- はじめに
- 第1章 若い先生が「しんどい」と感じる4つの理由
- 01 期待していたこととのギャップが大きい
- 02 余白がないと感じる業務量
- 03 経験・スキルが発展途上な中でのクレーム対応
- 04 価値観が定まらない中での職員室でのコミュニケーション
- 第2章 先輩に必要な5つの共感スタンス
- 01 「励まし」や「共感」が絶対の正解ではない
- 02 自分がどの位置にいて、後輩はどの位置にいるのかを俯瞰する
- 03 自分の今いる位置から階段をおりる
- 04 「その人が言ってほしいこと」と「自分が伝えたいこと」を満たす
- 05 自分自身の心がしんどいときはまず自分
- 特別対談@ とにかく、「その人」にあったコミュニケーション【ゆきこ先生×木村彰宏】
- 第3章 若い先生の心を軽くする先輩のことば32
- 不安・悩みに寄り添う
- 01 はじめての担任を前に緊張している先生へ
- 02 わからないことがわからない先生へ
- 03 クラスが落ち着かなくなっている先生へ
- 04 子どもへの対応がうまくいかない先生へ
- 05 保護者対応がうまくいかずに悩んでいる先生へ
- 06 学年の先生とうまくいかなくて悩んでいる先生へ
- 07 はじめての学年全体指導に緊張している先生へ
- 08 なかなか職員室になじめないでいる先生へ
- 09 配慮してほしいことを管理職になかなか言えない先生へ
- 現状をただただ認める
- 10 毎日遅くまで残っている先生へ
- 11 最近休みがちな先生へ
- 12 マイナスな発言が止まらない先生へ
- 13 しんどくて学校に来られなくなった先生へ
- 励ますときも認め続ける
- 14 先輩からキツい言葉を言われた先生へ
- 15 子どもからキツい言葉を言われた先生へ
- 16 保護者からキツい言葉を言われた先生へ
- 17 仕事でミスをしてしまった先生へ
- 18 落ち込んで泣いている先生へ
- 経験を伝える
- 19 いつも仕事が締め切りまでに終わらない先生へ
- 20 結婚・妊娠するタイミングを迷っている先生へ
- 21 授業準備が間に合わない先生へ
- 22 陰口を言われている先生へ
- 23 退職するか迷っている先生へ
- 24 無理に切り替えなきゃと考えている先生へ
- 伝えづらいことを伝える
- 25 アドバイスが必要だなと思う先生へ
- 26 ちょっと気になる指導のある先生へ
- 27 期待している先生へ
- 28 自分の意見を押し通そうとする先生へ
- 29 学年で一緒にやらず個人でやろうとする先生へ
- 30 相談をせずにすべて自分でやろうとする先生へ
- 31 後輩に強い言葉を使う先生へ
- 32 どう頑張っても共感できない!先生へ
- 特別対談A 相手も、自分も大切にして呪いの連鎖を断ち切る【ゆきこ先生×木村彰宏】
- おわりに
はじめに
「しんどい先生」が職員室にいるあなたへ。
きっとこの本を手にとってくださっているということは、「しんどい先生がいるのだけど、どうにかしたい」と思っているということだと思います。誰かの顔を思い浮かべながら、読み始めている方もいらっしゃるかもしれません。そんな、「しんどい先生」が職員室にいるあなたへ読んでほしい一冊です。
私は、「しんどい思いをしている先生たちの心が少しでも軽くなってほしい。本当は、リアルな職員室の場で相談ができるような空間や人間関係があると素敵だな、嬉しいな、と思う。でも、なかなか言えない状況の先生たちもいる。だから、少し関係性の遠いSNSだったら相談がしやすいかも…」と思って、Instagramを始めました。
学校がしんどい先生たちから、毎日毎日、多いときは1日100件以上の相談がきます。それだけしんどい状況が、学校現場にはあるんですよね。とってもわかります。ああ、しんどい中で先生たちはもうすでに頑張っている…!
だんだんと活動も浸透し始めたInstagram発信3年目の今、少し変化がありました。
「しんどい思いをしている先生が職員室にいます。どうやって声をかけたらよいでしょうか」
「しんどいのはわかるけど、もう少し頑張ってよ…と正直思ってしまうような後輩がいます。そんな後輩への接し方に困っています」
段々と「後輩やしんどい思いをしている先生への関わり方に困っている先生」からの相談も増えてきたのです。
ああ、嬉しい。
素直に思いました。リアルな職員室でそういう雰囲気ができたらいいなと思いながら始めた発信だったので、リアルな場で実践してみようと思い、そして相談してくださることが、本当に嬉しかったです。
だから、数えきれないくらい相談に乗り続けた中で感じた「しんどくなっていく原因」をお伝えした上で、「どうやって寄り添っていくか、共感していくか」を、具体的な事例に沿ってお伝えできればと思います。SNS上ではもちろんのことですが、実際の学校現場で私がコミュニケーションをとる中でも大切にしていることです。そして実際にそのように関わることでしんどい思いをしている後輩にも、しっかり寄り添うことができました。
これが答えでは決してありません。でも、選択肢のひとつとして頭の片隅に置いてもらえたら嬉しいです。
「うわあもう、めちゃくちゃしんどそうだなあ…でも声のかけ方によっては、余計に傷つけてしまうんじゃないか…」
「これはさすがに指導が必要だけど、ハッキリ言ったら必要以上に落ち込ませてしまうかも…」
「いやあ…目に余る。何を言っても伝わらなさそうな感じも目に余る。こりゃどうしたものか…」
先輩だからこその悩みが、職員室にはきっとあると思います。何か関わり方のヒントになったら嬉しいです。
また今回は、小学校教員をされながらプロコーチとして活動をされている木村彰宏先生(以下あっきー)と、「若い先生たちと関わるときにもっておきたい前提」「相互に尊重し合うコミュニケーションの大切さ」等をテーマに対談しました。
あっきーは軸足を「教育」におきながらも、民間企業の人事を担当したり、ベンチャー企業で働いたりと、「教育現場ではない世界」の大人とたくさんコミュニケーションをとられてきたご経験があります。「学校現場のしんどいって、特有なのだろうか?それとも意外とよくあることなのかな?」なんてことも聞けたら嬉しいなと思っています。
そしてプロコーチとしても活動されているので、「一対一での丁寧な関わり方って一体なんなんだろうか」「風通しのよい人間関係ってなんだろうね?」「そのためにひとりの先輩ができることって、あるのかな」といったことも聞いてみました。
「これに自分は困っているんだよ〜!」というところからピンポイントに読んでいただいて大丈夫です。困ったなあ…どうしようかなあ…という状況に出合ったときに引っ張り出してきていただいても嬉しいです。「そもそもどういうところにしんどさを感じているのだろう…」を知りたい場合は、じっくり最初から読んでいただけたらよいかなと思います。
2024年3月 /渡邊 友紀子
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- 明治図書
- ゆきこ先生のあたたかさがジーンと伝わってくる本でした。若い先生方への接し方のマインドを学べました。2024/7/2先生の本棚
- ファンなので買いました2024/4/2820代・小学校教員