- 巨人の肩の上に立つ 〜「まえがき」に代えて〜
- 1章 【1学期】「出会い」と「安心の土台」を実現する教育心理学
- Ep.1 うまくいっているはずの学級の違和感
- 心理学の知恵1 「静かなクラス=よいクラス」の幻想〜「ゼロ段階」という衝撃〜
- 心理学の知恵2 その「困った子」,先生の「レンズ」が生み出していませんか?
- 心理学の知恵3 その指導,誰のため?教師の「ものさし」が子どもの幸福度を決める
- 心理学の知恵4 なぜあの子は教室に居づらいのか?「ここにいていい」と思える11個の条件
- 心理学の知恵5 「先生が与える居場所」は脆い 子どもが自ら育てる「安全基地」
- 心理学の知恵6 「ほめる」だけでは響かない?行動の奥に届く「勇気づけ」
- 心理学の知恵7 信頼関係は急げない「愛着(アタッチメント)」から読み解くクラスづくりのステップ
- 心理学の知恵8 「じゃれあい」から始まる信頼関係物語
- 心理学の知恵9 小学生の心をつかむ!成長段階に合わせた教師のベストな距離感
- 心理学の知恵10 反発は成長の証?中学生の「揺れる心」に寄り添う絶妙な距離感
- 心理学の知恵11 「口出し」は逆効果?高校生の自立を促す「見守り」の心理学
- 心理学の知恵12 クラスを襲う「6月危機」の処方箋 学級の安定化の最短ルートは「居場所づくり」にあった!
- 心理学の知恵13 なぜあの子が?「誰が不登校になってもおかしくない」時代の教室づくり
- 心理学の知恵14 「休んでから」では遅い 教室で気づける不登校の「見えないサイン」
- 心理学の知恵15 焦るな,急かすな,追い詰めるな!不登校の子に学校ができる現実的な支援
- 【1章】64uの教室でできる明日への「1mm」アクション
- 〜教室の空気を静かに変える心理学の一手〜
- 2章 【2学期】「個」から「集団」へ 子ども同士の「学び合う関係」を創る教育心理学
- Ep.2 優しい先生の笑顔が失われたとき
- 心理学の知恵16 「先生の勘」に頼らない!学級を動かす2つの科学的なアプローチ
- 心理学の知恵17 「あなたならできる」で限界突破!子どもの背中を押す“第1の糸”
- 心理学の知恵18 厳しさだけでは折れてしまう 心を包み込む温かい“第2の糸”
- 心理学の知恵19 テストの点数より重要?学級の崩壊を防ぐ「友人関係」のメカニズム
- 心理学の知恵20 戦う元気すらない子どもたちが集う教室で
- 心理学の知恵21 先生は気づいてる?教室を支配する見えない「スクールカースト」の恐怖
- 心理学の知恵22 「男女で違う」は本当だった!科学が証明する人間関係のつくられ方
- 心理学の知恵23 ICTで人はつながれるか?〜デジタルネイティブ世代の人間関係〜
- 心理学の知恵24 学力より一生モノ?良好な友人関係を築くカギ「非認知能力」の影響力
- 心理学の知恵25 「誰の隣に座るか」で成績が変わる?朱に交われば赤くなる心理学
- 心理学の知恵26 「ただの同乗者」から「登山チーム」へ!授業でクラスの絆を深める
- 心理学の知恵27 ただ班にするだけでは大失敗?「グループ学習」と「協同学習」の決定的な違い
- 心理学の知恵28 「おしゃべり」で終わらせない!協同学習を成功に導く5つの条件
- 心理学の知恵29 子どもが劇的に変わり出す!「チーム学習・5つの合言葉」
- 心理学の知恵30 明日の授業ですぐ使える!「構成的な協同学習」の鉄板テクニック
- 心理学の知恵31 自由なのに深い!「非構成的な協同学習」で思考をジャンプさせる
- 心理学の知恵32 クラスが荒れる「魔の11月」を乗り越える!いじめのメカニズムと予防線
- 心理学の知恵33 トラブルを成長に変える!いじめの芽を摘む「温かい初期対応」
- 心理学の知恵34 よかれと思ってやっていない?教室の空気を冷え込ませる「先生のNG行動」
- 心理学の知恵35 最強のいじめ対策は「強い仲間集団」をつくること
- 心理学の知恵36 傷ついた心をどうケアする?「レジリエンス」を引き出す教師の関わり
- 【2章】64uの教室でできる明日への「1mm」アクション
- 〜教室リーダーシップを変える心理学の一手〜
- 3章 【3学期】教育心理学から見る「委任」と「自走」に向かう集団づくり
- Ep.3 教師の「抱え込み」が子どもの「自走」を止めている?
- 心理学の知恵37 クラスが自走し始める!「手放す勇気」が生み出す“第3の糸”
- 心理学の知恵38 先生の出番はいつまで?SL理論で読み解く「教える」から「任せる」へのシフト
- 心理学の知恵39 明日からできる「足場外し」子どもに学びのハンドルを渡すステップ
- 心理学の知恵40 「みんな一緒」はもう限界?多様性を力に変える教室づくり
- 心理学の知恵41 よかれと思った「個別化」が,子どもを「孤立」させていませんか?
