- イントロダクション
- 小学4年の学級経営 4つのポイント /佐橋 慶彦
- 4月
- 新年度準備(学級)
- 心の余裕を大切に,少しずつ取り組んでいこう!
- 新年度準備(授業)
- 夏休み前までの大まかな見通しをもとう!
- 新年度準備(学年)
- 学年の方針を確認し,互いに納得して準備しよう!
- 学級開き(1日目)
- 子どもが安心し,楽しく過ごせる1日にしよう!
- 学級開き(2日目)
- 子どもの考えを尊重し,学級のルールを確認しよう!
- 学級開き(3日目)
- これまでの取組を振り返り,次につなげよう!
- 授業開き(国語)
- 心ほぐし・場ほぐし・口ほぐしで国語を始めよう!
- 授業開き(算数)
- 1年間の算数授業への期待を抱かせよう!
- 授業開き(体育)
- 組み合わせ無限のボールキャッチでボールに慣れよう!
- 生活のルール
- 自分たちできまりを考え,守る経験を積もう!
- 学習のルール
- 自分と他者の違いを大切にしよう!
- 学級あそび(アイスブレイク)
- 大人みたいなあいさつをしよう!名刺交換ゲーム
- しっかり覚えて続けよう!○○さんの隣の△△です
- 朝の会のシステム
- 自立的に活動でき,気持ちのよい1日のスタートをきろう!
- 帰りの会のシステム
- 穏やかに1日を終え,明日につながるスマートな会にしよう!
- 日直のシステム
- 責任感とリーダーシップを育み学級運営への参加意識を高めよう!
- 掃除のシステム
- 責任感と公共心を育み,環境を整える力を養おう!
- 給食のシステム
- 準備と片づけを効率化して,喫食時間を確保しよう!
- 係活動のシステム
- 責任感とリーダーシップを育み学級運営への参加意識を高めよう!
- 学級目標
- 学級目標に絡めた「問いかけ」で日常的に活用しよう!
- 学級通信
- 持続可能な学級通信にしよう!
- 1人1台端末
- スライド作成等を通じて基本操作を完全習得しよう!
- 5月
- 5月のクラスづくりのポイント
- 授業参観・懇談会
- 考えを束ね,小4の壁を越えよう!
- 春の運動会
- 短距離走の単元を体育科の授業で構成しよう!
- 6月
- 6月のクラスづくりのポイント
- 学級あそび(室内あそび)
- どれだけ高く積めるかな?紙コップ積み
- 工夫して高くしよう!新聞紙タワー
- 7月
- 7月のクラスづくりのポイント
- 1学期の通知表作成・文例
- 9月
- 9月のクラスづくりのポイント
- 登校渋り・不登校への対応
- 「自分で選べた!」という経験を刻み,揺れる心に自信を育てよう!
- 学級あそび(リスタート)
- クイズでリフレッシュしよう!夏休みウソホント
- ゲームで秋を感じよう!秋探しビンゴ
- 10月
- 10月のクラスづくりのポイント
- 秋の運動会
- 温かさをハブとした運動会にしよう!
- 学習発表会
- 地域の魅力を伝えよう!
- 11月
- 11月のクラスづくりのポイント
- 子ども同士のトラブル対応
- 「見えない声」を拾い,価値観を磨く場をつくろう!
- 学習のレベルアップ
- 「マイめあて」と「文字数カウント振り返り」で学びの質を上げよう!
- 12月
- 12月のクラスづくりのポイント
- 保護者面談
- 想いに寄り添うツーウェイな保護者面談にしよう!
- 2学期の通知表作成・文例
- 1月
- 1月のクラスづくりのポイント
- 係活動のレベルアップ
- 「提案」と「成果」が明確化する仕掛けをつくろう!
- 2月
- 2月のクラスづくりのポイント
- 学習のレベルアップ
- 付箋機能とコメント機能で協働的な学びをしよう!
- 3月
- 3月のクラスづくりのポイント
- 授業おさめ
- 4年生での学びを取り入れた終わり方をしよう!
- 学級イベント
- 自分たちで企画・準備・運営する学級イベントをしよう!
