- はじめに
- 上巻のまえがき
- 1 「話す・聞く」の「四領域」の提案
- 音声言語の四領域――基礎・生活・論理・効果
- 2 基礎編
- 1 だれかあててね(人間カルタ) /小学校・低学年
- 2 お気に入りのお話 /小学校・低学年
- 3 わたしはとなりの○○です /小学校・低学年
- 4 命令ゲームで声を出そう /小学校・低学年
- 5 あったらいいな、こんな給食 /小学校・中学年
- 6 言葉のキャッチボール /小学校・中学年
- 7 キーワード聞き取りクイズ /中学校
- 8 正確に伝える /中学校
- 9 ニュースを聞き取る /高 校
- 3 生活編
- 10 かさこじぞう /小学校・低学年
- 11 先生と話そう /小学校・低学年
- 12 トラックには何が積んであるの? /小学校・低学年
- 13 リレーしりとり /小学校・低学年
- 14 あいさつのことば /小学校・低学年
- 15 知らせよう「先生、トイレ」 /小学校・低学年
- 16 あなたならどう言いますか /小学校・中学年
- 17 伝言ゲーム /小学校・中学年
- 18 絵を見て話そう /小学校・中学年
- 19 楽しい会話 /小学校・高学年
- 20 自己紹介 /小学校・高学年
- 21 聞き上手になろう /中学校
- 22 ウェイトレスになる /中学校
- 23 迷惑をかけた相手に謝る /中学校
- 24 このトレーナーを取り替えて /中学校
- 25 テレビを安く買おう /中学校
- 26 面接の練習 /中学校
- 27 長所をアピールする(面接練習) /中学校
- 28 ゲーム「速答練習」 /高 校
- 29 大切なことから(面接の練習) /高 校
はじめに
本書は「話す・聞く」学習のための新しい教材を提案し、その教材を使った授業の記録の概略を記したものです。
従来の国語の授業は「話す・聞く」という音声言語の組織的な指導を行ってきませんでした。それは日本の近代学制の発足以来、国語教育が文字の指導に重点が置かれていたからです。それが、平成九年十一月に発表された教育課程審議会の『中間まとめ』によって大きく変わることになりました。
「児童生徒の学習状況については、文章各部分を読みとる力、漢字を読んだり書いたりする力などは比較的身に付いている。一方、文章全体の要旨を読みとり自分の言葉でまとめる力、自分の考えをもって筋道立てて表現したりする力などが十分でない」(4各教科・科目等の内容・羨小学校、中学校及び高等学校・@国語・ア現状と課題)
学習指導要領で「話す・聞く」領域が最初に置かれたのは、右に示された課題を解決するための基礎となる、という認識があるためで、妥当な扱い方だと言えるでしょう。問題は「話す・聞く」という音声言語学習指導の教材と指導法の蓄積が十分ではない、という点です。「話す・聞く」の教材・指導法の開発と累積とを急がなければなりません。
本書は、若い教師諸君が一年以上かけて「話す・聞く」教材とその指導法とを研究し、討論し、まとめたものです。多くの先生方の実践研究に役立つことを願っています。
1999年11月 /市毛 勝雄
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- 明治図書