- 刊行のことば
- まえがき
- T 基礎(認識,歴史,研究団体)
- 1 ATM・MA
- 2 ICMI・ICME
- 3 NCTM
- 4 PME
- 5 SMP
- 6 SMSG
- 7 青表紙教科書
- 8 アジェンダ
- 9 意味論・構文論・語用論
- 10 イメージ
- 11 概念的知識・手続き的知識
- 12 学習水準理論
- 13 数え主義・直観主義
- 14 活動主義
- 15 均衡化理論
- 16 近代化運動・改良運動
- 17 黒表紙教科書
- 18 形式主義
- 19 形式陶冶論争
- 20 原型現象
- 21 現代化運動
- 22 構成主義
- 23 コンセプトマップ
- 24 再構成運動
- 25 シェマ
- 26 思考の発達段階
- 27 社会文化主義・活動理論
- 28 状況論
- 29 数学科教員協議会
- 30 数学教育協議会
- 31 数学的一般化
- 32 数学的抽象
- 33 生活算術
- 34 相互作用主義
- 35 操作
- 36 創造的思考
- 37 中学校教授要目
- 38 直観主義
- 39 同化・調節
- 40 動機づけ
- 41 洞察説
- 42 内包・外延
- 43 日本数学教育学会
- 44 日本中等教育数学会
- 45 認識論
- 46 認知科学
- 47 発達の最近接領域
- 48 反省的思考
- 49 分科主義・融合主義
- 50 ミスコンセプション
- 51 緑表紙教科書
- 52 民族数学
- 53 メタ認知
- 54 プロセプト
- 55 理解
- 56 理解のモデル
- 57 連合説
- 58 論理主義
- 59 和算
- U 目的,カリキュラム
- 1 新しい学力観
- 2 [生きる力]
- 3 科学的な考え方
- 4 学習指導要領
- 5 学力
- 6 課題学習
- 7 カリキュラム・教育課程
- 8 関数観念
- 9 基礎・基本
- 10 教育目標の分類学
- 11 形式陶冶・実質陶冶
- 12 系統学習
- 13 行動目標
- 14 自己学習力・自己教育力
- 15 実用的目的
- 16 数学的な考え方
- 17 数学的なコミュニケーション
- 18 数学的な態度
- 19 数学のよさ
- 20 数理思想
- 21 スタンダード
- 22 ストラテジー
- 23 スパイラル方式
- 24 生活単元学習
- 25 総合的な学習
- 26 単元
- 27 転移
- 28 統合的な考え方
- 29 陶冶的目的
- 30 ナショナルカリキュラム
- 31 文化的目的
- 32 問題解決能力
- 33 論理的な考え方
- V 方法(教授・学習方法,コンピュータ,評価)
- 1 CAI・CAL
- 2 Do Math
- 3 KJ法
- 4 LOGO
- 5 SD法
- 6 S―P表
- 7 What if Not?
