- はじめに
- 第1章 荒れを見極める
- 教室の現状を正しく把握するために
- 荒れの深刻度を測る「3つの指標」
- 第1指標「教室の荒れレベル」
- 教室の荒れレベル1 問題を起こしている子と真面目な子の関係がまだ良好である
- 教室の荒れレベル2 問題行動を起こす子のことを真面目な子が迷惑に感じている
- 教室の荒れレベル3 真面目にやっていた子の一部が問題行動を起こす子のまねをし始める
- 教室の荒れレベル4 問題行動を起こす子が教室の主導権を握り、真面目な子が減っていく/「教室の荒れレベル」が進まないように
- 第2指標「個人の荒れレベル」
- 「問題行動」の見極め
- 「個人の問題行動レベル」を見極めるポイント
- 「個人の反発レベル」の見極め
- 個人の反発レベル(低) 先生の前に来て、真剣に話が聞ける
- 個人の反発レベル(中) 先生の前に来ることはできるが、真剣に話を聞けない
- 個人の反発レベル(高) 呼ばれても、先生の前に来ることができない
- 第3指標「落ち着かない子ども同士の関係性」
- 「荒れの中心」にいるのは誰か?
- 「中心タイプ」を細分化する
- 中心タイプ�@ 感情爆発型
- 中心タイプ�A 空気支配型
- 「感情爆発」と「空気支配」のハイブリッド
- 荒れの「援助」をしているのは誰か?
- 援助タイプ�@ 補佐型(中心タイプを支える存在)
- 援助タイプ�A 祭り型(場を盛り上げる存在)
- 援助タイプ�B 追従型(仕方なく付き従う存在)
- 「指導のモグラ叩き」を防ぐために
- 第2章 荒れが広がるのはなぜか?
- 荒れが広がるのはなぜか? 〜難攻不落の大阪城から学ぶ〜
- 「大阪城」と「荒れた教室」の意外な共通点
- 問題行動を起こす子が「天守閣」を築く
- 力を示すための5つの作戦
- 〈作戦1〉気になる子作戦(注目を集める)
- 〈作戦2〉困った子作戦(周囲を振り回す)
- 〈作戦3〉荒れた子作戦(反抗し、力を誇示する)
- 〈作戦4〉キレる子作戦(制御不能な状態を作り出す)
- 〈作戦5〉ダメな子作戦(絶望し、無気力になる)
- より高い「天守閣」を築く
- 「内堀」を掘り、仲間を引き込む
- 「外堀」を掘り、世論を形成する
- 「学級崩壊」は「堅固な城」
- 第3章 荒れを反転させる
- 荒れを反転させていくために〜大阪城の落城から学ぶ〜
- なぜ大阪城は落城したのか?
- 荒れを反転させていくために�@大義名分を突きつける…教師が方針を示す
- 示すべきは「力」ではなく「方針」
- 「変わりたい子」に届ける5つの方針
- �@ 学校とは、どんな場所か?
- �A 「かしこさ」とは、何か?
- �B なぜ「3ぼう」を許してはならないのか?
- �C 先生の役割とは、何か?
- �D 先生はどんなときに叱るのか?
- 方針を示す
- 荒れを反転させていくために�A外堀を埋める…世論を形成する
- まず埋めるべきは「外堀」である
- 「リーダー」と「ボス」の語り〜集団を引っ張る2つのタイプ〜
- 本当の主役は「フォロワー」である
- 集団の舵を握る「6割」の力
- 「ボス」を見捨てない〜変化の可能性を信じる〜
- 「かしこさの広がり」の語り〜より広い視野を持つ〜
- 「せまい」行動の正体
- 「かしこさ」が広がる4つのステップ
- 「自律・規律・他律」の語り〜行動の基準を考える〜
- 第一段階:「他律」の世界
- 第二段階:「規律」の世界
- 私たちが目指す「自律」の世界
- 「自律」した子にスポットライトを
- 「あなたはどこを目指すの?」
- 「自律」のさらに上の世界へ
- 「つるむ友達・支える友達」の語り〜良い関係性を築く〜
- 成長へと引き上げるか、堕落へと引きずり下ろすか
- 「楽しさ」の先にあるもの
- 関係性を見つめ直す勇気
- 語りによって目指すことは
- 荒れを反転させていくために�B内堀を埋める…「援助タイプ」の子を切り離す
- 変化を拾い上げ、励ます
- 複雑化した荒れの場合
- 荒れを反転させていくために�C天守閣に突入する…「中心タイプ」の子を指導する
- 指導のゴールは「鎮圧」ではなく「対話」
- 第4章 乱れた関係性を再構築する
- 落ち着かない子が複数いる場合
- 「指導のもぐら叩き」状態からの脱却
- 「援助タイプ」の子を指導する手順とは?
- 関係性を再構築するための語りかけ
- 関係性を再構築するために(1)「追従型」の子を荒れから引き剥がす
- 最初の突破口
- 【追従型の子との対話】あなたは、どこを目指しているのか?
- 関係性を再構築するために(2)「祭り型」の子を荒れから引き剥がす
- 「面白さ」のものさしを問い直す
- 【祭り型の子との対話】その関係は、本物か?
- 関係性を再構築するために(3)「補佐型」の子を荒れから引き剥がす
- 最も手強い「右腕」との対峙
- 「わかっているけど、できない」という葛藤
- 中心タイプ以上の「関係性」を築く
- 成長のフィードバック
- 「成長の発見者」であれ
- 【方法1】直接フィードバックで、本人に届ける
- 「あなたなら、できる」という信頼を添える
- 【方法2】間接フィードバックで、クラスに広げる
- 本人と、周りの子、両方を育てる
- 「ほめる」ことの、思わぬ落とし穴
- 「ほめる」から「認める」へ
- 「援助タイプ」の子を引き剥がす
- 第5章 荒れの中心を反転させる
- 「中心タイプ」の子どもへの指導
- 「荒れの本丸」へと切り込む
- 「中心タイプ」の子の荒れはどの程度か?
