- 序 /高橋 俊三
- はじめに /藤本 好男
- 第T章 音読からの出発
- 一 生活を拡げる子どもたち
- 二 音読にかける願い
- 1 授業を創る
- 2 子ども同士の学び合い
- 3 地域との学び合い
- 4 教師の力量アップ
- 5 学校のブランド化
- 第U章 音読を届ける
- 一 お話たっきゅうびん
- 1 「お話たっきゅうびん」スタート
- 2 いざ、出陣
- 3 おばあさんからの手紙
- 4 独り暮らしのお年寄り宅へ
- 5 再び保健センターへ
- 6 設楽福祉村 キラリンとーぷへ
- 7 「ひまわりの会」のクリスマス会へ
- 8 熊谷さん宅へ
- 二 語りの夕べ
- 1 語りの夕べプログラム
- 2 進行細案
- 3 会を終えて
- 第V章 音読で変わる
- 一 学びを深める子どもたち ――全校群読『ひなさまのうた』から
- 1 全校の子どもの声と心が織りなす感動の世界
- 2 全校群読を子ども主体の活動に
- 3 全校群読のリーダーは六年生
- 4 全校群読『ひなさまのうた』のあゆみ1 群読への思いを高める
- 5 全校群読『ひなさまのうた』のあゆみ2 群読の声を響かせる
- 6 『ひなさまのうた』群読台本
- 二 教師の思い
- 三 学び合う親たち
- 1 教室での親子の学び合い
- 2 保護者同士の学び合い
- 第W章 音読で拡がる
- 一 地域の方とともに
- 1 語りのグループ「あ うんの会」と
- 2 渡辺弘・満州子さんと
- 二 古戸小学校の子どもたちと
- 三 修学旅行で
- 四 もう一つの発信
- 第X章 音読でできる
- 一 「不登校」ゼロ
- 二 知能の向上
- 三 古典を楽しむ
- 1 音読で古典の世界へいざなう
- 2 古典の音読を楽しむ
- 3 『徒然草』「猫また」を読む
- 4 『竹取物語』を読む
- おわりに―音読の継続へ― /藤本 好男
- 感謝 /草野 健治
- 心を伝える田口小学校児童に「感動」 /遠山 久男
はじめに
「昨日はとても感動しました。入学して一か月しかたっていない一年生が三つの詩をあれだけ楽しそうに元気に、たくさんの人の前でできるなんて。家で聞いても、声もあまり大きく出せなかったのでびっくりしました。最後の号令も元気にはきはきしていて、直樹やったあ!と涙が出ました。……略……音読フェスティバルの後での家での音読も急に元気になりました。号令まで目の前でやってもらってしまいました。一度人前でやるともう大丈夫みたいです。」 直樹くんのお母さん
五月十五日、津具村語りの会主催の「ひびけ! 音読フェスティバル」に、本校の一年生十八人が参加した。文字もおぼつかない子どもたちであったが、『あいうえお』(あらいたけこ)、『おたまじゃくしはなかないね』(宮沢章二)、『しっぽ』(北村蔦子)の三つの作品を、はっきりした、よく通る声で発表し、会場から大きな拍手をいただいた。期待しつつもそれよりもはるかに大きな心配を胸に会場に出向いた保護者も、「小学生になった我が子の姿」を目の当たりにしたに違いない。
私たちは、これまでに
『音読で国語力を確実に育てる〜子どもの声と笑顔あふれる学校〜』(平成十三年十月)
『音読の響き合う町―田口小国語教室からの発信―』(平成十五年十月)
と、二度にわたる明治図書からの出版の機会に恵まれた。前者は、音読を生かした国語の授業をどのように展開するか具体例を紹介したものである。そして、後者は、国語の授業で培った「音読力」を、子ども同士がどう高め合ったのか、また、それらを地域にむけてどのように発信していったのかを紹介したものである。
これらの出版図書や、毎年秋に開催している公開授業研究会を通し、全国各地からの本校の実践に対しての温かいご指導やご批正を賜った。それらを励みに実践を継続する中から、私たちは、音読する子どもの姿の中に「今を生きる姿」を見つけ、注目し始めたのである。
本校のある設楽町は、愛知県東北部に位置し、人口五千人余、高齢化率は四十パーセントを超える。かつては基幹産業であった林業も、昨今は全くの不振。過疎に歯止めがかからない山間の町である。
しかし、私たちは、町の将来に大きな希望を持ち続けたい。そのためにも「音読」を通して子どもたちの創造性、人間性の高まりに期待したい。換言するならば、「音読」を核にした学校経営を通し、子どもたちが「今を生きる」ことを体験し、「未来を生きる力」を培ってほしいと願うのである。
田口小学校の子どもたちが、音読の中に見せる「今を生きる姿」が、この本の中からご想像いただければ幸いである。
なお、出版を全面的にご支援くださった前群馬大学教授 高橋俊三先生、明治図書編集長 江部満様に心より感謝申し上げます。
平成十六年六月 田口小学校長 /藤本 好男
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明治図書
















