- はじめに
- 1章 みんなを大事にできるマインドセット
- 定時退勤の目的を考えよう
- 立派な先生より幸せな先生になろう
- 職場や学年の仕事は率先してしよう
- 得意で支え合うマインドセットを持とう
- 客観的な視点を持とう
- 人生を長期的に見つめてみよう
- 2章 定時退勤できる先生の「スケジュール」の仕組み
- ピンチはチャンスと捉える
- 手帳を使って自分のスケジュールを管理する
- 自分専用のファイルで仕事を整理する
- 情報は1冊のノートにまとめる
- 見通すことで自分を救う
- 1週間の仕事の仕方を決める
- 朝のタイムスケジュールを組み直す
- 帰宅までのタイムスケジュールを組み直す
- 昼休みから放課後までの流れを仕組み化する
- 3章 定時退勤できる先生の「授業とその準備」の仕組み
- 指導書をフル活用する
- 教材研究も学年で分担する
- 時間割の考え方と組み方を工夫する
- 教科ごとに1時間の流れをパターン化する
- 授業中の緩急やリズムを大事にする
- いいことだらけ! 授業時間は必ず守る
- 引き出しを増やすために、本やセミナーを活用する
- 4章 定時退勤できる先生の「成績処理」の仕組み
- 見通しを何よりも大事にする
- 逆算して、テストを組み込む
- 授業はどんどん進める
- 授業内に評価を終わらせる
- テスト採点は、テストの時間内に終わらせる
- 日頃から評価材料をストックする
- 成績や要録は長期休みに手をつける
- 5章 定時退勤できる先生の「学級経営」の仕組み
- 大事にしたいものを明確にする
- これからの時代に必須! 特別支援教育の観点を持つ
- 担任が不在でも回る学級システムをつくる
- 一人一役の学級システムをつくる
- ユニバーサルデザインの観点から教室環境を整える
- ユニバーサルデザインの観点から言語環境を整える
- 6章 定時退勤できる先生は身の回りや心身を整えることが上手
- 物より時間を優先するマインドセットを大事にしよう
- 自分の予定も大事にしよう
- サービスや神家電に頼ろう
- 職員室も教室も、とにかく物を減らそう
- パソコンのデータやデスクトップを整理しよう
- 一人でしない! 家事も育児もチームでしよう
- 自分の健康に投資をしよう
- 何歳からでも、夢や目標にチャレンジしよう
はじめに
定時で帰るなんてわがままですか?
気づけばもうこんな時間…今日も仕事が終わらない。子どもを迎えに行く時間ギリギリに職員室を飛び出す。明日の授業準備、保護者対応、委員会資料…。まだやることが終わらない。
「未来ある子どもたちとの時間を大切にしたい」
そう思って先生になったのに、気づけば一番身近で大切な我が子や家庭を後回しにして、大事にできていない自分がいる。
これは、かつての私の姿です。小学校の現場で働く多くの先生、とくに子育て中のママ先生たちは、毎日遅くまで残業し、家庭との両立に苦しんでいます。
「本当は子どもとゆっくり夕飯を食べたい」
「寝かしつけの時間に間に合いたい」
そんな願いさえ、あきらめかけている現実があります。
小学校の先生は、やることが山ほどあります。教育現場には「時間がいくらあっても足りない」という空気があります。授業準備、行事、保護者対応、職員会議、記録。
ママ先生は、仕事だけでなく家庭の役割も背負っているため、どこかで「自分を犠牲にする」のが当たり前になっていることも多いのです。
そして、ママ先生に限らず、真面目で一生懸命な先生であればあるほど、職場と家庭のどちらにも「ちゃんとしなきゃ」が重なって、時間にも心にも余裕がなくなっていきます。
真面目な先生ほど、「頼られるのがうれしい」「手を抜いちゃいけない」と思って頑張ります。
でも、その頑張りが限界を超えたとき、体も心も壊れてしまいます。
「先生を続けたいけど、この働き方はムリ…」
そう感じている先生は、実はとても多いのです。
私自身も育児と仕事の板挟みに悩んだ末に、ある日ふと思いました。
「定時で帰ることを前提にすれば、何か変わるかも」
そこから少しずつ、仕事のやり方、時間の使い方、人との関わり方、自分との関わり方を見直していきました。どんどん大事なことが見てきたのです。
すると驚くほど、心も時間も軽くなり、17時台に退勤できるようになりました。
この本では、そんな私のリアルな試行錯誤と体験をもとに、「定時で帰れる働き方の仕組み化」について、具体的にお伝えしていきます。定時退勤は「特別な人」だけのものではありません。
定時退勤は「仕組み」と「考え方の転換」でつくれます。
家庭も大事にしながら、先生として笑顔で働きつづける――
そんな未来を、この本を通して一緒に描いていけたら幸いです。
今しかない子どもとの時間、自分の時間を取り戻しませんか?
今を幸せに生きること。
自分を大切にすること。
これらが、幸せな未来につながっていくと私は信じています。
この本を読み終えたころには、きっと「定時に帰るのが特別なことじゃない」と感じられるようになるはずです。
この本をきっかけに、笑顔で働く先生が一人でも増えることを願います。
2025年5月 /わかな先生
-
- 明治図書