- はじめに
- 1章 教師よ、『絶対的コミュ力』を鍛えよ!
- できる教師の『絶対的コミュニケーション能力』
- 教師は授業力? 学級経営力? その機動力は?……
- 令和元年 教師による教師に対する「いじめ」発覚からの教師像転化
- 幸せ因子は、あなたの中にある
- 新型コロナウイルス感染症で問い直された学校の存在
- 紙の知識を教える場所じゃない、幸せ因子を育てる使命が学校にはある
- 2章 教師に必要な7つのコミュニケーション技術
- 技術1 つかむ
- 温度のあるあいさつ
- 笑顔3種類
- 相手との距離を縮める
- さらけ出す技術でつかむ
- 電話対応でつかむ
- 技術2 すぐやる
- やってみる!行動力
- 感動は熱さが命
- 保護者対応は生ビール(フレッシュジュース)と同じ
- メモ魔になれ! あなたを救う記録のとり方
- 同僚性を上げるシンクロ仕事術
- 技術3 傾聴する
- 傾聴は何のために
- Max保護者対応術
- 平等を与える
- 愛情を届ける
- 叱るときの傾聴
- 技術4 受信する
- 傾聴と受信を区別しながら共存させる
- 保護者の言葉の向こう側を受信せよ
- 学級経営に生かす
- 授業に生かす
- 同僚性を上げる
- 技術5 表現する
- 声色にも声以外の表現力にも磨きをかけよ
- 授業に笑いを 教室にもっと笑顔をつくる
- ほめ方 叱り方
- 保護者にはイエスプラスαで表現せよ
- 甘え力、質問力で高める同僚性
- 技術6 気にしない
- モンスターペアレントと遭遇したら
- 教室でスルーしてよいこと、ダメなこと
- 職員室での考えない技術
- 逃げてもいいよ、正しく逃げる
- 技術7 「謝」を伝える
- 教室に「ありがとう」の文化を育てる
- 保護者へは「謝」を植える
- 同僚へは「ありがとう」をプラスαで
- 「謝る」〜その謝り方が危ない〜
- おわりに
はじめに
教師のコミュニケーション能力について、執筆したいと強く思ったのは、令和元年に神戸市の学校で起きた教師による教師に対する暴行事案が連日報道されていたことが大きな理由でした。被害教員も加害教員たちも、また同じ職場の傍観者的な立場にあった教員も、胸にはりつめる違和感は、どれだけ充満し、重くのしかかっていたことだろうと思いました。つまり、被害教員のみならず、加害教員たちも周りの教員たちも、何か、自分自身の中にある違和感を突破できる力を望んでいたのではないか、と私は思うのです。その力とは、いったいどんな力だろう……それを考えたときに、すぐさま出てきた答え、それが、『絶対的コミュニケーション能力』です。コミュニケーション能力というと、従来、他者との話し方や聞き方に特化されたもののように扱われてきました。他者との言語を中心にしたコミュニケーション能力と区別して提案したいので、私の意図するところのコミュニケーション能力を『絶対的コミュニケーション能力』と名づけたいと思います。
この『絶対的コミュ力』は、職員室の中でのみ発揮されるものではありません。
素晴らしい先生が繰り広げる、子どもたちの目が輝き協働的に創造的に進んでいく授業も、他者理解にあふれた個々が成長するクラスづくりも、この『絶対的コミュ力』のなせる業なのです。さらには、この『絶対的コミュ力』を鍛え、保護者や同僚との関係の中でその力を駆使すれば、お互いを理解し合える関係へと熟成され、子どもへの教育効果もあなたの幸福度も上昇していくことでしょう。
この本では、他者とも自分自身ともうまくかかわり、幸せへと導く『絶対的コミュ力』を発揮させる具体的な場とその発揮方法を7つの技術としてまとめ、提案しています。
真面目で一生懸命に仕事をしているそこのあなたへ
向上心にあふれるあなたへ
なんとなく悩んでいるあなたへ
うまくいかないことが起こったとき、なかなか立ち直れなかったあなたへ
なんで自分はうまくいかないのだろうと同僚と比べているあなたへ
孤独にさいなまれているあなたへ
年下の同僚に悩むあなたにも、年配の同僚との関係に悩むあなたにも、この本をきっかけに、「仕事が楽しい!」と思えるようになってほしいと願い、届けます。
絶対的コミュ力を意識して、毎日取り組むと、かなりのことがかわってきますね。