に東京学芸大学に助教授となり,平成2(1990)年に同大学教授に昇任,平成16(2004)年に退官,名誉教授となる。

現在,日本数学教育学会副会長,新算数教育研究会会長である。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書

ページトップへ