いつもの言葉かけがもっと伝わる 学級づくりの言い換えノート

いつもの言葉かけがもっと伝わる 学級づくりの言い換えノート

新刊

いつもの言葉を「ちょっと変えるだけ」で指導がうまくいく!

「もっと良い学級にしたい!」と思っている先生のために、日常場面でよくある様々な言葉かけのNGに対して、複数のOK例をご紹介。子どもに届く言葉を考え抜いた著者による、学級全員の心にやる気の火を灯す指導の工夫が詰まった1冊です。


紙版価格: 2,046円(税込)

送料・代引手数料無料

電子版予価: 1,841円(税込)

4/29刊行予定

ISBN:
978-4-18-484022-5
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 144頁
状態:
在庫あり
出荷:
2026年4月13日

CONTENTS

もくじの詳細表示

はじめに
Chapter1 いつもの言葉かけがもっと伝わる「言い換え」8つのポイント
POINT01 「正しいこと」より「届くこと」を優先する
POINT02 行動の手前にある気持ちを受け止める
POINT03 「ちゃんと」「しっかり」を具体に変える
POINT04 「できていない」より「できている」に目を向ける
POINT05 「やらせる言葉」を「選ばせる言葉」にする
POINT06 失敗を「価値ある経験」にする
POINT07 「その場を収める言葉」を「次につながる言葉」にする
POINT08 言葉は「関係性」の上に乗せる
Chapter2 場面別 もっと伝わる「言い換え」事例60
Part1 日常生活
CASE01 あいさつができていないときに
「あいさつは自分からしっかりしましょう」
⇒「○○さん,おはようございます」「○○さんのあいさつ,気持ちがいいな」など
CASE02 返事がはっきりできなかったときに
「声が小さくて聞こえないよ,もう1回!」
⇒「ごめんね,近くに行くからもう一度教えて」「ありがとう」「うれしいなぁ」
CASE03 整理整頓がうまくできていないときに
「ちゃんと片づけなさい!」
⇒「これと同じように片づけてごらん」「化石になったものは捨てよう」など
CASE04 朝の支度や授業の支度が遅いときに
「なんでまだ支度やっていないの?」
⇒「自分でやる? 先生とやる?」「何分でできそう?」など
CASE05 忘れ物をしてしまったときに
「どうして忘れたの? 自分で考えなさい」
⇒「どうするかまで教えて」「友だちに借りる? 先生に借りる?」など
CASE06 集合に時間がかかっているときに
「遅い! やり直し」
⇒「巻き戻し!」「早送りスタート!」など
CASE07 教室移動がうるさいときに
「静かに歩きなさい!」
⇒「今,しゃべっていなかった人?」「6年生みたいな歩き方だ!」など
CASE08 給食の配膳・片づけがスムーズにできないときに
「遅い! 早く片づけなさい」
⇒「まずは○○を運ぼう」「何かもっとよくしたいことはあるかな?」など
CASE09 清掃時間に遊んでしまっているときに
「しっかり掃除をしなさい!」
⇒「先生と一緒にやってくれる?」「休み時間と掃除の時間交換したの?」など
CASE10 休み時間後に遅れて教室に戻ってきたときに
「遅いよ! 早く戻ってきなさい」
⇒「何か伝えたいことはありますか?」「遅刻しないための作戦を一緒に立てようか」
CASE11 休み時間に雨が降っているときに
「雨だから静かに過ごしなさい」
⇒「雨の日の休み時間はどんなことが起きる?」「どんな遊び方ができる/できたかな?」
CASE12 朝の会・帰りの会でダラダラしているときに
「ダラダラしないで早くして!」
⇒「やり直し/いいね,その声でいこう!」「当番さん,ありがとう」など
Part2 性格・行動
CASE13 人に頼ることができないときに
「わからないなら聞きなさい」
⇒「困ったときは先生に聞く? 友だちに聞く?」「わからないのはかっこいいことだよ」など
CASE14 嫌なことがあると逃げ出してしまうときに
「逃げないでちゃんとやりなさい!」
⇒「どうした? 休けいする?」「休けいする場所を決めておかない?」など
CASE15 緊張して固まってしまっているときに
「早く発表しよう」
