新3観点の学習評価を位置づけた中学校公民授業プラン

新3観点の学習評価を位置づけた中学校公民授業プラン

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3観点を位置づけ指導と評価の一体化を実現する!公民授業モデル

3観点の学習評価を位置づけ「指導と評価の一体化」を実現するには?公民的分野の各単元のねらいと評価規準、授業モデルと評価問題例を収録。「見方・考え方」「学習内容の構造化」「対話」「自己調整学習」「単元としての授業構想」を組み込んだ公民授業プラン集です。


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ISBN:
978-4-18-454922-7
ジャンル:
社会
刊行:
対象:
中学校
仕様:
B5判 128頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年6月25日

Contents

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 新3観点の学習評価を位置づけた中学校公民の授業づくり
「問い」を追究・解決し,主体的に社会に関わろうとする態度の育成を
1 授業づくりの基本
―学習内容を単元で捉える―
2 単元・本時の「問い」を重視する授業づくり
3 「現代社会の見方・考え方」を重視する授業づくり
4 おわりに
―学習改善につなげる指導と評価を―
第2章 「知識・技能」と「思考・判断・表現」の学習評価を中核に位置づけた公民授業プラン
A私たちと現代社会の授業プラン
プラン1
(1)私たちが生きる現代社会と文化の特色
現代日本の特色
現代社会の課題を見つけ,よりよい社会の在り方を考える
プラン2
(1)私たちが生きる現代社会と文化の特色
現代社会と私たち
現代社会における文化の意味を考えよう
プラン3
(2)現代社会を捉える枠組み
現代社会を捉える見方・考え方
「現代社会の見方・考え方」の重要概念をしっかり習得
プラン4
(2)現代社会を捉える枠組み
きまりの役割や契約
具体的な事例を通してきまりの役割と契約について考えよう
B私たちと経済の授業プラン
プラン1
(1)市場の働きと経済
消費と経済活動の意義
概念を活用して消費と経済活動の意義について考えよう
プラン2
(1)市場の働きと経済
市場経済の基本的な考え方
価格が,消費者や生産者に与える影響から,価格の機能や役割を考える
プラン3
(1)市場の働きと経済
現代の生産と金融の仕組み
起業と投資を通して金融の必要性を考える
プラン4
(2)国民の生活と政府の役割
職業の意義と役割
45歳定年制を導入すべきか―よりよい雇用制度の在り方を考える―
プラン5
(2)国民の生活と政府の役割
財政及び租税の意義
公共事業関係費を入口にした「単元を貫く学習課題」から財政と租税の意義を考える
C私たちと政治の授業プラン
プラン1
(1)人間の尊重と日本国憲法の基本的原則
人権と日本国憲法
人権を尊重する日本国憲法の意義と役割について具体的に考える
プラン2
(1)人間の尊重と日本国憲法の基本的原則
平和主義が憲法の基本的原則とされた理由や現代社会における意義について調べ,考え合う
平和主義の側面から,持続可能な社会の実現に向け,考える―SDGsを視点として―
プラン3
(2)民主政治と政治参加
国会を中心とした民主政治の仕組みについて考え合おう
議会制民主政治をよりよく運営していくための方法について考える
プラン4
(2)民主政治と政治参加
法に基づく公正な裁判の保障
個人の尊重と法の支配を確かなものにする法に基づく公正な裁判について具体的に考える
プラン5
(2)民主政治と政治参加
私たちの暮らす地域を私たちの手でよりよくしよう
教室と実社会を往還しながら学びを深める
D私たちと国際社会の諸課題の授業プラン
プラン1
(1)世界平和と人類の福祉の増大
主権の尊重と日本が抱える問題解決に向けて
国家主権や日本が抱える領土問題を未来志向で考える
プラン2
(1)世界平和と人類の福祉の増大
国際社会の諸課題―資源・エネルギー・貧困問題―
世界の貧困・途上国の人々の自立に向けて,必要な取り組みを考える
第3章 「主体的に学習に取り組む態度」の学習評価を中核に位置づけた公民授業プラン
B私たちと経済の授業プラン
プラン1
(2)国民の生活と政府の役割
接続可能な社会保障制度を提案しよう
評価の鍵は,シート1枚の使い倒しと「じとせコ」にあり
D私たちと国際社会の諸課題の授業プラン
プラン1
(2)よりよい社会を目指して
卒業研究としての地域の課題発見学習
SDGsを視点として問題提起を促す
おわりに

はじめに

新3観点の学習評価を位置づけた公民授業づくりの要件


 現代の日本では,生産年齢人口の減少,グローバル化の進展や絶え間ない技術革新など,社会の変化は加速度を増し,複雑で予測困難となってきています。加えて,2020年代はじめに突如発生したパンデミック=コロナ禍です。現下の状況を,誰が予測しえたでしょうか。

