若手教師アシスト選書5
中学校若手数学教師の指導テキスト

若手教師アシスト選書5中学校若手数学教師の指導テキスト

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大学では決して教えてくれない数学指導の具体的実践法を紹介。

近年若い先生の増加が著しい。その先生方に早急な授業力の修得が求められています。本書は、中学校若手数学教師が日々の授業で当面する指導上の悩みや問題を取り上げて、この教科のエキスパート教師がその克服の手立てと道筋を具体的に示した一冊。


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ISBN:
4-18-503257-9
ジャンル:
算数・数学
刊行:
2刷
対象:
中学校
仕様:
A5判 160頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
T章 望ましい数学教師の資質能力は何か
1 教育者としての使命感
2 数学教師の役割
3 人間の成長・発達についての深い理解
4 生徒に対する深い教育的愛情
5 数学に対する専門的知識
6 広く豊かな教養
7 実践的指導力
U章 数学科の目的を的確にとらえよう
§1 数学を通した教育の意義
1 教育の目的
2 価値という視点でとらえた数学
3 海外の動向からみた数学教育の目標
4 日本の数学教育の動向
5 「できるようになる」ということと,「わかるようになる」ということ
§2 学習指導要領の目標の変遷
1 中学校数学科の目標
2 昭和20年代の学習指導要領と「美しさ」「真理を愛する」
3 昭和33年の学習指導要領と「数学的な考え方」
4 昭和44年の学習指導要領と「数学教育の現代化」
5 昭和52年の学習指導要領と「ゆとりと充実」
6 平成元年の学習指導要領と「数学的な見方や考え方のよさ」
7 平成10年の学習指導要領と「数学的活動の楽しさ」
8 数学科の目標の理解と実践
§3 数学的な見方や考え方の育成
1 目標としての数学的な見方や考え方
2 数学的な考え方について
3 数学的な見方や考え方を育成するための実践例
4 数学的な見方や考え方の活用
§4 数学を活用する態度の育成
1 「数理的感性」を磨く
2 授業改善の取り組み
§5 新しい指導観
1 学習指導要領・総則の考え方
2 生徒の内面をとらえた学習指導
3 指導観の転換
V章 数学科の内容のポイントは何か
§1 文字・記号の活用
1 文字はどのような意味を持っているか
2 文字を用いることのよさ
§2 証明の意義
1 なぜ証明を学習するのか
2 証明の基礎としての説明を大切にする
3 根拠を明確に述べる
4 学習の段階とそれぞれの重点
5 証明学習のポイント
§3 数と式の指導
1 数と式の学習内容のポイント
2 数の演算と数の拡張の扱い
3 文字と式の扱い
4 方程式の扱い
§4 図形の指導
1 中学校段階での図形の学習
2 1年の指導のポイント
3 2年の指導のポイント
4 3年の指導のポイント
§5 数量関係の指導
1 数量関係の学習内容のポイント
2 関数の指導
3 確率の指導のねらい
W章 数学科の指導計画と評価の実際に精通しよう
§1 指導計画・評価計画の立て方
1 指導計画の立て方
2 評価・評定に関わる基本事項
3 評価計画を組み込んだ年間指導計画の作成
§2 学習指導案の作り方
1 学習指導案とは
2 学習指導案に必要な項目
3 学習指導案作成3つの柱
4 より望ましい学習指導案に向けて―生徒の実態―
§3 授業展開の仕方
1 本当の学びの獲得
2 意識化(動機付け)
3 問題把握・課題設定
4 課題追求・比較検討
5 まとめ・発展
§4 学習評価の仕方
1 生徒のための学習評価
2 数学科の目標と評価の観点
3 評価方法
4 観点別学習状況の評価
5 評価・評定の出し方
6 評価を活かす
§5 発展的な学習の進め方
1 発展的な学習の基本的な考え方
2 発展的な学習の指導の実際
3 発展的な学習における評価の実際
§6 補充的な学習の進め方
1 数学に対する関心・意欲・態度の形成
2 指導形態の工夫
3 補充的な学習指導
§7 課題学習の扱い方
1 課題学習とは
2 課題の要件
3 課題学習の進め方
4 課題学習の展開例
5 課題学習の指導上の留意点
6 評価
§8 選択教科としての数学の扱い方
1 選択数学とは
2 選択教科としての数学の授業を計画・実施するときの留意点
3 選択教科としての数学の扱い方とその具体例
§9 総合的な学習の時間の活用の仕方
1 総合的な学習の時間のねらいと数学科
2 総合的な学習の時間と数学の価値
3 総合的な学習の時間の具体的な指導
4 総合的な学習の時間の評価と数学科の評価
5 数理的にみる眼を育成する
§10 電卓・コンピュータの位置付け方
1 電卓・コンピュータをどう位置付けるか
2 数学科の目標と電卓・コンピュータ
3 教育・学習Webサイトなどの活用
4 電卓・コンピュータの活用の実際
X章 中学校数学科の課題をつかもう
1 数学的リテラシーの枠組み
2 数学的リテラシーの習熟度レベル
3 問題例と反応
4 下位グループのふくらみ
5 数学における興味・関心や楽しみ