⇒「言おうとしてくれてありがとう」「思い出したら先生に教えてね」など
CASE16 悲しいことがあって涙が止まらないときに
「大丈夫? どうしたの?」
⇒「そっとしておくのも優しさだよ」「話せるようになったら教えてね」
CASE17 何でも質問してしまうときに
「それぐらい自分で考えなさい!」
⇒「どうしたらいいと思う?」「あなたなら質問しなくてもできるよ」など
CASE18 やる前からできないと決めてしまうときに
「やってみなきゃわからないでしょ!」
⇒「ここ,難しいよねぇ」「無理せずここだけやろうか」など
Part3 友だち関係
CASE19 けんかが起きたときに
「どっちが先にやったの?」
⇒「2人はどうなりたい?」「自分が悪かったところだけ謝ろう」など
CASE20 友だちを仲間外れにしたときに
「仲間外れにしちゃダメでしょ!」
⇒「どうすれば一緒に遊べたかな?」「どうすれば相手は嫌な気持ちにならなかった?」
CASE21 友だちに悪口を言ってしまったときに
「なんでそんな言い方するの!」
⇒「ストップ,もう1回言ってみて」「本当はなんて言いたかったの?」など
CASE22 友だちに暴力をふるってしまったときに
「なんで手を出したの!」
⇒「手が出るくらい腹が立ったんだね」「本当はどうしたかったの?」など
CASE23 休み時間に独りになりがちなときに
「みんなと一緒に遊びなさい」
⇒「先生も一緒にやっていい?」「独りぼっちに気づけるようになろう」など
CASE24 きつい言い方で友だちに注意をしたときに
「そうやって注意し合っていこうね」
⇒「注意じゃなくて,優しく教えてあげて」「注意は先生の仕事だから,お仕事取らないで」など
CASE25 告げ口をしてきたときに
「自分たちで解決しなさい」
⇒「それで,あなたはどうしたいの?」「今度はいいところを教えてね」など
CASE26 うそをついて誤魔化そうとしたときに
「あなたがやったの?」
⇒「正直に話せる人はかっこいい」「ちょっとだけ,しちゃったことはある?」など
CASE27 友だちのよくない行動を監視しているときに
「教えてくれてありがとう。また教えてね」
⇒「あなたはそのとき何をしていたの?」「気づいたら○○って伝えてあげてね」など
CASE28 交換日記をしていたときに
「交換日記をしてはいけません」
⇒「やりたかった気持ち,わかるよ」「どんなよくないことが起きると思う?」など
CASE29 もの隠しや落書きがあったときに
「だれがやったの? 正直に話しなさい」
⇒「このことについてみんなはどう思う?」「やってしまった人もかわいそうだね」など
CASE30 友だちを無視する行動があったときに
「無視しないで仲良くしなさい!」
⇒「無視した理由はあるのかな?」「無視は見えない暴力なんだよ」など
CASE31 友だちにしつこくちょっかいを出すときに
「やめなさいって言っているでしょ!」
⇒「ストップ。相手の表情を見てごらん」「やめてと言われたら…?」など
CASE32 タブレットでのトラブルがあったときに
「もうタブレットは禁止です!」
⇒「3つの『た』のどれができていなかった?」「自分たちでルールを考えてみよう」など
Part4 授業・学習(全体)
CASE33 聴く姿勢がよくないときに(対教師)
「ちゃんと話を聴きなさい」
⇒「目を合わせてくれてありがとう」「みんなが姿勢で教えてくれているね」など
CASE34 聴く態度がよくないときに(対子ども)
「○○さん,もう1回言ってみて」
⇒「○○さんの聴き方だと発表しやすいね」「聴いてくれているか確認してごらん」など
CASE35 発表の声が小さかったときに
「声が小さいからもう1回言って」
⇒「先生が近づくから,もう1回教えて」「○○さんに向かって話してみて」など
CASE36 音読の声が小さかったときに
「もっと大きな声で読みましょう」
⇒「隣の人の声が聞こえた人?」「先生の手のひらに向かって音読しよう」など
CASE37 ペア対話がうまくできないときに
「しっかりペアで話をしなさい」
⇒「隣の人に『どう思う?』って聞いてごらん」「独りぼっちを見つけてごらん」など
CASE38 発表が少ないときに
「まだ発表していない人は発表しましょう」