- 8 インターネット
- 9 一斉学習・小集団学習
- 10 オープンアプローチ
- 11 オープンエンドアプローチ
- 12 観点別評価
- 13 キズネールの色棒
- 14 教育工学
- 15 教具
- 16 教材
- 17 協力学習
- 18 構成的アプローチ
- 19 構成的方法による学習指導
- 20 構造・構造化
- 21 公理的方法による学習指導
- 22 国際数学教育調査
- 23 5段階評価
- 24 個を生かす指導
- 25 コンピュータ
- 26 算数的活動・数学的活動
- 27 ジオボード
- 28 思考実験
- 29 自己評価
- 30 指導要録
- 31 習熟度別学習
- 32 授業
- 33 授業分析
- 34 情意的評価
- 35 情報処理
- 36 診断的評価・形成的評価・総括的評価
- 37 水道方式
- 38 スローラーナー
- 39 操作的活動
- 40 創造性テスト
- 41 相対評価・絶対評価・個人内評価
- 42 妥当性・信頼性
- 43 多様な考えの生かし方
- 44 ティームティーチング
- 45 ディエネスの性質板
- 46 適性処遇交互作用
- 47 電卓・グラフ電卓
- 48 到達度評価
- 49 能力別学習
- 50 発見学習
- 51 表記
- 52 表計算ソフト
- 53 表現体系
- 54 マルチメディア
- 55 問題解決指導
- 56 問題設定
- 57 プログラム学習
- 58 フローチャート
- W 数,量,式の指導
- 1 アルゴリズム
- 2 暗算
- 3 植木算
- 4 演算
- 5 加法の意味
- 6 概数・概算・見積り
- 7 記数法・命数法
- 8 位取り記数法
- 9 繰り上がり・繰り下がり
- 10 群・環・体
- 11 計算の基本法則
- 12 形式不易の原理
- 13 減加法・減々法
- 14 減法の意味
- 15 式
- 16 式変形・式の読み
- 17 四捨五入
- 18 自然数
- 19 数の拡張
- 20 数の表現
- 21 順九九・総九九
- 22 小数
- 23 乗法の意味
- 24 剰余類・剰余系
- 25 除法の意味
- 26 数直線
- 27 整式・分数式
- 28 線分図
- 29 総合式・分解式
- 30 測定
- 31 代数和
- 32 単位
- 33 長除法・短除法
- 34 鶴亀算
- 35 筆算
- 36 比の三用法
- 37 比・比の値
- 38 複素数・複素数平面
- 39 文章題
- 40 分数
- 41 方程式
- 42 名数・無名数
- 43 約数・倍数・素数
- 44 文字式
- 45 有限数学
- 46 ユークリッドの互除法
- 47 量の性質
- 48 量の分類
- 49 量の保存性
- X 関数,図形の指導
- 1 位相
- 2 位置関係
- 3 移動
- 4 円グラフ・帯グラフ
- 5 円周率
- 6 円錐曲線
- 7 オイラーの多面体定理
- 8 黄金分割
- 9 折れ線グラフ
- 10 折れ線の幾何
- 11 角
- 12 関係
- 13 関数
- 14 軌跡
- 15 逆関数
- 16 弓形の角
- 17 九点円
- 18 極大・極小
- 19 距離
- 20 空間
- 21 グラフ
- 22 合成関数
- 23 合同・合同条件
- 24 最大・最小
- 25 作図
- 26 座標
- 27 三角形の五心
- 28 三平方の定理
- 29 写像
- 30 順序関係
- 31 接線
- 32 相似・相似条件
- 33 対応
- 34 対称
- 35 多角形
- 36 多面体
- 37 展開図
- 38 投影図
- 39 トレミーの定理
- 40 内接・外接
- 41 内分・外分
- 42 一筆書き
- 43 表
- 44 比例・反比例
- 45 非ユークリッド幾何
- 46 ブラックボックス
- 47 平行線
- 48 平面図形
- 49 平面の敷き詰め
- 50 ベクトル
- 51 変換
- 52 変数・定数
- 53 棒グラフ
- 54 包摂関係
- 55 見取図・透視図
- 56 面積比・体積比
- 57 ユークリッド幾何
- 58 立体図形
- Y 確率・統計,集合・論理の指導
- 1 演繹的推論
- 2 確率変数・確率分布
- 3 加法定理
- 4 期待値
- 5 帰納的推論・類比的推論
- 6 逆・裏・対偶
- 7 検定
- 8 恒真命題
- 9 公理
- 10 公理的確率
- 11 散布度
- 12 試行の独立
- 13 集合
- 14 集合の考え
- 15 樹形図
- 16 順列・組合せ
- 17 乗法定理
- 18 推定
- 19 数学的確率
- 20 数学的帰納法
- 21 正規分布
- 22 相関関係・相関図
- 23 大数の法則
- 24 代表値
- 25 転換法・同一法
- 26 統計的確率
- 27 同値
- 28 独立事象・従属事象
- 29 度数分布
- 30 二項分布
- 31 背理法
- 32 パラドックス
- 33 標準偏差
- 34 標本調査
- 35 平均
- 36 偏差値
- 37 ベン図・オイラー図
- 38 結び・交わり
- 39 命題
- 40 命題関数
- 41 乱数
- 42 類別
- 43 論理語
まえがき
算数・数学教育の研究や実践を行うにあたっては,専門用語の意味をきちんと押さえることが必要となる.そこで,それらの用語を解説した辞書的なものが求められる.しかし,学問としての数学の用語を解説した本はすでに多くのものが出版されているが,算数・数学教育の専門用語を説明した本は意外と少ない.それは数学教育学が比較的若い学問であることによるものでもあろう.
