説明責任時代の学級担任の仕事ガイドブック
子どもと保護者から信頼される取組みマニュアル 小6担任版

説明責任時代の学級担任の仕事ガイドブック子どもと保護者から信頼される取組みマニュアル 小6担任版

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教育の自由化、多様化が進むほど、説明責任は大きくなる。

説明責任はこれからの学校教育のキーワード。各学級担任も日常の指導について子どもや保護者の理解を得、信頼を得ることは大事な要件になり一層の工夫が必要になる。本書は小6担任のための説明責任の実践ポイントと内容を的確に解説した手引。


復刊時予価: 2,442円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-509017-X
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 144頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
1章 6年の学級担任・説明責任を果たす仕事への心構えと重点
○はじめに 〜説明責任時代、何が大切なのか〜
1 小学校最後の学級担任としての重さの自覚から
2 こんな6年学級担任でありたい!(6年学級担任として留意すべきこと)
3 学級担任に求められる説明責任の果し方
○おわりに
2章 6年の学級担任の仕事・取組みのマニュアル365日
一 信頼を得る一学期の取組みマニュアル
1 学級の出発・子どもと保護者の心をつかむ演出のポイント
2 学級通信・ぜひ落としてはならない学級通信第1号作成のポイント
3 授業参観・保護者を安心させる授業参観と第一回保護者会の押さえどころ
4 家庭訪問・保護者が心を開き、担任を信頼する実施プラン
5 宿題・保護者が納得する宿題の出し方・アイディア集
6 学級通信・保護者が待ち望むネタ&レトリック
7 学期末懇談会・参加したくなるためのアイディアと留意点
8 通知表・保護者に子どものよさを納得させる評価文例
二 信頼を得る二学期の取組みマニュアル
1 トラブル解決・保護者の理解と協力を得る連絡・連携のポイント
2 家庭学習・子どもが自主的に学習する保護者との連携のポイント
3 授業参観・子どもの伸びを示す授業の工夫・アイディア集
4 保護者会・信頼を深める保護者会の進め方
5 学級通信・保護者の理解を深める内容と記述のポイント
6 学期末懇談会・一人一人の成長が分かる話のポイント
三 信頼を得る三学期の取組みマニュアル
1 授業参観・六年間の成長が見えるネタ・演出のアイディア
2 保護者会・締めくくりの話題で落としてはならないポイント
3 卒業式・有意義な行事づくりへの保護者の理解と参加を得るポイント
4 通知表・保護者も納得する最後の評価とポイント

はじめに

 今、まさに変化の時代であり、学校教育も激しい変革のときである。例えば、学校教育制度の改革がその一つであり規制緩和の方向である。二つは、教育行政の改革である。教育長任命制度の廃止や通学区域の自由化などをはじめとする地方分権の推進などである。三つは、学校運営の多様化である。学期制や一週間の授業時数の多様化が進み、学力調査の実施とその公表の在り方、学校評議員制度への取組みなど多様化が進んでいる。

 また、学習指導要領自体が各学校の取組みの多様化を進める元になっているとも言える。つまり、総合的な学習の時間の創設は、各学校の特色ある教育、特色ある学校づくりを大きく促進することとなっている。選択幅の拡大や指導方法の改善の方向もその類である。学校によってティームティーチングや外部人材の活用の方法、少人数指導や習熟度別授業への取組みなどが学校によって大きな違いを見せる時代になってきているのである。

 そうなると当然のごとく、学級担任の仕事も大きく変わらざるを得なくなるであろう。しかし、あくまでも学級担任の基本的な役割は不変である。教科担任制が積極的に導入されるようになっても、これまでと同様に教科担任機能を発揮しつつも人間担任機能を十分に果たすことが求められることには変わりがない。ただ、弾力化、自由化、多様化の方向性が強まれば強まるほど、取組みへの説明責任も大きくなるということである。これからの時代の学校は、教師一人一人が的確な説明責任能力を身に付け、その力を発揮しなければならない時代になるのである。

 本書は、以上の考え方から全六巻をもって「学級担任の仕事実践経営案」を全国の学校並びに先生方に送りたいと考え編集したものである。このガイドブックが描く理想の教師像のアイテムは、次の五点に集約される。

 第一は、「チャンスを生かす教師」ということである。教師指導の成果をあげるにも、保護者等への説明責任を果たすにも適切な時期がある。いわばチャンスを逃してはならないということである。年度始め、学期の変わり目、年間の行事や活動の場や機会を捉えて適切な指導が行われなければならない。そのための各種資料を提供している。

 第二は、「見守る・見極める・見通す力をもつ教師」ということである。教育は長いスパンで行われる。子どもの学びを見守り、状況を的確に見極め、学習や集団活動、生活の見通しをもって指導に当たる教師でなければならない。本書は、そのために必要な準備と実践のアイディアのヒントと課題を提供している。

 第三は、「連携しつつ指導力を発揮する教師」ということである。これからの学級担任に求められる資質・能力の一つは、学年や全校の教師等との真の「連携」であり、外部人材等との連携を深め調整するコーディネーター機能をよりよく発揮することである。基礎・基本を押さえた指導計画を持ちイニシアティヴをとることである。

 第四は、「安心させ、納得させ、期待させる教師」ということである。まずもって子どもや保護者が学級や学校生活に安心感を抱き、学級担任の指導や経営等に納得できることが学校教育の前提である。そのためには学級経営の理念などについて十分に説明し期待させる努力が不可欠である。「やがて分かってくれる」ではだめな時代である。

 第五は、「研修に努め教育愛に徹する教師」ということである。<人間力育成の名手>が求められる時代である。様々な専門性を身に付ける研修に努め、教育愛に徹する情熱と実践に燃える教師が理想の教師像である。

 本書が、多くの教師が日々の教育実践を根本から見直し、説明責任時代の学級担任の構えの確立に役立てることを祈念したい。

 最後に本書刊行に多大なご支援をいただいた明治図書出版(株)の安藤征宏氏に感謝して挨拶としたい。


  平成一六年三月一日   編者 /宮川 八岐

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      明治図書

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