⇒「隣の人に発表したら座ります」「チャレンジャー,どうぞ!」など
CASE39 話し合いが深まらないときに
「他に意見はありますか?」
⇒「○○という意見に賛成ですか? 反対ですか?」「AとBどちらの意見に近いですか?」など
CASE40 気づいたことなどをなかなか書けないときに
「3つは書けないとダメだよ」
⇒「箇条書きで3つ書けたら持ってきます」「7つ書けた人は1つ板書します」など
CASE41 振り返りが書けないときに
「しっかり振り返りを書こう」
⇒「振り返りのポイントを見て書いてみよう」「この振り返り,どこがいいと思う?」など
Part5 授業・学習(個人)
CASE42 問題を解いた答えが間違えていたときに
「やり直し!」
⇒「ここまでは○だね。あとはここだけだよ!」「宝物の×だね」など
CASE43 文章がなかなか書けないときに
「好きなように書けばいいんだよ」
⇒「そっくり真似して書いてみよう」「先生の質問に答えながら書いてみよう」など
CASE44 うまく発表できなかったときに
「意見がまとまってから発表しようね」
⇒「言いたかったこと,みんなわかるよね?」「○○さんの説明をつなげられる人は?」
CASE45 音読でどこを読んでいるかわからなくなったときに
「ちゃんと目で追いなさい」
⇒「今,どこを読んでいますか?」「指で押さえて。隣同士確認」など
CASE46 算数の文章問題の意味が理解できないときに
「しっかり読み直そう」
⇒「数字に○をつけます」「文に線を引きます」など
CASE47 作品をつくり始められないときに
「自由にかけばいいんだよ」
⇒「みんなの作品をぐるっと見に行こうか」「つくりたい作品の絵を調べてみよう」など
CASE48 学習が遅れているときに
「遅れているよ。早くしなさい!」
⇒「大丈夫だよ。できたら教えてね」「今日はここまでできたら合格だよ」など
CASE49 作業がいい加減なときに
「いい加減にやっているでしょ。やり直し!」
⇒「ここだけ丁寧にやり直そうか」「どこか直したいところはある?」など
CASE50 学習が終わって手が止まっているときに
「何してるの? ぼーっとしない!」
⇒「自分に必要な学び方を選ぼう」「終わった後どんな学び方をしましたか?」など
Part6 班・係・当番活動
CASE51 なりたい班になれず文句を言っているときに
「文句言わないの,決まったんだから」
⇒「残念な気持ちになるよね」「あなたならきっとできるよ」など
CASE52 班でけんかが増えてきたときに
「またけんか? いい加減にしなさい!」
⇒「みんなはこの班をどんな班にしたい?」「はい,深呼吸!」など
CASE53 授業中不要なおしゃべりをしているときに
「あんまりうるさいと席替えするよ!」
⇒「○班は今,どんな話をしていたの?」「最後にみんなの前で報告してください」など
CASE54 当番活動のサボりが増えてきたときに
「みんなちゃんと当番をやりなさい!」
⇒「今日,当番をやった人? まだの人?」「がんばっている当番を発表してください」など
CASE55 あまり活動しない係が出てきたときに
「自分たちで時間を見つけて活動するんだよ」
⇒「15分,朝の係タイム,スタート!」「ランチミーティングをしよう」など
Part7 行事
CASE56 行事について説明するときに
「6年生として運動会をがんばりましょう」
⇒「6年生として,どんな運動会にしたいですか?」「大切にしたいことを3つ決めよう」など
CASE57 行事の実行委員を選ぶときに
「実行委員は先生が決めますね」
⇒「実行委員はだれだってできます」「フォロワーはもっと大事です」など
CASE58 行事の練習中,ふざけていたときに
「ふざけているなら,もう出なくていいよ」
⇒「今の姿は,目的に近づいているかな?」「○○さんならできるって知っているよ」など
CASE59 行事の本番前に話をするときに
「失敗しないようにがんばろう」
⇒「成功よりも成長できたと思える本番にしよう」「賞状の出ないところで一番になろう」など
CASE60 全員で協力して成功できたときに
「よくがんばったので,宿題なしです!」
⇒「今日だけは,自分たちを大いにほめよう」「行事の成功は,行事の後にわかります」など
おわりに
参考文献,資料一覧

