学びの経験を生かす授業−生活教育におけるカリキュラムをもとに−

学びの経験を生かす授業−生活教育におけるカリキュラムをもとに−

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学びの経験が子どもたちの世界の拡大、自己の成長につながる。

「生活教育」の理念のもとに「新たな自分を創る子ども」を求めつづけている附属岡崎小学校。子どもたちが価値意識を更新する背景にある「学びの経験」に着目し、それを生かす授業の確立を目指した2000年からの4年間の研究の集大成。


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ISBN:
4-18-522718-3
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 292頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 学びの経験を生かす授業
第1節 「新たな自分を創る子ども」を求め続けて
1 生活深化をめざす生活教育
2 新たな自分を創る子ども
第2節 “経験”への着目
1 “経験”をもとに価値意識を更新する子ども
2 “学びの経験”とは
3 学びの経験のつながり
第3節 生活教育におけるカリキュラムの明確化
1 「生活教育におけるカリキュラム」とは
2 「生活教育におけるカリキュラム」の特長
第4節 「生活教育におけるカリキュラム」を授業づくりに生かす
1 子どもの「伸びようとする芽」をとらえ子どもにかける願いを明確にする
2 「有効と考えられる経験」を位置づけ教材模索・選定・吟味の視点にする
3 「この子らしさ」を生かす教師支援を見通し子どもの追究・活動を支える
第2章 学びの経験を生かす授業づくり
第1節 学びの経験を生かす授業の構想と展開
第2節 学びの経験を生かす授業の構想
1 子どもをとらえ その背景にある学びの経験をさぐる
2 子どもにかける願いを明確にする
3 願いを具現するための経験を位置づける
4 教材を模索・選定し 有効と考えられる経験を位置づける
5 教材を吟味する
6 この子らしさを生かす教師支援を見通す
第3節 学びの経験を生かす授業の展開
1 青空の下で給食を食べたい
2 1年生・2年生とも食べたい
3 どこにつくろう
4 お客さんの意見も参考に
5 みんなにも使ってもらいたい
6 友だちいっぱい 青空ランチ
7 もっと楽しく もっとおいしく
8 青空ランチのおかげ
9 まほうの青空ランチ
コラム ―教室の一場面―
・スピーチを楽しむ子どもと教師
第3章 新たな自分を創る子どもたち
国語科
1年「おしえてあげるよ やさいさんのきもち」 ―まど みちお『いっぱい やさいさん』―
社会科
4年「どうなるの 生活の足としてのバス路線」
算数科
5年「仲よしのしるし ペアバッグ作り」 ―垂直・平行 長方形の作図―
理科
6年「もっと知りたい 『とける』のひみつ」
音楽科
4年「合わせよう 私の手とあなたの心」 ―ボディパーカッション―
図工科
2年「ぼうけんだよ! ふしぎ色の世界へ」
家庭科
6年「生まれ変わるよ 私のおさがり」
体育科
2年「かわして つないで ラインをこえろ!」 ―ドーナツラグビー―
くすのき学習で求める子ども
低学年くすのき
2年「どろんこひろばで わくわく米づくり」
高学年くすのき
5年「ぬくもり伝えたい! ハートフルタウン」
コラム ―教室の一場面―
・日記にありのままの自分をつづる子どもたち
・子どもたちの思いやりの心を育む姉妹交流
第4章 伸びる子どもの芽 伸ばす教師の眼
第1節 自分を高めていこうとする姿
1 自分を高めていこうとする子ども
2 自分を高めていこうとする教師
第2節 子どもたちを見守り続けて
資料 生活教育におけるカリキュラム
学年カリキュラム
教科学習・くすのき学習カリキュラム
単元カリキュラム・個別経験一覧表
愛知教育大学附属岡崎小学校の実践・研究に寄せて   立教大学文学部教育学科 教授 /奈須 正裕
おわりに
愛知教育大学附属岡崎小学校の研究のあゆみ
研究同人

はじめに

 科学技術の進歩や産業経済の発展などに伴い,子どもたちを取り巻く社会の状況,生活環境は大きく変化しています。初発型非行がまん延し,いじめや不登校などの問題が深刻化するなか,豊かな人間性や社会性,そして,自分で課題を見つけ,自ら学び,自ら考える力などを育成し,子ども一人一人の個性を生かす教育の充実を図ることが求められています。

 本校では,大正8(1919)年の研究会以降,子ども一人一人の個性と生活体験を大切にし,「教育は生きる力を磨き,深めることであらねばならぬ」という基本理念のもとに,「生活教育」の実践,研究に取り組んできました。わたしたちは,この「生活教育」を「子どもが生活のなかでの経験を通して,生活をよりよいものにしていくために必要な知識や技能を自ら学び取り,人間性を豊かにしながら,生活を深め,拡げていく,創造的・発展的な教育活動」であると考えています。そして,その成果はこれまで『問いつづける子ども』(1980年)『子どもとともに創る授業』(1984年)『生活を拓く授業』(1988年)『この子の輝く授業』(1992年)『未来を生きぬく子ども』(1996年)『新たな自分を創る子ども』(2000年)にまとめられ,公刊されてきました。

 現在,わたしたちは,「友だちとともに学ぶなかで,自分らしさを生かし,価値意識を更新しながら,自分を高めていこうとする子ども」を「新たな自分を創る子ども」とし,求め続けています。そのなかで,平成12年の秋から,「学びの経験を生かす授業」を研究主題に掲げ,子どもたちが価値意識を更新する背景にある「学びの経験」に着目し,その学びの経験を生かす授業の確立をめざしてきました。

 研究1年次は,生活教育におけるカリキュラムのあり方をさぐり,その明確化に努めました。2年次は,生活教育におけるカリキュラムをもとにした教師支援のあり方に焦点を当て,授業実践に取り組みました。3年次は,子ども一人一人に寄り添った教師支援のあり方に焦点を当て,この子らしさをとらえ生かすための教師支援を見通し,単元構想に位置づけてきました。そして,4年間の研究実践を積み重ねるなかで,わたしたちは,伸びようとする「子どもの芽」と,それを伸ばす「教師の眼」の大切さを改めて実感したのです。

 まだまだ試行錯誤の連続であり,実践半ばではありますが,ここに,これまでのわたしたちの実践研究をまとめてみました。読者の皆さま方の忌憚のないご批判とご指導をいただき,本校の研究実践がさらに前進していくことを願っております。

 最後に,わたしたちの研究を熱心にご指導いただきました愛知教育大学の諸先生,愛知県及び市町村教育委員会,各地区の先生方,ならびに本校の諸先輩方に,末筆ながら,厚く御礼申し上げます。


  平成16年9月   愛知県教育大学附属岡崎小学校 校長 /神谷 孝男

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