本書の旧版(1981年初版)はそうした状況を踏まえて,当時における数学教育学の成果に基づき,算数・数学教育の研究・実践の推進を意図して企画・出版されたものである.幸いに,読者の好評を得て,版を重ねてきた.しかし,初版から約20年の歳月が流れ,その間,数学教育学は質的にも量的にも大きな発展を遂げてきた.また,学習指導要領も時代の変化や要望に基づき,改訂が重ねられてきた.それらにともない,算数・数学教育は実践面においても様々な改善がなされてきた.
本書は,そうした動向を踏まえて,旧版を全面的に書き改めたものである.編集にあたっては,つぎのようなことを基本的な方針とした.
まず第一に,算数・数学教育の基本的な用語はもちろんのこと,近年の動向や研究成果を示す新しい用語を入れることに努めた.一語一頁で300語というシリーズ全体の編集方針に従って,算数・数学教育の専門用語の中から掲載する用語を選定したが,これが実に大変な作業であった.旧版を基に,現在,数学教育界において活躍しておられる先生方に,新たに入れたい用語,削除してよい用語などの原案をいただき,それらを総合的に検討して最終的な決定をした.300語という制約から,残念ながらその中に入れることができなかった用語も少なくない.また,内容にかかわる用語については義務教育段階で指導されるものを目途として,基本的なものやその指導に関連するもの,論議のあるものなどを中心に選択した.
第二に,読者の便宜を考えて,選んだ用語は大きな偏りのないような用語数のグループとなるように分けることとした.これについては,数学教育学の研究分野や算数・数学教育の指導内容の領域などを考慮して,次の6つに分類することとした.
T 基礎(認識,歴史,研究団体)
U 目的,カリキュラム
V 方法(教授・学習方法,コンピュータ,評価)
W 数,量,式の指導
X 関数,図形の指導
Y 確率・統計,集合・論理の指導
第三に,執筆に関しては各々の用語の意味を簡潔に説明し,具体例を入れることなどを旨とし,スペースが許せば,それらの用語の背景についても触れることとした.また,関連用語も示して,それらをたどれば特定領域についての理解が得られるようにもした.そういう点では,辞書的な性格とともに読み物の性格も持たせるようにしたつもりである.
なお,用語の中には,その意味や捉え方をめぐって解釈の別れるものがある.そうした際には,できるだけ広く受け入れられているものを中心にして解説することとしたけれども,編者や執筆者の考えが反映していることもまた当然のことである.
執筆者については,幸い本書にふさわしく,数学教育学研究の第一線でご活躍中の多くの先生方にご協力をいただくことができた.いろいろなお願いをお受け止め下さり,ご多忙の中,ご執筆をいただいた諸先生方に心よりお礼を申し上げたい.
算数・数学教育は,今,まさに大きな変革期を迎えている.その方向をよりよいものとするために,算数・数学教育のさらなる研究が期待されている.そこで,本書が,算数・数学教育の研究・実践にこれから取り組もうとしておられる方々,またすでに取り組み活躍しておられる方々等々に,広く活用されることを願っている.
本書編集の主旨は上記のとおりであり,その実現のために編者・執筆者ともに鋭意努力したつもりである.しかし,編者の力不足ゆえに,不備・不足な点も多々あることと思われる.そうした点については,読者諸氏のご批判・ご叱正を得て,検討していきたいと考えている.ご意見をお寄せいただければ幸いである.
最後に,本書の出版に際して,明治図書出版株式会社編集部の江部満様,樋口雅子様,笹岡敏紀様に企画・編集において,大変お世話になった.この場をお借りして,深甚なる感謝の意を表したい.
2000年9月 編者 /中原 忠男
-
- 明治図書