- はじめに
- 第1章 リフレーミングで言葉かけがガラッと変わる!
- [性格・行動]のリフレーミング
- [対人関係]のリフレーミング
- [発言]のリフレーミング
- [学習場面(態度)]のリフレーミング
- [学習場面(能力)]のリフレーミング
- [行事場面]のリフレーミング
- 第2章 子どものよさを引き出すポジティブ言い換え100
- 1 性格・行動
- 001 孤立しがち →他人に流されない
- 002 意地っ張り →意志が強い
- 003 大ざっぱ →おおらか
- 004 幼い →成長の余地が大きい
- 005 暗い →穏やか
- 006 ケチ →ものを大切にする
- 007 うるさい →パワーがある
- 008 ごまかす →言い出せない
- 009 食べるのが遅い →味わって食べている
- 010 仕事をさぼる →仕事が速い
- 011 マイペース →取組が丁寧
- 012 飽きっぽい →見極める判断力がある
- 013 出しゃばり →よく気がつく
- 014 自慢が多い →態度がオープン
- 015 頼みを断れない →みんなを大事にしている
- 016 承認欲求が強過ぎる →活動への思い入れがある
- 017 毎朝遅刻する →毎日登校できる
- 018 親に言いつける →家庭で学校の話題が多い
- 019 閉じこもる →自分を落ち着かせている
- 020 片づけが遅い →先を見越して整理できる
- 021 調子に乗ってふざける →学級を明るくしている
- 022 マイナス思考 →想像力豊か
- 023 すぐにカッとなる →筋が通っている
- 024 外で遊ばない →集中して読書ができる
- 025 食い意地が張っている →好き嫌いがない
- 026 人のせいにする →人の気持ちを想像できる
- 2 対人関係
- 027 威張っている →リーダーシップがある
- 028 抱え込み過ぎる →責任感が強い
- 029 人の意見に左右される →意見を受け入れられる
- 030 言うことを聞かない →意志が強い
- 031 人とのかかわりが苦手 →自立心がある
- 032 声が小さい →学級の中核になる
- 033 友だちと交わらない →自分の世界がある
- 034 おせっかい →思いやりがある
- 035 自分のことができない →人のことを先に考える
- 036 人と比べる →よりよい自分になりたい
- 037 人の反応を気にし過ぎる →聞き手に気配りができる
- 038 揚げ足をとる →批判的思考ができる
- 039 自慢が多い →自信がある
- 040 トラブルメーカー →意思表示ができる
- 041 教師に反抗的 →自己主張ができる
- 042 担任に敵対的 →担任に認められたい
- 3 発言
- 043 遠慮がない →心の垣根がない
- 044 話が長い →伝えることに意欲的
- 045 御託を並べる →知識が豊富
- 046 意見を言えない →協調性がある
- 047 命令口調 →リーダー性がある
- 048 指示ができない →行動で範を示す
- 049 言葉がきつい →正義感が強い
- 050 トラブルを言いふらす →気持ちを整理している
- 051 茶化す →みんなを楽しませたい
- 052 突飛な発言が多い →発想がおもしろい
- 053 すぐに感情的になる →思いを伝えようと懸命
- 4 学習場面(態度)
- 054 変わっている →個性的
- 055 飽きっぽい →切り替えが早い
- 056 あれもこれも手を出す →自分なりの見通しがある
- 057 がさつ →おおらか
- 058 思い込みが激しい →自分の意見をもっている
- 059 答えを言ってしまう →反応が早い
- 060 空気が読めない →まわりに流されない
- 061 待てない →話をよく聞いている
- 062 挙手をしない →傾聴の姿勢がある
- 063 落ち込みやすい →がんばり屋
- 064 あまり考えずに発言する →失敗を恐れない
- 065 提出が遅い →じっくり取り組む
- 066 ノートを取らない →発表をがんばっている
- 067 つまらなそう →自己内対話している
- 068 おしゃべりが多い →対話を大事にしている
- 069 指示に従わない →探究意欲旺盛
- 070 人の話を聞いていない →自分の学びに没頭できる
- 071 後先考えない →行動力がある
- 072 あきらめが早い →多様な挑戦ができる
- 073 融通がきかない →あきらめずにやり抜く
- 074 不規則発言が多い →学びの原動力になる
- 075 勝負にこだわり過ぎる →責任感がある
