- まえがき
- 1 AI教育が必要な理由(know-why)
- 1 生成AIの登場とこれからの社会
- @生成AIの登場
- A生成AIは21世紀の産業革命
- BAI社会の幕開け
- C東大合格レベルの頭脳を持つ生成AI
- 2 教育業界における生成AIの影響〜生成AI対応の軌跡
- @生成AIで浮上した3つの課題
- A生成AIを利用したかは見抜けない
- B生成AI対応の軌跡:教育業界の対応を振り返る
- 3 AI教育が子どもたちに必要な理由〜AI格差に陥らないために
- @新しい格差の登場
- AAI失業の正体
- BAIは子どもの味方
- 4 AI教育の幕開け
- @文部科学省の生成AIガイドライン
- A先進校で始まるAI教育
- B学校におけるAI人材育成の重要性
- 2 生成AIの導入方法(know-how)
- 1 押さえておきたい生成AIの基礎知識とリテラシー
- @生成AIの仕組み
- A生成AIの弱点
- Bファクトチェックの重要性
- Cプライバシー保護とセキュリティ対策
- D生成物の著作権問題
- E生成AIサービスの年齢制限
- 2 生成AIを効果的に使う方法
- @プロンプト作成の3つのコツ
- Aおすすめの定型文:深津式プロンプト
- 3 学校教育におすすめの生成AIサービス
- @主要な生成AIサービスの紹介
- A生成AIサービスの比較と選び方
- B小学校での活用と教育向け生成AIサービス
- 4 ChatGPTの導入方法
- @ChatGPTのプランと運用方式
- Aアカウント作成方法
- Bオプトアウト設定
- CChatGPTの使い方
- D有料版へのアップグレード方法
- 5 Geminiの導入方法
- @Geminiを使用するための手順(Google Workspace)
- AGeminiの使い方
- B有料版へのアップグレード方法
- 3 AI教育導入のロードマップ(know-where)
- 1 AI教育導入の勘所〜AI教育の4ステージ
- @AI教育とICT教育の共通点
- AAI教育の4ステージ
- 2 生成AI導入のロードマップとポイント
- @生成AI導入のロードマップ
- A導入成功のための重要ポイント
- 3 AI教育の目指すべきゴール
- @AI教育のゴールイメージ
- A学校段階別のAI教育の目標
- BAI教育で学力は向上する
- 4 AI教育の活用事例・授業案紹介(know-how)
- 1 ステージ1 先生が校務で活用する段階
- @ステージ1(校務活用)の勘所
- A校務活用の事例紹介
- B応用ツール:カスタム生成AIとNotebook LM
- 2 ステージ2 先生が授業で活用する段階
- @ステージ2(授業での教師活用)の勘所
- A活用事例
- 3 ステージ3 生徒が授業で活用する段階
- @ステージ3(授業での生徒活用)の勘所
- AAIリテラシー教育のモデル授業
- B活用事例
- 4 ステージ4 生徒が普段使いする段階
- @ステージ4(日常での生徒活用)の勘所
- A探究学習での活用事例
- B活用事例
- おわりに 未来の教育に向けて(know-where)
- 子どもたちの一生涯の幸せのために
- @AIはメガネである:才能を伸ばすAI教育
- A教育観をアップデートしよう
- Bやってみようのマインドセットと審美眼
- C子どもたちのつながりを育む学校教育
- 参考文献
まえがき
教育関係者の皆様,小学校・中学校・高校の先生方,はじめまして。教育・ICTコンサルタントの福原です。本書『教師のためのAI教育入門』を手に取っていただき,誠にありがとうございます。
ChatGPTが世界を驚かせてから早くも2年半が経過しました。この間,生成AIは驚異的な速さで進化し,私たちの生活や仕事のあり方を根本から変えつつあります。文部科学省の生成AIパイロット校をはじめとする先進的な学校では,すでに教師と生徒の双方が生成AIを積極的に活用する新しい学びの形が展開されています。
一方で,多くの教育現場ではまだ手探りの状態が続いています。「生成AIをどう教育に取り入れれば良いのか」「子どもたちにどう教えるべきか」「学校としてどのように対応すべきか」――こうした問いに確信を持って答えられる教育者はまだ少数派でしょう。
2025年にはiPhoneやiPadにも生成AIが標準搭載される予定であり,子どもたちの生活環境においても生成AIの存在感は急速に高まっていくでしょう。AIリテラシー教育の整備は待ったなしの課題です。同時に,生成AIを効果的に活用できる学校とそうでない学校の間に生じる「学校間AI格差」も,看過できない問題となっています。
本書は,こうした課題に直面する教育者の皆様のガイドとなるべく,生成AIを一度も扱ったことがない先生でも理解できるよう,3つの視点から体系的にAI教育を解説しています。
「なぜAI教育が必要なのか」(know-why)
生成AIの基礎知識とその社会的影響,教育における課題から,子どもたちが将来直面する可能性の高いAI格差の問題までを解説します。子どもたちの未来を見据えた教育的視点から,生成AIを学ぶことの本質的な意義を考察します。
「どのようにAI教育を始めれば良いのか」(know-how)
AI教育導入の具体的なロードマップと,段階的な活用事例を体系的に紹介します。特に主流となっているChatGPTとGoogle Geminiの2つの生成AIサービスについては,学校環境での導入手順を写真付きで丁寧に解説します。急速に変化する生成AI技術に対応するため,最新情報は専用サポートページで継続的に提供していきます。
「AI教育はどこを目指すのか」(know-where)
AI教育を導入する際の発展段階として4つのステージを提案します。「教師が校務で生成AIを活用するステージ」から始まり,「教師が授業で生成AIを活用するステージ」「生徒が授業中に生成AIを活用するステージ」を経て,最終的には「生徒が日常的に生成AIを活用するステージ」へと進みます。各ステージの特徴と実践のポイントを明確にし,最終的には「子どもの才能を伸ばすAI活用」というAI教育のゴールを提案します。
私は教育現場の支援に携わる中で,多くの先生方が生成AIに対して「不安と期待」の入り混じった複雑な感情を抱いていることを実感してきました。新しい技術への不安は当然のことです。しかし,適切な知識と導入方法を身につければ,生成AIは教師の生産性を高め,子どもたちの可能性を広げる強力なパートナーとなります。
本書が,AI教育に挑戦する先生方の羅針盤となり,子どもたちの未来を明るく照らすことを心より願っています。
/福原 将之
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- 明治図書