- まえがき
- Chapter1 「学級づくり」の思考転換
- 01 良い学級」をつくれるようにならないといけない
- → 「良い学級」をつくることがゴールではない
- 02 出たとこ勝負で乗り切らなければならない
- → 大まかな年間計画を立てればいい
- 03 とにかく褒めなければならない
- → タイミングを見て褒めればいい
- 04 厳しく叱らないとクラスがまとまらない
- → 「叱る」だけでクラスをまとめようとしなくていい
- 05 理解するまで繰り返し指導しなければならない
- → 指導の意味づけを伝えることの方が大事
- 06 学校行事では、クラスの雰囲気を絶対に崩してはいけない
- → 学校行事で崩すもあり、整えるもあり
- 07 トラブルは起こらないようにしなければならない
- → トラブルは必ず起こるもの、むしろチャンス
- 08 常に自分が教室にいなければならない
- → 自習が成り立つクラスを目指せばいい
- 09 トラブルはその場で全て解決しなければならない
- → 全体を動かすことが最優先
- 10 クラスの中に困る子がいて大変
- → そもそも「困る子」ではなく「困っている子」
- 11 問題行動は予測しようがない
- → 問題行動につながる予兆はある
- 12 教室掲示はとにかくたくさんした方がいい
- → 学びが見えるものだけ掲示すればいい
- 13 支援が必要な子に、多くの時間をかけなければならない
- → 学級全体の80%を引き上げる全体指導をすれば良い
- 14 とにかくスキルを身につけることが大切
- → 子どもを見取る感性が大切
- Chapter2 「授業づくり」の思考転換
- 15 指導書通りの授業は良くない
- → 指導書の流れをまずやってみるのはいい
- 16 上手い授業をしなければならない
- → 下手でも熱意のある授業をすることが大事
- 17 とにかく「教えっぱなし」の授業はよくない
- → 徐々に「教えっぱなし」から変えていけばいい
- 18 とにかく時間をかけて丁寧に進めなければならない
- → 間延びしない、テンポ感が大事
- 19 本時の内容は絶対に一時間で終わらせなければならない
- → 子どもの反応によっては、次回に回してもいい
- 20 授業を盛り上げるために、小道具がたくさん必要
- → 小道具だけで授業力が上がるわけではない
- 21 教材研究は、とにかく色んな情報を集めなければならない
- → まずは教科書をしっかりと理解することから始めればいい
- 22 板書は見た目が大事
- → 板書は子どもの思考を整理するもの
- 23 想定外の発言に乗っかると、授業が進まず良くない
- → あえて乗っかってみる勇気も大切
- 24 全体指導では、誰一人取りこぼしてはならない
- → 個別指導で対応できると割り切れば良い
- 25 とにかくグループ活動やペアワークを入れなければならない
- → タイミングを見極めて話し合わせたらいい
- 26 ICTを必ず取り入れた授業をしなければならない
- → まずは効率化が図れるものを取り入れたらいい
- Chapter3 「職場の立ち振る舞い」の思考転換
- 27 会社員ではないから、ビジネスマナーは特にいらない
- → ビジネスマナーが自分をラクにしてくれる
- 28 学校のやり方や方針は悪い、変えなければならない
- → これまでの学校の歩みを知り、管理職と対話することが大切
- 29 色んな先生のアドバイスを聞き入れなければならない
- → どの先生から特に学びたいのかを決めればいい
- 30 自分の業務だけに集中していればいい
- → 色んな業務が連動して学校が動いていることを知るべき
- 31 担任として自分のやり方を貫かなければならない
- → 周りと揃えるところは揃えればいい
- 32 雑談の時間を惜しんで業務を進めなければならない
- → 雑談から得られるヒントも数多くある
- 33 言葉でしっかりまとめて相談しなければならない
- → 授業や指導をリアルで見てもらって相談すればいい
- Chapter4 「働き方」の思考転換
- 34 残業時間が長くて当たり前
- → 早く退勤ができる働き方も目指せる
- 35 社会人なのだから全部自分で解決するべき
- → 分からないことはどんどん尋ねて頼るべき
- 36 明日のタスクは、明日になってから決める
- → 前日に、翌日のタスクは最低限決めておく
