- はじめに
- 本書の使い方
- 第1章 書く力・考える力が育つ「書くこと」の学習指導
- 1 大学入学共通テストで求められるはずだった記述力
- 2 PISA2018にみる課題とその対応
- 3 新学習指導要領で「情報の扱い方に関する事項」の新設は何を意味するのか
- 4 論理的思考とは何か
- 5 国語教科書の論理的文章教材の限界
- 6 論理的文章は種類がある
- 7 論理的文章と「小論文」
- 8 小・中学生が書いた小論文を「読む」
- 9 子どもが文章構成「はじめ・なか1・なか2・まとめ」に気づく
- 10 指導に役立つQ&A
- Q1 「はじめ・なか・まとめ」という同じ構成で書かせていると個性がなくなりませんか?
- Q2 型のある文章を練習していると、他の文章が書けなくなりませんか?
- Q3 ワークは、時間がとれない中、どこで取り組めばいいですか?
- Q4 教科書に載っていない学習を教えていいですか?
- Q5 主体的・対話的で深い学びは、このワーク集で、できますか?
- 11 小学校での授業実践
- 第2章 書く力をたしかに育てる「基礎ワーク」&「論理力アップワーク」
- 基礎ワーク
- 5年
- 1 記録(1)〜(2)
- メダカの区別 /限度が分かった水よう液の実験
- 2 報告(1)〜(16)
- うれしかった手伝い /すっきりした大そうじ /がんばった仕事 /上手な手本を見せた縄とび /責任をもって取り組む /楽しみな席がえ /感動した尾瀬ヶ原ハイキング /楽しかった霧ヶ峰移動教室 /楽しかった鋸南自然教室 /うれしかった連合陸上記録会 /練習を本番で生かせた運動会 /みんなの協力で作り上げた「東京の街」 /世界とつながる英語 /練習の成果を本番で出した音楽会 /楽しめたソフトバレーボール /個人情報を守るための行動
- 3 説明(1)〜(5)
- バケツのいねは対さくが必要 /タイミングよく動かす平泳ぎ /多くの食品を食べる /エプロンの上手な作り方 /願いをこめた風習
- 4 論説(1)〜(9)
- きちんとできた手伝い /みんなのために役に立つ仕事 /団結できた運動会 /絵の具セットの役割 /小数と分数の特ちょう /すいみんと成長 /かん境保全にこうけんする自動車 /音量がちがうオーケストラの楽器 /発酵と腐敗というよび方
- 6年
- 1 記録(1)〜(2)
- 人の呼吸 /ふりこの速さの実験
- 2 報告(1)〜(16)
- 達成感があった仕事 /気を配る弟のふろ /大変な手伝い /責任ある給食委員の仕事 /練習の成果が出たすい事学習 /最高の思い出になった日光林間学校 /読者が行きたくなる島 /平和を考える沖縄旅行 /はく力満点の校外学習 /きずなが深まった運動会 /うれしかった縄とび /活やくできたサッカー /スキー教室のよい思い出 /感謝の気持ちをこめたほう仕活動 /「脱プラスチック」の機運 /AIへの期待
- 3 説明(1)〜(5)
- 約束を守った給食の準備 /なべでおいしいご飯をたく /編み物ですてきな作品を /日本の独特の風習である年賀状 /日本の城の変化
- 4 論説(1)〜(9)
- うれしい手伝い /やりがいのある係・委員会活動 /最高の思い出となった日光林間学校 /成功した運動会 /インフルエンザの簡単な予防方法 /便利で豊かな生活 /メラトニンと質のよいすいみん /重要な運動 /世界文化遺産の価値を守る
- 論理力アップワーク
- 5年
- 1 順序
- 2 文
- 3 段落
- 4 一段落一事項(1)〜(2)
- 5 名前のつけ方
- 6 キーワード(1)〜(2)
- 7 具体と抽象(1)〜(2)
- 8 論理的思考の組み立て方(1)〜(2)
- 9 事実か意見か(1)〜(2)
- 10 「なか」の書き方
- 11 考察(「まとめ」)の書き方
- 12 結論(「むすび」)の書き方
- 13 序論(「はじめ」)の書き方、題名のつけ方
- 14 図・表・グラフの読み方
- 15 論理的文章の文体
- 6年
- 1 順序
- 2 文
- 3 段落
- 4 一段落一事項(1)〜(2)
- 5 名前のつけ方
- 6 キーワード(1)〜(2)
- 7 具体と抽象(1)〜(2)
- 8 論理的思考の組み立て方(1)〜(2)
- 9 事実か意見か(1)〜(2)
- 10 「なか」の書き方
- 11 考察(「まとめ」)の書き方
- 12 結論(「むすび」)の書き方
- 13 序論(「はじめ」)の書き方、題名のつけ方
- 14 図・表・グラフの読み方
- 15 論理的文章の文体
- 資料編
- おわりに
はじめに
現在、高度情報化の著しい伸長をはじめ、社会が激変しています。高度情報化は人類社会で初めての経験といえます。膨大な情報から自分に必要な情報を的確に取り出し、判断した後、言語化するには、論理的思考力が益々重要です。円滑な人間関係を構築する上でも、状況に応じた言語を適切に使うことのできる、論理的表現力が一層、大切になります。
二〇二一年一月、大学入学共通テストが初めて実施されました。思考力や判断力をより重視しているといわれています。第1日程の国語では高校生による考察の設定や、複数の文章を読むという新しい形式で出題されました。実用的な文章(新聞、広報の文章、案内、紹介、連絡、手紙、実務的な文章、法令文、宣伝の文章、電子メールなどが含まれます)は、プレテスト(二〇一七、二〇一八年実施)と異なり、取り上げられませんでした。国語は、英語と違って、センター試験と大きな変化がなかったといえます。諸条件が整った上での記述式問題の導入を待っていましたが、二〇二一年夏、導入が断念されました。
本ワーク集は、「書く力・考える力」が育つことを目指し、教材を開発しました。小・中学生が対象ですが、大学入試で求められる記述力や、社会人に必要である文章表現力の育成にも対応できると考えています。
本ワーク集では、小学校国語教科書で「説明文・説明的な文章」と示されている文章や、中学・高等学校で説明、紹介、広告、解説、記録、調査報告、論説、評論、実用的な文章などと分類されている文章をまとめて、「論理的文章」とよぶことにします。小学校編3冊と中学校編1冊、計4冊は、次に述べる同様の指導方針によって、作成しています。
(1) 国語教科書の論理的文章教材での学習指導には限界があり、そこを補うために、分かりやすく短い文章教材が多数、必要である。……「基礎ワーク」を作成
(2) 論理的文章を「書く」ためには、文章の優劣を判断できる基準を身につける教材が、系統的にあるとよい。……「論理力アップワーク」を作成
「基礎ワーク」と「論理力アップワーク」は次のような工夫をしました。是非、お試しください。
(1) 1ページ1ワークでの紙面構成
(2) コピーをすれば、明日からプリント教材として、すぐに授業で使える
(3) 5〜20分程度で終わる内容である
(4) 正誤が明確なため、授業者の説明や解釈がいらない
(5) 繰り返し取り組むと、子どもは自然と正誤が分かり、楽しみながら解くことができる
(6) 「解答」欄を入れたままコピーをすると、自学自習ができる
(7) 「基礎ワーク」は論理的文章のお手本になる
(8) 「論理力アップワーク」で、論理的文章の書き方が理解できる
二〇二一年八月二日 /長谷川 祥子
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- 明治図書