- 心理学の知恵42 放置と自由は違う「無責任な個別化」に陥らないための境界線
- 心理学の知恵43 やる気の問題じゃない?行動遺伝学が突きつける「初期設定(凸凹)」の現実
- 心理学の知恵44 「先生,次は何するの?」から卒業!自走する「自己調整学習」のメカニズム
- 心理学の知恵45 自律した学習者に育てる!授業に組み込むべき「3つの要素」
- 心理学の知恵46 「やらされ」から「やりたい」へ変える!子どものエンジンをかける「予見」の支援
- 心理学の知恵47 止まった手を動かす魔法 「やり方」を教える遂行段階の支援
- 心理学の知恵48 「自分の弱点」に気づける子は伸びる メタ認知を育む自己省察の支援
- 心理学の知恵49 最強の掛け合わせ!「自己調整学習×協同学習」が未来を拓く
- 心理学の知恵50 教師が子どもを信じる力は,教育技術を超える
- 【3章】64uの教室でできる明日への「1mm」アクション
- 〜「教える」から「学ぶ」へスイッチする心理学の一手〜
- 4章 【通年】教育心理学から見る「チーム学校」と「教師のウェルビーイング」
- Ep.4 「教室の空気」は「職員室の空気」の写し鏡である
- 〜ミドルリーダーとして見た,組織の心理学〜
- 心理学の知恵51 「よいクラス」の裏には「よい職員室」あり 学級づくりと組織の法則
- 心理学の知恵52 「授業,失敗しちゃってさ…」弱音を吐ける職員室が最強のチームになる
- 心理学の知恵53 雑談なしにチームは動かない!職員室の空気を温める「無駄話」の効用
- 心理学の知恵54 先生の「やりがい搾取」になってない?エッセンシャル思考の業務改革
- 心理学の知恵55 先生が幸せでなければ始まらない つながりが生み出すウェルビーイングな学校
- 【4章】64uの教室でできる明日への「1mm」アクション
- 〜職員室の空気を温める心理学の一手〜
- あとがき 〜64uの教室に,理論を1つだけ持ち帰る〜
「まえがき」より
「教育心理学」は,現場でどのように役に立つのでしょうか。最大の効能は,「目に見えないものが見えるようになる」ことです。
例えば,毎日きちんと宿題を出してくる子がいたとします。表面的な行動だけを見れば「真面目な子」です。しかし,心理学の自律的動機づけ理論(本書でも解説していますので詳しくはそちら[p.126]をご覧ください)というレンズを通して見るとどうでしょう。同じ「宿題をやる」という行動であっても,その胸の内には次のような違いがあるかもしれません。
@「机に向かうことすらしない,あるいはボーッと座っている」(無動機)
A「やっていかないと先生や親に叱られるから」(外的調整)
B「忘れてダメな子だと思われるのが恥ずかしいから」(取り入れ的調整)
C「いい大学に入るために必要だから」(同一化的調整)
D「学ぶことは,自分を成長させる大切なことだから」(統合的調整)
E「この問題を解くのが面白くてたまらないから」(内発的動機)
このように,「毎日宿題をやる」というたった1つの事象に対しても,心理学の眼鏡をかければ様々な見方ができるのです。そして,レベルAのような「やらされ感」で机に向かっているのか,レベルEのような「自律感」で向かっているのかで,その後の学習の定着や,子ども自身が自走する力はまったく変わってくるということは,おわかりいただけるかと思います。
理論を知っている教師は,「なぜ,あの子は暴れるのか」「なぜ,あの子は無気力なのか」のように行動の表面だけでなく,その奥にある心理的なメカニズムに気づくことができます。その背景を知っていれば,感情的に怒鳴る回数は劇的に減ります。その子が「反抗している」のではなく,「困っているのだ」と理解できるからです。つまり,心理学は,教室で起こる事象を様々な角度から見取るための「眼鏡」になるのです。
本書は,以下の4つのステップで構成されています。
1章:【1学期】
「出会い」と「安心の土台」を実現する教育心理学
「なぜかクラスが落ち着かない」「あの子が教室に居づらそう」
そんな1学期の悩みに効く,「安心と居場所」のつくり方を紐解きます。
2章:【2学期】
「個」から「集団」へ 子ども同士の「学び合う関係」を創る教育心理学
「魔の11月」に代表される,慣れから生じる空気の緩みや人間関係の摩擦。「縦糸」と「横糸」を駆使し,トラブルを成長に変える「学び合う集団」の育て方に迫ります。
3章:【3学期】
教育心理学から見る「委任」と「自走」に向かう集団づくり
「しつけ糸」をほどき,自己調整学習と協同学習を通じて,子どもたちが自律して学び合う環境のデザインを提案します。
4章:【通年】
教育心理学から見る「チーム学校」と「教師のウェルビーイング」
視座を「職員室」へと広げ,教師自身が幸せに働くための「チーム学校」と「心理的安全性のつくり方」を探ります。
各項目は「理論編」「分析編」「実践編」という3つの視点で解説しています。「心理学」と聞くと,「小難しそうだな……」と身構えてしまうかもしれません。そこで,すべての項目に,直感的にわかる「図解」を用意しましたので併せてお読みいただけたらと思います。
そして,各章の最後には「64uの教室でできる明日への『1mm』アクションリスト」を用意しました。これは,ご自身の指導を評価・反省するためのチェックリストではなく,明日,教室や職員室で試す実践のリストです。特別なことではなく,ちょっとしたスキルなので,実践に生かしていただけたらと思います。
どの章も,まずは筆者の失敗談や経験談からスタートします。それは,どの学校,どの学級でも起こり得る「あるあるなエピソード」です。「あ,これ私のことかもしれない……」と実感がもてたら,その背景にある理論を知り,明日の実践へとつなげていただけたらと思います。このサイクルを回すことで,あなたの身体の中に,確実に「理論」という武器がインストールされていくはずです。
/水流 卓哉
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明治図書

