- 37 資料はファイルに入れて残しておく
- → 資料はデータベースで残しておく
- 38 休日も仕事をすれば、平日に困らない
- → プライベートを大切にすれば、仕事に還元される
- 39 休むと迷惑がかかる
- → 休みを取ることも時には必要
- 40 多少のストレスはみんな我慢しているから仕方ない
- → 定期的にストレスを解消できる場は必要
- 41 保護者対応に時間をかけすぎないほうがいい
- → こまめに電話で伝えて信頼関係を築いておくのがいい
- Chapter5 「研修・研究」の思考転換
- 42 とにかくたくさんの研修会に参加するべき
- → たった一つでも、深く学ぶことから始めたらいい
- 43 研究授業は成功させなければならない
- → 研究授業に失敗は存在しない
- 44 初任者研修は適当に流しておけば大丈夫
- → 初任者研修は同期とのつながりづくり
- 45 校内の研究内容が自分に合わなくて、面倒くさい
- → どんな研究内容でも、必ず自分に活かせる場はある
- Chapter6 「生き方・人生設計」の思考転換
- 46 教師としてのスキルアップだけを考えていけばいい
- → 人間性を磨くことにも力を入れるべき
- 47 教師仲間だけを増やしていけばいい
- → 教師以外との人脈を広げることも大切
- 48 1年目で失敗したら、今後の教師人生にとってマイナスになる
- → 今しかできない失敗があり、それは今後プラスになる
- 49 子どものために」と考え続けるべき
- → 「自分のために」という考えが「子どものため」にもなる
- 50 情報集めは、とにかく教育書でいい
- → 色んな分野の本やネット情報から学ぶ方がいい
- あとがき
まえがき
「教師という仕事は○○」
皆さんは、○○の中にどのような言葉を入れるとしっくり来ますか。「面白い」「素敵」というプラスの言葉もあれば、「大変」「しんどい」などマイナスの言葉を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。教師1年目となると、不安が大きく募っている方も多いと思います。本書を通して、教師になったばかりの皆さんが、少しでもプラスのイメージを持てるようになってほしいと思ったのが、本書を執筆するきっかけになりました。
そもそも、本書を読もうと思ってくださっているということは、皆さんがそれだけ熱意を持っている方であることは間違いないと思います。適当でいいやと思っている人は、そもそも教育書を熱心に読むことなんてしないと感じているからです。
一方で、「超ラク」という本書のタイトルを見ると、「苦労しなくて良い」と受け取る方がおられるかもしれませんので、ここで少し説明しておきます。教師の仕事において、苦労をしない道はないと思っています。誰もが、とても苦労をしながら今に至っているはずです。本書も決して、安易な考えをもとにした思考転換をお伝えしたいわけではありません。
しかし、1年目にやっておくことで自分の中で負担が軽くなったり、今後の自分にとってプラスになったりする思考転換はあると考えています。それらを通して皆さんが少しでもラクになってくだされば、こんなに嬉しいことはないです。
思考転換をする中で、大切なのは、「考え方や見方を少し変えてみる」ことです。同じことをするにしても、考え方を少し変えることによって、大きな成果を生み出すことも可能になるのです。本書の内容は、そうしたことをねらいとしています。WBCの決勝戦前のミーティングで、大谷翔平選手は「(アメリカの選手を)憧れるのをやめましょう」と言いました。この言葉はまさに、日本選手の考え方を変えるきっかけになったと感じていますし、それによって相手に思い切って挑む姿勢が生まれ、優勝という結果に結びついたのではないかと考えています。自分の中で当たり前になっていることが変わっていくというのは、とても大きな一歩になるはずです。1年目の先生のみならず、若い先生たちが、自分の中にすでに存在しているマインドと照らし合わせながら本書を読んでいただけると幸いです。
二〇二四年一月 /山田 航大
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- 明治図書
- 1年目教員はもちろん、色んな年代の方々が読んで自分を見つめ直すきっかけになると感じました。とにかくオススメです!2024/3/330代・小学校教員