- 3学期の通知表作成・文例
イントロダクション
小学4年の学級経営 4つのポイント
愛知県名古屋市公立小学校 /佐橋 慶彦
1 「能力主義」に囚われない
小学校4年生の難しさを表す言葉として「9歳の壁」「小4ビハインド」というものがあります。子どもが勉強面や人間関係で悩みを抱え,自信をなくしてしまう現象に,このような言葉がつけられているそうです。実際に,文部科学省のホームページにも,以下のような文言が「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」として記されています。
自分のことも客観的にとらえられるようになるが,一方,発達の個人差も顕著になる(いわゆる「9歳の壁」)。身体も大きく成長し,自己肯定感を持ちはじめる時期であるが,反面,発達の個人差も大きく見られることから,自己に対する肯定的な意識を持てず,自尊感情の低下などにより劣等感を持ちやすくなる時期でもある。
発達の差が顕著に表れるようになったり,学習が少しずつ複雑になっていったりすることにより,周囲との差を感じ,自己を否定的に捉えてしまう子が増えてきてしまう時期だということでしょう。
テストの点数やスポーツでの活躍,課題一つひとつへの「できた」「できなかった」など,学校の活動の中は至るところに「能力の壁」があります。まわりの子に比べてまだ発達もゆっくりで,学習にも運動にも自信がない。そんな子たちは,壁に当たる経験を繰り返しながら,少しずつ学校が求める「理想の姿」に自分は届かないのだと認識していってしまうのです。
また,最近では「主体性」や「コミュ力」など複雑な能力も求められるようになりました。そうした能力が高い子を「陽キャ」,そうではない子を「陰キャ」などと呼ぶ分断が見られることも珍しくありません。
そこで,大切になるのは「能力主義」に囚われないようにする意識づけです。「できた」「できなかった」ではなくて,一人ひとりにそれぞれの課題があること。1mのバーを飛び越えようとしている子のがんばりと,50cmのバーを飛び越えようとしている子のがんばりを同じように尊重しようとすること。がんばることすらできていなくても,その子の居場所がきちんと教室にあるということ。条件なく一人ひとりの存在が大切にされることが,メッセージとして子どもたちに伝わっていることが重要になります。
2 主体的に取り組めるような学級活動を設定する
また,先ほどの文章には次のような続きがあります。
また,集団の規則を理解して,集団活動に主体的に関与したり,遊びなどでは自分たちで決まりを作り,ルールを守るようになる。その一方,ギャングエイジとも言われ,閉鎖的な子どもの仲間集団が発生し,付和雷同的な行動が見られる
自我の芽生えにより「主体的」な行動が増える一方で,人の意見をそのまま受け止めたくない,自分の意見を言いたいという思いも強くなります。親や教師の言うことが本当に正しいのかと疑問をもつようになったり,干渉されることに反発したりすることも増加します。
自分たちで考えたい,きまりやルールを決めたいという子どもたちを先生が1人で管理しきることはできません。それこそ,反発する子どもたちがたくさん出てきてしまうでしょう。そこで,そのエネルギーを学級経営に生かしていくようにします。「自分たちでしたい」という気持ちを押さえつけるのではなく,その気持ちを最大限に生かした自治的な活動を設定することで,4年生らしい,いきいきとした姿が見られるようになるでしょう。
3 「閉鎖的な関わり」以外の関わりを大切にする
もう1つ見過ごせないのは「閉鎖的な子どもの仲間集団が発生し,付和雷同的な行動が見られる」という言葉です。特定の相手との閉鎖的な関わりが増加すると,教室にはいくつかの小集団が生まれ,あの子たちとは話すが他の子とは話さないといった子ども同士の分断が生まれる可能性があります。また,グループ内での人間関係を意識するあまり自分の考えを押し殺してしまったり,自分の居場所を確保するために他者を排除するような言動をしてしまったりすることもあり得ます。
しかし,こうして仲間と閉鎖的な関わりをもちたくなることも発達の過程の1つです。むしろそうして仲間と関わる中で,ルールを守ることの大切さや対人関係の築き方などを学んでいきます。そんな子どもたちに対してすべきことは,仲間とグループをつくることを頭ごなしに否定するのではなく,グループ以外との関わりにも目を向けるようにアプローチしていくことです。
あいさつを交わすこと,一緒に笑うこと,小さな思いやりを向けること,互いに助け合うこと。そんな些細なことだって「関わる」ことに変わりありません。クラスの全員に目を向け,あの子とはどんな関わり方ができそうかな,と考えられるように働きかけたいです。この仲良しではない子たちとの関係を豊かにすることは,学級経営のとても大切なポイントだと言えるでしょう。その中でも,特に大切にしたいのは,相手の目線に立つことです。興味関心や価値観が異なるグループ外の相手でも「その子にはその子なりの考え方があること」を知り「どうしてそんなふうに考えたのかな」「どんな理由があっただろう」と他者に共感することができるように促すことで,クラス全体に温かな雰囲気が漂うようになるはずです。
4 「不安に寄り添ってくれる先生」として側にいる
前年度に不登校だった小学6年生を対象にして行った文部科学省の調査(2021)では,「最初に学校に行きづらいと感じ始めた学年は?」という問いに対して最も多かった回答が「小学4年生」だったそうです。
そのきっかけとして「先生のこと」「体の不調」「友だちのこと」「勉強がわからない」などがあげられています。うまくできない自分に嫌になってしまったり,人間関係に頭を悩ませてしまったりというような「9歳の壁」「小4ギャップ」でも言われている内容が,学校に来ることができなくなってしまう理由としてもあげられているということです。そして,それ以上に割合が高いのが「先生のこと」です。心が大きく変化していく子どもたちとの間に信頼関係を築くことの難しさがわかります。
カギを握るのは,子どもたちの揺らいでいる心にいかに寄り添えるか,ということだと思います。体も心も大きく変化し,周囲との差も気になる。勉強についていくのもだんだん難しくなっていくし,今までみんなで仲良く過ごしていた人間関係もなんだか複雑になってきた。そんなふうに学校生活の様子が大きく変わりはじめるのがこの4年生です。体の不調を心配してくれる,友だちのことがうまくいかなくても相談にのってくれる,みんなと仲良く過ごせるようにサポートしてくれる,勉強がわからなくても教えてもらえるし,うまくできなくても自分の居場所がある。そんな先生が側にいてくれるという安心感が,4年生の学級経営の基盤になるのではないでしょうか。
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| 内容 | ファイル名 | サイズ | |
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| イラストカット (主に小学校低学年) |
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illust_chukou.zip | 21,778KB | ![]() |
| イラストカット (カラー、グレー、ぬり絵) |
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