- 監修の言葉
- はじめに
- 第1章 よりよく生きるための「自立活動」 授業づくりのポイント
- 自立活動とは
- 自立活動の目標
- 自立活動の内容
- 個別の指導計画作成の流れ
- 学校の教育活動全体を通じて行う指導と自立活動の時間の指導
- 自立活動の時間における指導と各教科等を合わせての指導
- 第2章 よりよく生きるための「自立活動」授業の実際
- 1 健康の保持
- 小学校 4年(通級による指導) 01 障害特性の理解と対処法を人に理解してもらおう
- 知的障害又は肢体不自由の特別支援学校 中学部3年 02 課題に向かい,ねらいを達成するための姿勢保持と医療的ケア
- 知的障害の特別支援学校 高等部1年 03 気温に合わせた衣服の調節をしよう
- 2 心理的な安定
- 知的障害の特別支援学校 小学部4年 04 情緒の安定を図り,コミュニケーション手段を獲得しよう
- 中学校 3年(通級による指導) 05 「読める」「できる」で変わっていったAさん
- 知的障害の特別支援学校 高等部1年 06 自分の気持ちや情緒をコントロールしよう
- 知的障害の特別支援学校 高等部3年 07 人の多様性や様々な状況を理解・受容し,成長した事例
- 知的障害の特別支援学校 高等部2年 08 心と身体をリラックスしよう
- 小学校 1年(通級による指導) 09 障害特性をプラスに変換させよう
- 3 人間関係の形成
- 肢体不自由の特別支援学校 小学部5年 10 目指せ!☆忍たま乱太郎
- 知的障害の特別支援学校 中学部3年 11 情動を調整し,落ち着いて他者とかかわろう
- 知的障害の特別支援学校 高等部1年 12 自己理解と行動調整に課題のある生徒への指導事例
- 知的障害の特別支援学校 小学部1年 13 わかって楽しく身体を動かそう
- 4 環境の把握
- 知的障害の特別支援学校 小学部1年 14 跳んでみよう! 渡ってみよう!
- 知的障害の特別支援学校 小学部4年 15 物事の概念の形成を図り,やりとりする力を育む
- 知的障害の特別支援学校 小学部2年 16 書字技能を高めるための指導・支援の在り方
- 知的障害の特別支援学校 中学部3年 17 繰り返しのある授業構造を設定し,主体的な取り組みを目指した指導事例
- 知的障害の特別支援学校 高等部1年 18 一定の時間,その場で落ち着いて待てる力を育てる指導
- 5 身体の動き
- 知的障害の特別支援学校 小学部1年 19 のびて ちぢんで 体操しよう
- 知的障害と肢体不自由の特別支援学校 小学部1年 20 生活動作の習得
- 知的障害と肢体不自由の特別支援学校 中学部1年 21 姿勢と用具の扱い
- 知的障害の特別支援学校 高等部2年 22 自分の身体をコントロールしよう
- 6 コミュニケーション
- 肢体不自由の特別支援学校 小学部6年 23 気持ちと身体をコントロールして,パソコン操作
- 知的障害の特別支援学校 小学部5年 24 相手にわかりやすく伝えよう
- 知的障害の特別支援学校 小学部3年 25 困った時どうする?
- 病弱の特別支援学校 高等部1年 26 人とのコミュニケーション能力を育む
- 知的障害の特別支援学校 中学部3年 27 役割を果たしたい思いを尊重し,人に伝わる話し方をしよう
- 知的障害と肢体不自由の特別支援学校 中学部1年 28 言葉で気持ちを伝えられるようになろう
- 知的障害の特別支援学校 高等部3年 29 自分の考えや気持ちを表現しよう
監修の言葉
本「授業アシスト」シリーズは,文字通り読者の授業をアシストすることを意図して,編集に工夫をしている。平成29年に幼稚園(特別支援学校幼稚部)教育要領,小・中学校,特別支援学校(小・中学部)学習指導要領,平成30年に高等学校,平成31年に特別支援学校高等部学習指導要領が改訂されたことを受け,改訂のポイント,とりわけ教科等において育成を目指す資質・能力の三つの柱に基づく各教科の授業づくりのポイント,資質・能力の三つの柱に沿った目標設定の仕方についての理論的な解説を加えている。また,授業の実際を各教科別の構成に即して提供している。
今回の学習指導要領改訂では,インクルーシブ教育システムの理念を踏まえ,すべての学校において特別支援教育を進めること。そのためには,特別支援学校でも小・中・高等学校に準じた改善を図ること。このことは,小・中・高等学校と特別支援学校との間で教育課程が円滑に接続していけるようにしていくこと。教師同士は教育活動の在り方と相互の連続性を可視化していくこと。そのことを通して子どもたちの学びの連続性を実現することが目指されている。また,教科等と教育課程全体のつながりや,教育課程と資質・能力の関係を明らかにし,児童生徒が未来を切り拓いていくために必要な資質・能力を確実に身に付けられるようにすることが重要であるとして,学習する児童生徒の視点に立ち,育成を目指す資質・能力の要素について三つの柱として整理された。つまり,すべての教科等について,各教科等を学ぶ本質的な意義を捉えなおす議論が展開され,各教科等の目標・内容について,育成を目指す資質・能力の三つの柱に基づき整理されていることを理解してほしい。
ところで,自立活動は,個々の児童生徒が自立を目指し,障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服しようとする取組を促す教育活動であり,特別支援学校の教育課程において特別に設けられた指導領域である。授業時間を特設して行う自立活動の時間における指導を中心としつつ,各教科等の指導においても,自立活動の指導と密接な関連を図って行われなければならない。自立活動は,障害のある児童生徒の教育において教育課程上重要な位置を占めていることから,小・中学校等の特別支援学級や通級による指導においても,自立活動を取り入れることについて,特別支援学校学習指導要領第7章に示す自立活動の内容を参考とし,具体的な目標や内容を定めて指導を行うこととされている。個々の児童生徒の的確な実態把握に基づき,指導すべき課題を明確にすることによって,個別に指導目標や具体的な指導内容を定めた個別の指導計画を作成すること等の必要な支援を考えていくことが望まれる。
本シリーズを通して,国語,算数・数学,自立活動の指導について,学習指導要領改訂の趣旨を理解し,一人一人の児童生徒の実態に即した授業づくりにいささかなりとも寄与できれば幸いである。
監修者 /宮ア 英憲
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- 明治図書
- 具体的な内容でわかりやすい。2024/2/2650代・中学校管理職
- 自立活動について概観することができた。2023/5/3140代・男性