- はじめに
- 相模原市立中野中学校 学校長より
- 相模原市長より
- 相模原市教育長より
- 序章 人と共に学びAIと共に学ぶ相模原市立中野中学校の取り組み
- 01 人と共にAIと共に「悩み考える」
- 02 協働的な学びを通した個別最適な学びの充実の重要性
- 第1章 深い学びへとつなげる協働学習システム「学びのスタンダード」
- 01 学びのスタンダードとは
- 02 学びのスタンダードの仕組み
- 03 小中連携による9年間を通した学びのあり方
- 04 学びのスタンダードを基盤とした取り組みの意義
- 第2章 人間とAIで拓く新たな相互作用
- 01 ダブルバディ(人間×AI)システムの挑戦
- 02 AIバディを活用した協働的な学び事例
- 03 人間×AIが織りなすこれからの学びの可能性
- 第3章 授業を深化させる校内研修システム
- 01 本校校内研究の全体像 研究につながる実践的な研修へ
- 02 校内研究を支える実践的な教員研修の仕組み
- 03 協働的な学びのある授業で生成 AI を活用するための6カテゴリー
- 04 ビジョンの実現を大事にしたチームとしての取り組み
- 第4章 生成AIを活用した授業デザイン&実践
- 指導案(OCお知らせ票)について
- [生成AIを活用した授業実践]
- 01【1年・英語】もらってうれしくなるようなハガキを書こう
- 02【2年・美術】制作の過程の中で工夫した点を共有しよう
- 03【1年・数学】学級の生徒のデータを分析して国内の平均データと比較してみよう
- 04【3年・数学】相似を使って黄金比を求められるようになろう
- 05【3年・音楽】対話と鑑賞を同時進行で音楽を言語化しよう
- 06【3年・英語】外国人向けの防災動画をつくろう
- 07【2年・体育】空間を活用し,課題を仲間に伝えよう
- 08【特別支援学級】ことばを「言い換えて」みよう!
- 09【1年・社会】アマゾンの開発について議論しよう
- 10【2年・数学】箱ひげ図や四分位数を使って理想の物件さがしをしてみよう
- 11【3年・保健】なぜ感染症のリスクが「0」にならないのか説明してみよう
- 専門家の視点から@ジグソー法とChatGPTを活用した保健
- 12【3年・理科】科学技術の発展は幸か不幸か?
- 13【3年・国語】小論文を校正・推敲してよりわかりやすい文章に
- 専門家の視点からA画像生成AIの特徴を生かした国語科
- 生成AIを活用した授業設計シミュレーションの実践事例
- 「連文節の働きについて理解しよう」授業シミュレーションの結果
- 「科学技術の発展は幸か不幸か?」授業シミュレーションの結果
- 第5章 生徒と教師の視点から見る生成 AI 活用の成果
- 01 生徒へのインタビューから見る生成 AI 活用の成果
- 02 教員へのインタビューから見る生成 AI 活用の成果
- 第6章 ログ記録とアンケートから見る生成AI活用の成果とその先へ
- 01 生徒の作成したプロンプトログ記録から見えてくる成長
- 02 アンケート調査から見えてくる生徒たちの認識変化
- 03 総合的な学習の時間を活用した「情報の授業」の枠組み
- おわりに 質の高い,深い学びを実現していくために
- 本書の考え方を支える参考図書
- 引用・参考文献一覧
- 執筆者一覧
はじめに
令和7年3月。本校3年生が卒業を目前に控えるこの時期,私(教務主任・保健体育科教諭)は,本書を書き始めました。「どうして自分はこれができるようになったのか」「なぜ前よりうまくなったのか」。そうした問いをもち,言語化しようとする3年生の姿を振り返りながら,「学び」について考えずにはいられませんでした。前回の授業の振り返りを見返し,自分の課題を意識し,授業前から「今日はこう取り組もう」とビジョンをもって活動場所にやってくる姿に,私は“生きた学び”を感じていたのです。
なぜ,これほどまでに「学ぶ力」に満ちた生徒が育ったのか。その答えは,この本に詰まっています。本書では,序章から第6章を通して,どのようにして協働的な学びと生成AIを結び付け,生徒の学びと教師の指導が同時にアップデートされてきたのかを解き明かします。この本は,特に「生成AIがなくても十分授業はできる」と思っている先生方にこそ,手に取っていただきたいと思っています。専門性が高く,授業力のある先生が,さらに生成AIを使いこなしたとき,学びは想像以上に進化します。
私は,生成AIを授業で活用して約2年となりますが,今は確信しています。「生成AIを活用しないと到達できない学びの領域がある」と。生成AIは,プロンプトのデザインを工夫することで生徒一人ひとりにヒントを与え,ときには問い返しながら学びを深めてくれる○○となります。生徒に「自分なりの考えをもつ」ことを促し,授業中にも授業外にも思考を止めない〇〇として機能しているのです。
すでに,学校間・地域間での「AIリテラシー格差」は生まれつつあります。これから教育現場に生成AIを導入しようとする方々にとって,本書がその格差を埋める一助となることを願っています。
あなたの授業にも,“生成AIを活用しないと到達できない学びの領域”があるとしたら,どうしますか?
/梅野 哲
○○には,生成AIを何と捉えているかが入ります。あえて○○としました。想像してみてください。
本校では…パートナー・バディ・アシスタント・アドバイザー・コーチ・チューター・ガイド・ファシリテーター・メンター・もう1人の教師 など
-
明治図書















PDF