はじめに

 生徒が「確かな学力」を身に付けられるようにするためには,教師の指導力が十分でなければならず,そのための指導法・評価法の改善がなされねばなりません。

 これは,当然すぎるほど,当然なことであります。

 しかし,当然なことが,具体的,効果的に進められてきたとは,残念ながら,いいがたい現状であります。

 このテキストでは,上のようなことについて,その原因を取り上げようというのではありません。

 しかし,このような状況の中で,解決をめざして努力を続けておられる若手数学教師へ,このテキストを何らかの手掛かりとしていただければとの願いを込めることにしました。

 ところで,教育改革に関わって「不易と流行」といわれたことがありました。「不易」というのは,上に示したような「当然すぎる重要なこと」のように思われます。

 「不易」の部分については,繰り返し強調されなければなりませんが,たとえ,繰り返し強調されたとしても,にわかには効果が上がるとは限らないといえそうです。

 例えば,かつて,臨時教育審議会は,教育改革の基本的な考え方として

 (1) 個性重視の原則

 (2) 基礎・基本の重視

 (3) 創造性・考える力・表現力

 (4) 選択の機会の拡大

 (5) 教育環境の人間化

 (6) 生涯学習体系への移行

 (7) 国際化への対応

 (8) 情報化への対応

をあげていました。

 この中で,個性を重視しないで教育は成立しませんし,基礎・基本を忘れた教育もありえません。さらに,教育の目的として創造的な能力の開発を目指すのは当然ですし,非人間的な環境で教育が行われるはずもありません。

 このように考えると,(1)(2)(3)(5)は,いわば,「不易」の部分ということができましょう。

 これに対して,(4)(6)(7)(8)は,時代の変化に対応して,制度の改善などに伴い,変化せざるをえないし,実際に動いてきたように思われます。

 このように見てきますと,「流行」の部分は,動かざるをえませんので,動くのですが,「不易」の部分は,そうはいかないのが実態のようです。だから,こちらの方に難題が残されているのも当然ですし,本質的には,こちらの方が重要だともいえましょう。

 このテキストの編集に当たっても,同じような課題に直面せざるをえませんでした。

 T章 望ましい数学教師の資質能力は何か

 U章 数学科の目的を的確にとらえよう

 X章 中学校数学科の課題をつかもう

は,いわば,「不易」の部分です。時間をかけて「ゆとり」をもって取り組んで下さい。

 V章 数学科の内容のポイントは何か

 W章 数学科の指導計画と評価の実際に精通しよう

から入ることも考えられます。


   編者 /正田 實

著者紹介

正田 實(しょうだ みのる)著書を検索»

21世紀数学教育研究所長

若手教師アシスト選書 5

中学校若手数学教師の指導テキスト

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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