- 076 自分の意見を押し通す →深く考えている
- 077 独り言が多い →よく反応する
- 078 知ったかぶり →学びを先導できる
- 079 怖がり →安全への意識が高い
- 5 学習場面(能力)
- 080 努力が実を結ばない →努力の方向性は正しい
- 081 計算ミスが多い →速く解こうと意欲的
- 082 応用力がない →基本に忠実
- 083 勘違いが多い →想像力が豊か
- 084 聞き間違いが多い →語彙が豊か
- 085 面倒くさがり →些事にとらわれない
- 086 知識をひけらかす →知識が豊富
- 087 ノートの字が汚い →要点をつかんでいる
- 088 計算が遅い →丁寧に解いている
- 089 ノートが乱雑 →伝えたいことが多い
- 090 話すことが苦手 →聞く,書くことが得意
- 091 発表が苦手 →考えるのが得意
- 092 漢字の誤用が多い →漢字を使うことに意欲的
- 093 落ち着きがない →気づきが多い
- 6 行事
- 094 緊張感がない →自然体
- 095 カッとなる →思いが強い
- 096 あきらめが悪い →粘り強い
- 097 主体性がない →まわりが見えている
- 098 参加に消極的 →見極める力がある
- 099 人の意見に流される →柔軟性がある
- 100 話し合いで発言できない →意見をまとめられる
- おわりに
はじめに
学級対抗の「8の字連続跳び大会」へ向けた練習場面の1コマです。
C …38,39,(C1が引っかかってしまう)
C2 あぁ,まただよ…。
C3 C1さんのせいで新記録が出なかった。
C4 しっかり練習してよね。
C1はその場で泣き崩れてしまいました。
読者の先生なら,この場面でだれに何と言葉をかけますか? まずはC2,3,4に自分が発した言動を振り返らせ,C1に謝罪させることを思い浮かべるのではないでしょうか。例えばこのように。
T あなたが同じことを言われたら悲しくなりませんか? C1に謝りなさい。
そして,C1には励ましの言葉をかけるでしょう。
T C1さんは悪くないよ。一生懸命にやっても失敗することもあるのだから。さあ,もっと練習しよう。
以上の対応は,決して間違ってはいません。しかし,
「C1のせいで新記録が出ない。優勝できない」
「失敗したC1を責めたら叱られる」
というように,まわりの子どもがC1を見るフレーム(視点・枠組み)はマイナスのままです。
そして,
「C1のせいで優勝することができない」
という学級の雰囲気が払拭されないまま,子どもたちは悶々とした思いを抱きながら大会を迎えることになります。
さて,本書『先生のためのリフレーミング大全』では,マイナスのフレームをプラスへとリフレーミングすることで,子ども一人ひとりに前向きな姿勢を生み,温かい集団づくりをしていこうという提案をしています。
では,先ほどの場面をリフレーミングしてみましょう。
教師は,泣き崩れているC1に寄り添いながら,まわりの子どもたちに語りかけます。
T C1さんのおかげで考えさせられたことはありませんか?
C3 しっかり練習するのは,C1さんだけでなく,私たち一人ひとりだと思いました。
C4 さっきは,C1さんのせいにしてしまってすみませんでした。みんなで力を合わせないといけないなと思いました。
「〇〇のせいで」という言葉をリフレーミングして,「〇〇のおかげで」と表現しました。この後,学級の子どもたちは,C1のおかげで次のようなことを考え,学びました。
・失敗した友だちを責めると雰囲気が悪くなり,全体のやる気が薄れてしまうので,励まし合いが大切である。
・どうすればうまくいくのか,みんなで知恵を出し合って再チャレンジすることが大切である。
これらの気づきが共有されれば,もうだれ一人として「C1のせいで優勝ができない」と思う子どもはいません。
本書の執筆者4名は,縁あって立命館小学校にて出会い,子どもたちがスキップを踏みながら登校する学級づくりを目指しています。私たちも指導・支援に行き詰まったとき,愚痴を言い合うだけでなく,リフレーミングで言葉かけをしながら前向きに学び続けています。そんな一端をまとめたのが拙著です。読後に「普段子どもにかけている自身の言葉をリフレーミングしよう」と前向きに考える先生が一人でも増えれば,我々にとっても大変うれしいことです。
2022年1月 /柳沼 孝一
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- 明治図書
- 自主研鑽にいつも活用させてもらってます。今後とも、具体的な事例集を販売よろしくお願いします。2023/7/11はる