算数科・新しい授業づくり6
少人数指導・授業実践への新展開

算数科・新しい授業づくり6少人数指導・授業実践への新展開

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少人数指導の研究は,大きなプランから始まり,授業実践をし,評価へと進めていくことが必要である。実践をもとに,少人数指導における展開の仕方とその留意点をまとめた。


復刊時予価: 2,442円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-505802-0
ジャンル:
算数・数学
刊行:
5刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 144頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 TT&SSの理論
1 ティームティーチングと少人数指導
2 TTの特別な形である少人数指導(SS)
3 TT&SSの基本の学習過程
4 TT学習過程とSS学習過程のメリット
5 TT&SSを取り入れた展開過程
6 8種類の展開過程と適切な単元
7 8種類の展開過程の応用
8 発展的な学習と補充的な学習
9 確かな学力と評価規準と評価基準
10 学力向上フロンティア事業とSS
11 教職経験とSS
12 基礎コースと発展コースのSS
13 SSの時数計算とやりくりの工夫
14 SS(少人数指導)と少人数学級
15 プロジェクトチームの編成
16 my教科書への書き込み
17 評価は指導,指導は評価
第2章 実践事例
★ 本章の実践の見方
TT案  一人一人の考えを育てていくTT
TT案  指導者2人でかけ合いながら子供の心を揺さぶる2進型TT
TTS案  学習順序を興味関心別に自分で選ぶSS
TSS案  概念や方法を共通理解して,理解の進度に応じて取り組むSS
SST案  興味関心別に調べみんなで発表会をするSS
TST案   とmを興味関心別で順序選択して取り組むSS
SS案  2クラスを理解度別で分けて一方のグループをTTにするSS
SS案  違う単元を融合させて順序選択して取り組むSS
第3章 写真で見るSS
1 用紙や短冊の使い方
2 名前磁石の移動のさせ方
3 強力マグネットの使い方
4 資料や書き込みプリントの配り方
5 掲示物の作り方
6 数直線教具の作り方
7 理解度別SSの板書の違い
8 SS担当教諭を補う学級担任
9 SS担当教諭の持つファイル
第4章 アイデアを生かした指導計画の作成
1 年間指導計画のモデル
2 単元計画のモデル
3 授業交換ヘルプ校時表のモデル
4 学習指導案の例
5 同僚,子供,保護者へのアンケートのモデル
6 打ち合わせに使う指導案

はじめに

 平成13年12月に『TTを生かした少人数指導ハンドブック』を著述して,1年が過ぎました。この本は,少人数指導を実践する中で私の思ったこと実践したことが少しでも何かのヒントになればと思ってまとめたものでした。

 少人数指導も2年目を迎え,初年度のような戸惑いはだんだん少なくなってきたように思います。理解度別の少人数指導も少しずつ浸透していっているようです。

 ところで,10年前の私は理解度別で学習することに疑問や不安を感じ,指導することもありませんでした。当時は「教育の平等」という意識に阻まれていましたし,親の反発を恐れました。何より理解度別を,差別だとか指導者によるレッテル貼りだとか非難されたくなかったからです。平成12年10月に「少人数指導の計画がある,理解度別にグループをつくるらしい」と聞かされたときでさえ,その意識は根強くありました。それが今や,理解度別の指導は子供にも親にも受け入れられつつあり,逆に一部の指導者の意識が立ち遅れているように思える状況さえあります。

 私の回りの研究グループの間では,初年度は少人数指導に関する打ち合わせやグループの分け方などが話題になっていたのに対し,今年はそれに加えて授業実践や単元計画についても論じ始められました。

 少人数指導の研究は,まず大きなプランから始まり,次に授業実践をし,さらにそれを評価へと進めていくことが必要と思われます。その点では,まず第1段階の研究がどの学校でも取り組まれていると考えられます。

 第2段階の授業実践の研究は,どんな授業が可能なのか,何をもって指導法の工夫改善を図ったのか,どんなグループの分け方が効果的なのか,少人数指導での授業の良し悪しは何で決定づけられるのか等が研究の対象となっていくはずです。

 本書は,前任校と今年度から着任した小郡小学校で実践した授業における展開の仕方とそれに関連する留意点をまとめたものです。幸いにして,両校共よい仲間に恵まれ,協働の中に実践を積むことができました。第3段階の評価については,次の機会にと考えています。

 ここに挙げたものは,ごく一部の研究に過ぎません。それでも,何かお役に立てるものがあるかもしれないと著したものです。

 最後になりましたが,明治図書編集部の石塚嘉典氏には,本にまとめる機会を与えてくださり,細部にわたりお導きくださいました。校正では,同じく編集部の大場亨氏にお力添えをいただきました。心より感謝いたします。


  2002年12月   /福永 敬

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      明治図書

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