- 指導が全く通らない場合
- 先生の本気を「言葉」で示す
- 先生の本気を「対応」で示す
- 先生の本気を「成長」で示す
- 本気でぶつかり合う
- 第6章 荒れた子との向き合い方
- 荒れた子の言葉を反転させる
- どうして自分だけ?
- 「平等」と「公平」
- 彼らが使う、都合の良い「正義」
- 「平等」に語りかけ「公平」に指導する
- ぶれない軸で子どもを導く
- 荒れた子の口癖への対応�@「あいつもやっていた。あいつを先に指導しろ」
- 荒れた子の口癖への対応�A「いやだ・無理・めんどくさい」
- 荒れた子の口癖への対応�B「あいつがダメなことをしていました」(告げ口)
- 保護者と「願い」を共有する対話
- 言葉の「裏」を見抜き、対話の「軸」を持つ
- 第7章 成長へ導く存在に
- 荒れを見逃さない
- 油断は禁物 教室の荒れを再発させないために
- 荒れの芽を摘み取る
- 荒れの根を断つ
- 灯をともす存在として
- 指導の先にあるものは?
- すてきな勘違い
- 「黒子」となる先生の力
- 足元を照らす灯に
- おわりに
はじめに
休み時間、遠くで大きな叫び声が聞こえてきます。その声の方へ近づくと
「あいつをぶっ殺す! 絶対殺す! 許さねぇ!」
目を血走らせた男の子が、もう一人を猛然と追いかけています。逃げる子は、後ろを振り返っては挑発を繰り返し、追う子の怒りをさらに煽り立てます。
それを見て、追いかけている子の怒りは頂点に達します。
騒ぎを聞いて駆けつけた先生たち。ただならぬ状況に危険を感じ、追いかけている子を抑えました。…しかし、その子の怒りは収まりません。
「離せ! 絶対にあいつをぶっ殺してやる!」
抑えつける先生の手を振り解き、相手に殴りかかろうとします。
怒り狂うその子の様子を見て、周りにいた数人の子どもたちが大笑いします。
「うわー、怒ってる、怒ってる」
その状況に、抑えられている子はますます怒り狂います。
そこに休み時間終了のチャイムが鳴り響きました。しかし抑えられている子の怒りは収まりません。結局、その日は教室へと戻ることができませんでした…。
この出来事に関わっていた子どもたちは、以前私がサポートに入っていた学級の子どもたちでした。先ほどの光景は、この学級の日常です。核となる数名の男子がいつもつるんで問題行動を繰り返していました。一人がキレれば、周りが囃し立てて火に油を注ぐ。そんな連鎖が毎日続いていたのです。
「一緒にいるとトラブルになるのだから、離れて過ごしなさい」
このような指導をしたこともありました。しかし、この指導は長続きしません。彼らは時間が経つと結局くっつきます。そして、冒頭のようなトラブルが繰り返されるのです。
彼らの問題行動は授業中にも続きます。担任の先生はトラブル防止のために彼らの座席を離していました(1人は窓際の前、1人は窓際の後ろ、1人は廊下側の前…というように)。しかし、座席を離していても問題は収まりません。授業中や給食時間中、彼らは我が物顔で会話を始めるのです。彼らの座席は距離が空いています。そのため、彼らは大声で会話をすることになります。
「◯◯さー。あの動画見た?」
「見た見た! あれうけるよなー、めっちゃ笑った! ギャハハ!」
「人の悪口」や「下ネタ」が様々な方向から飛び交い、授業中にも関わらず学級は彼らの声に支配されます。周りの子どもたちは時折嫌な顔をします。…しかし、注意することもありません。
「バカ笑い・叫び声・悪口・下ネタ」が毎日のように響いている。このような教室が落ち着くわけがありません。案の定、この教室はどんどん落ち着かないものになっていきました。この教室のように、荒れが多くの子どもたちにまで広がっている場合、立て直すのは非常に難しいものです。ここまで荒れが深刻化してしまうと、もはや個への対応や連携の強化だけでは太刀打ちできません。本書ではこのような「深刻化した荒れへの対応」をテーマに書き進めていきたいと思います。
児童生徒の問題行動は、年々増加の一途をたどり続けています。それに伴い精神疾患で 休職してしまう先生の数も増え続けています。
多様化する子どもたち、複雑化する問題、増えていく仕事、年々重くなる責任…
このような状況の中で先生たちは日々試行錯誤を重ねながら闘い続けています。このような先生たちの心を支えていくためには学校という場が「安心・安全の場所」になっていかなければなりません。しかし、現実にはどうでしょうか。
・一人の子を指導すると、周りが茶化して邪魔をする。
・注意をしても「あいつもやっていた」と反抗し、聞き入れようとしない。
・いろんな子が問題行動を起こし、どこから指導すればいいのかわからない。
もし、このような「個」への指導が無力化される状況に心当たりがあるならば、それは、荒れの「構造」へと目を向けるべきサインです。本書を通じて「荒れはどのように起きるのか」「荒れはどのようにつながっていくのか」「そのような荒れに対してどのように対応していけば良いのか」ということについて一緒に考えていきましょう。
学級全体が落ち着かなくなってしまい、どこから改善していけばいいのかがわからない。本書がそのような辛い状況を立て直すヒントになることを願っています。
/古田 直之
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明治図書- 実践された内容なので大変参考になりました。2026/10/1260代生徒指導担当
- 学級崩壊の立て直しの方法を具体的に学ぶことができました。2026/10/1040代・小学校教員















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