はじめに

 『言葉は不便なもの』

 「伝わってほしい」と思って言った言葉で,怒ってしまう。

 「できるだろう」と思って言った言葉で,困ってしまう。

 「わかってほしい」と思って言った言葉で,心が離れてしまう。

 これまで学級担任をする中で,自分の言葉が子どもに届かない経験をしてこられた方も多いのではないでしょうか。

 正直,私は言葉が届かない経験ばかりでした。

 そのたびに思うのです。

 「なんで伝わらないのだろう?」

 そんな私が,最近,ようやく気づいたことがあります。

 「言葉が届く前提に立っていないだろうか?」

 自分が話す言葉が届く前提に立ってしまうから,言葉を届けるときに,自分の想いだけが先行してしまうのです。

 だから,相手の感情や状況をつかめていないことがたくさんありました。

 そして何より,伝えたい言葉を伝えたいままに伝えてきたことが多かったように思います。

 その結果,きっと傷つけてしまった子どもたちがたくさんいました。

 申し訳ない気持ちでいっぱいです。


 ただ,経験を重ねる中で,相手の心に届く言葉とも出会ってきました。そして,そこでは必ずある種の言葉の「言い換え」が行われていたことに気づきました。

 例えば,話を聴いてほしいとき,

NG「ちゃんと話を聴きなさい」

OK「目を合わせてくれて ありがとう」

 どちらでも,もしかしたら聴く姿勢はよくなるかもしれません。一時的にはNGな言葉かけも効果があるでしょう。

 しかし,子どもたちのモチベーションは,大きく変わってきます。

 NGな言葉かけでは,教師によって聴かされている状態にしかなりません。

 それに対して,OKでは,目を合わせてくれた子を認める言葉かけをきっかけに,まわりにいる子どもたちも自然と聴く姿勢に変わっていきます。

 そして,継続的にこの言葉かけをしていくことで,先生の話を自分から聴こうとする子がグンと増えていきます。


 本書ではこのように,学級経営をする中で,私自身がこれまでたくさんたくさん失敗を重ねてきた経験を基に,伝わらなかったNGな言葉かけを7ジャンル(@日常生活,A性格・行動,B友だち関係,C授業・学習(全体),D授業・学習(個人),E班・係・当番活動,F行事)に分けて,60場面集めました。

 そして,これらのNGな言葉かけはどのように変換すれば伝わるようになるのか,180種類以上の言葉を集めました。

 伝わる言葉は,1つではありません。

 同じ場面でも,子どもによって届く言葉は違います。

 だからこそ,本書では1つの場面に複数の言い換えを集めました。

 もちろん,「これを言えば必ず子どもが変わる」という,万能薬のような言葉は存在しません。

 ですが,届く言葉はきっとあると思っています。

 言葉はそのままでは届かない。だからこそ,どうやって言い換えればよいのか,それを探すヒントをこの本に詰め込みました。

 先生方の教室のあの子の心に,やる気の火を灯す言葉が1つでも見つかることを願っています。


   /山崎 克洋

著者紹介

山崎 克洋(やまざき かつひろ)著書を検索»

神奈川県公立小学校勤務。玉川大学教職大学院修了(教職修士),NPO法人教師と子どもの未来・湘南(理事)。

初任者を応援するスタートアッププロジェクト(リーダー)を通して,初任者や若い先生たちを応援する活動を行っている。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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