 このような複雑で変化の激しい社会の中で,これからの社会に生きる中学生たちには,さまざまな情報やできごとを受け止め,主体的に判断しながら,自分を社会の中でどのように位置づけ,社会をどう描くかを考え,他者と共に生き,課題を解決していける力が必要となります。そこで,2017・18年に改訂告示された今回の学習指導要領では,よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を学校と社会とが共有し,それぞれの学校において,必要な教育内容をどのように学び,どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを「知識及び技能」「思考力,判断力,表現力等」「学びに向かう力,人間性等」の3つの観点に即して明確にしながら,社会との連携・協働によりその実現を図っていく「社会に開かれた教育課程」の理念が掲げられました。

 社会科の中でも公民的分野は,社会との関わりがとりわけ大きな分野です。また,地理・歴史両分野の学習の基礎の上に学習を展開し,社会科の目標を最終的に実現していく役割を担っている分野でもあります。それだけに教師は,政治や経済など分野の各領域の学習指導をすることと同時に,社会科を学習した中学生として必要な資質・能力を確実に身に付けているかどうかを適切に評価し,次の学習へ向かう意欲と,これから社会生活を送り,主体的によりよい社会をつくっていこうとする意欲を高めていくための評価の方法について,たくさんの引き出しを持っておくことが大切になってきます。

 ここで,簡単に新3観点の評価について触れたいと思います。国立教育政策研究所編「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料 中学校社会」(2020年)の第1編「総説」には,概要として,次のように示されています。


(1) 「知識・技能」の評価は,各教科等における学習の過程を通した知識及び技能の習得状況について評価を行うとともに,それらを既有の知識及び技能と関連付けたり活用したりする中で,他の学習や生活の場面でも活用できる程度に概念等を理解したり,技能を修得したりしているかについても評価するものである。

(2) 「思考・判断・表現」の評価は,各教科等の知識及び技能を活用して課題を解決する等のために必要な思考力,判断力,表現力等を身に付けているかを評価するものである。

(3) (前略)「学びに向かう力,人間性等」には,@「主体的に学習に取り組む態度」として観点別学習状況の評価を通じて見取ることができる部分と,A観点別学習状況の評価や評定にはなじまず,こうした評価では示しきれないことから個人内評価を通じて見取る部分があることに留意する必要があるとされている。(中略)

「主体的に学習に取り組む態度」の評価に際しては,単に継続的な行動や積極的な発言を行うなど,性格や行動面の傾向を評価するということではなく,(中略)知識及び技能を習得したり,思考力,判断力,表現力等を身に付けたりするために,自らの学習状況を把握し,学習の進め方について試行錯誤するなど自らの学習を調整しながら,学ぼうとしているかどうかという意思的な側面を評価することが重要である。


 筆者の付した下線部に着目してください。「知識・技能」の観点はもちろんのこと,「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の観点においても,知識及び技能の習得や活用といったことが関連していることがわかると思います。これは,本来,子どもの頭の中は3観点に分かれているわけではないものの,子どもが身に付けた資質・能力のすべてを同時・一体的に見取ることは困難であるため,便宜上3観点に分けて評価することにした,という解釈ができるのではないでしょうか。

 従来から公民学習は,政治や経済などに関する制度や仕組みの理解だけではなく,現代社会を捉えていくために必要な概念や理論を理解したり,それらの概念や理論を活用して課題解決の方向を考察,構想し,表現したりする学習活動を大切にしてきました。このような学習の方向性は,2017・18年版学習指導要領においても変わりません。むしろ,対立と合意,効率と公正などの「見方・考え方」を習得・活用させる学習指導を行ってきたということから考えれば,公民学習は2017・18年版学習指導要領を先取りしていたともいえるでしょう。このような学習指導の成果を,単元など内容のまとまりごとに各観点の適切な評価場面を設けて,妥当性・信頼性のある方法で組織的・計画的に見取っていくことは,生徒にとっての学習改善のみならず,教師にとってもよりよい学習指導の在り方を考えていく機会になることが期待されます。

 本書は,第1章で新3観点の学習評価を位置づけた中学校公民の授業づくりのポイントについて総括的に述べた上で,第2章で「知識・技能」と「思考・判断・表現」の学習評価を中核に位置づけた公民授業プランを16事例,第3章で「主体的に学習に取り組む態度」の学習評価を中核に位置づけた公民授業プランを2事例,合計18事例を掲載しています。

「観点別学習状況評価が必要な理由がわかったけれど,実際にはどのように評価するの?」

「記録に残す評価だけではなく,生徒が学習したり,社会に関わろうとしたりする意欲を高めるための学習改善につなげる評価(形成的評価)も大切。むしろ,その方法こそを知りたい」といった教師の期待に応えるべく,まずは本書を手に取っていただくことを願っています。


   /樋口 雅夫

著者紹介

樋口 雅夫(ひぐち まさお)著書を検索»

玉川大学教育学部教授。広島大学大学院教育学研究科教科教育学専攻博士課程前期修了。岡山県教育委員会,岡山県立高等学校教諭,広島大学附属福山中・高等学校教諭,広島経済大学経済学部講師,国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官並びに文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官を経て,2018年より現職。専門は社会科教育学,公民教育。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 3観点を意識した授業とはどういうものか理解できた。
      2023/2/2820代・中学校教員
    • 授業づくりや評価、単元を意識した授業づくりをする上で参考になった。
      2022/6/830代・中学校教員
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