21世紀型学級づくり2
失敗しない「学級づくり」の原則36

21世紀型学級づくり2失敗しない「学級づくり」の原則36

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学級づくりにとてつもなく大きな差を生む原理・原則36!

子どもが動く「学級の組織づくり」を提案。学級開きには雰囲気づくりが絶対条件と説く。さらに授業こそが学級づくりの生命線として「はてな」を持とうと呼びかける。集団自治力向上のポイント、子どものとらえ方を説く。


復刊時予価: 2,332円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-516629-X
ジャンル:
学級経営
刊行:
3刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 128頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 子どもが動く「学級の組織づくり」六つのポイント
1 基本的な組織のシステムは、三日でつくる
2 「当番活動」と「係活動」をはっきり区別する
3 活動を実感できる「場」を設定する
4 活動当初は「プラス評価」に重点を置く
5 活動が滞ったら、小さな要求≠ゥらはじめる
6 危機管理≠意識しておく
U 雰囲気づくりが「絶対条件」!
7 「学級開き」はわくわくドキドキ!
8 メリとハリで学習習慣を身につける
9 二週間で「話を聞く」雰囲気を作り上げる
10 学級目標は、ツーウェイで作り上げる
V 「授業」こそが「学級づくり」の生命線
11 教材は、常に、子どもたちのウケ≠考える
12 「誤答」こそが、指導力アップのチャンス!
13 「はてな」をもたない教師は伸びない
14 自分なりの教材研究法をもつ
15 授業改革≠ナ「学ぶ気持ち」を育てる
W 生徒指導は第3の柱
16 おもての問題児≠ニウラの問題児≠見極めよ
17 落差≠ノよって指導が入る
18 長い説教、休むに似たり
19 「個人レベルの問題行動」と「集団レベルの問題行動」を区別せよ
20 問題が起こった時ほど、「しめた!」と思え
X 集団自治力向上のポイント
21 「できた事実」が子どもを変える
22 「リーダーシップ」より「メンバーシップ」を育てる
23 基本行動をパターン化する
24 学級イベントが人間関係をつくる
25 やってみせ、やらせてみせて、誉めてやらねば自治力はつかない
Y 子どもたち一人一人のとらえ方
26 子どもたちの「具体的事実」に注目する
27 子どもたちの小さな変化≠ノ敏感になれ!
28 観点をひとつだけ決めて見る
29 記録を取り続ける努力を怠らない
30 情報のアンテナ≠広くする
Z 低中高学年別、学級づくりのポイント
31 低学年―優しさとガマン強さ
32 中学年―ガキ大将的存在感
33 高学年―見通しと行動力(バイタリティー)
[ 教師が楽しまなければ「学級づくり」じゃない
34 アマチュアは「いかに手を抜くか」を考え、プロは「いかに手をかけるか」を考える
35 実践なき者の批判は、教育評論家と同じである
36 教師が楽しまなければ「学級づくり」じゃない
「学級づくり」記録ノート用資料
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まえがき

 私は今まで、一年生から六年生までの全学年を三回以上担任させてもらった。そんな私が六年生を送り出す時、黒板に次のようなメッセージを書いている。


  卒業おめでとう!

  筑波≠ノなるな。富士≠ノなれ!

  今まで以上の「自分なりの富士山=vを中学校で見つけよう。


 そして、卒業式後、教室に戻ってきた子どもたちに次のようなことを言う。


 筑波山という山があります。この山は、九百メートル足らずの山ですが、同じ高さの山並みが続いています。一方、富士山はみんなが知っている通り、日本で一番高い山です。

 あなた方は、四月から中学生になります。どうぞ、今まで以上に「自分なりの富士山=vを見つけて下さい。

 「おれは、これが得意だ」「これだったら、私に任せて!」という「自分なりの富士山=vを見つけて下さい。

 また、『詞集たいまつ』(評論社)という本の中に次のような言葉があります。

 「人はだれでもその人にこそふさわしい役割、その人でなければならない仕事をめいめい必ず一つは持っている。だから自分はだれにも劣るものではなく、だれかに優るものでもない。それを知ったとき、人は自立する。」

 他人と比べることなく、おごることなく、しっかり自分を見つめて「自分なりの富士山=vを見つけて下さい。

 卒業おめでとう!


 このメッセージは、次のような思いから生まれている。


 花壇に花を植える時、同じ種類の同じ色の花を植えると、とてもきれいである。

 しかし、いろいろな種類の、いろいろな色の花を植えたら、もっともっときれいである。


 「学級づくり」もこれと同じである。

 学級には、実に様々な子がいる。勉強がよくできる子もいれば、問題行動ばかり起こす子もいる。また、よく気がついて、何事もてきぱきとこなす子もいれば、何をやっても時間がかかる子もいる。

 しかし、様々な子がいるからこそ、「学級づくり」がおもしろい。そして、「学級づくり」が楽しい。

 決して、「勉強ができる子」や「よく気がつく子」、「教師にとって手がかからないよい子=vだけのための「学級づくり」ではない。

 「学級づくり」において最も大切なことは、「一人一人の存在感を高めること」であり、「自分なりの富士山≠見つけさせること」である。そして、それは「だれにも劣るものではなく、だれかに優るものでもない」ということに気付かせることだ。


 一九九七年の拙著『自立した子を育てる「学級づくりステップ組織術」』(明治図書)で、私は次のようなことを書いた。


 ロケットを打ち上げる時、打ち上げる角度が1・2度違っただけでロケットの到着地点は大きく違ってきます。

 「1・2度」というちょっとした違い≠ェ、「何十メートル、何百メートル」というとてつもなく大きな差≠ニなって表れてきます。

 これは、「学級づくり」においても同じことがいえるのです。


 本書作成にあたり、今まで積み上げてきた「学級づくり」の原理・原則≠「失敗しない『学級づくり』の原則 」という形でまとめさせていただいた。

 本書に書かれていることは、「学級づくり」における当たり前のこと≠ナあり、「学級づくり」を進めていく上で忘れてはならない原理・原則≠ナある。

 しかし、これは「学級づくり」においてとてつもなく大きな差≠生む原理・原則≠ネのである。

 「総合的な学習」が始まり、学力低下が問題になる中、学校教育が大きな転換点に差しかかっている。しかし、そんな「転換点」だからこそ、「学級づくり」の重要性が問われ、学級担任としての力量が試されている。

 子どもたちを鍛え、子どもたちを成長させるために、そして、先生の『「学級づくり」実践』に何らかのお役に立てれば幸いである。


 最後になりましたが、今回、本書作成の企画を与えてくださった明治図書の江部満氏、樋口雅子氏に厚く感謝申し上げます。

 また、多くの仲間に支えられて本書が出来上がりました。ありがとうございました。


  二〇〇四年二月

   全国「学級づくり」研究会・「学級づくり」中央研究所 代表 /戸田 正敏

著者紹介

戸田 正敏(とだ まさとし)著書を検索»

1957年12月生まれ

1998年4月 千葉県船橋市立三山東小学校勤務,現在に至る

全国「学級づくり」研究会・「学級づくり」中央研究所代表

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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