- はじめに
- 第1章 クラスを安心できる場にするための心理術
- 1節 子どもとの信頼関係を築く
- マズローの欲求段階説
- 子どものニーズに応じたかかわりの質と量を考えよう!
- 返報性の法則
- まずは「与える」ことで子どもとの関係をよくしよう!
- ピグマリオン効果
- 信じる力で子どもの可能性を広げよう!
- 自己開示
- 先生の失敗談で子どもに勇気を与えよう!
- 2節 安心できる教室環境をつくる
- 愛着理論
- 子どもの安心感の違いを理解し、一人ひとりに寄り添おう!
- 傾聴
- 互いの心を開く、聴く力を育てよう!
- 権威の法則
- 安心と信頼を生む、権威の使い方を考えよう!
- 3節 互いを認め合う関係を育む
- ジョハリの窓
- 30秒の雑談でクラスの絆を深めよう!
- 自己知覚理論
- 「ありがとう」の5文字で心をつなごう!
- ウィンザー効果
- 子どもの心に響く、第三者の言葉を活用しよう!
- 第2章 子どもの可能性を引き出すための心理術
- 1節 子どもの強みを見つけて伸ばす
- リフレーミング
- 捉え方を変えて強みを見つけよう!
- VIA
- クラス全員で互いの強みを発見しよう!
- 拡張・形成理論
- ほめ合い・認め合いで可能性を開こう!
- 2節 子どものやる気を引き出す言葉を使う
- 勇気づけ
- 元気になる言葉で子どもの心を動かそう!
- 成長マインドセット
- あこがれの力で子どもの未来を切り開こう!
- 即時フィードバック
- その場ですぐに気づきの言葉を届けよう!
- 3節 挑戦と成功の積み重ねで自信を育む
- 自己効力感
- 他者の成功を活用しよう!
- 自己成就予言
- 「成功する」と思わせることで成功に近づけよう!
- スモールステップ
- 小さな成功の積み重ねで自信を育てよう!
- 第3章 集団の力を引き出すための心理術
- 1節 グループ活動の成功を導く
- チームビルディング
- グループをチームにして、メンバーの力を引き出そう!
- 協同学習の5原則
- 「共同」「協同」「協働」の違いを理解しよう!
- 集団の5要素
- 「群れ」「集団」「組織」の違いを理解しよう!
- 2節 みんなが意見を言える環境をつくる
- クラス会議
- 全員参加の話し合いを実現しよう!
- 構成的グループエンカウンター
- クラスのまとまりは隣の席から始めよう!
- ゲーミフィケーション
- ゲームの力を活用しよう!
- 3節 多様性を尊重する文化を育てる
- 接触仮説理論
- 顔を合わせる機会の積み重ねで相互尊重を育もう!
- 単純接触効果
- 興味関心を伝え合い、クラスの多様性を広げよう!
- 第4章 わかりやすい授業のための心理術
- 1節 効果的に教える方法を身につける
- ガニェの9教授事象
- 授業の質を高める「型」を活用しよう!
- ツァイガルニク効果
- 子どもを惹きつける授業の工夫をしよう!
- 適性処遇交互作用
- 多様な学び方に対応しよう!
- 2節 子どもの主体的な学びを引き出す
- 発達の最近接領域
- 「ちょっと難しい課題」で成長を促そう!
- マルチプルインテリジェンス理論
- 子どもたちの多様な能力を引き出そう!
- コーチング
- 問いかけを生かして子ども主体の学びを実現しよう!
- 3節 非認知能力を育てる授業づくり
- SEL
- 遊びの中に学びの種を見つけよう!
- 親和欲求
- 子どもの主体性を引き出すアプローチを理解しよう!
- モデリング
- 仲間と協力しながら互いの学び方を学ばせよう!
- 第5章 トラブルや対立を解決するための心理術
- 1節 問題行動の背景を理解する
- ABC理論
- イライラの正体を見抜き、心の仕組みを理解しよう!
- アンガーマネジメント
- 怒りの奥にある本当の感情を見つけよう!
- 2節 トラブルを未然に防ぐ
- 外在化
- 「痛いの痛いの飛んでいけ〜」で心理的な癒やしをもたらそう!
- タイムアウト
- トラブルを防ぐために「間」をうまく使おう!
- 自己決定理論
- 叱って終わらず、期待を伝えてフォローしよう!
- 3節 対立をプラスの経験に変える
- 非暴力的コミュニケーション
- 共通の目標をもたせて対立をなくそう!
- 論理的帰結
- 子どもに選ぶべき未来を考えさせよう!
- 二重関心モデル
- 対立のパターンを理解し、Win-Winを目指そう!
- 第6章 教師として成長するための心理術
- 1節 ストレスを管理し、心の健康を守る
- シャンパンタワーの法則
- クラスに幸せをもたらすために健康でいよう!
- 認知バイアス
- 「よかれと思って」の思い込みに気づこう!
- 2節 対人関係での負担を軽減する
- 2:6:2の法則
- 「嫌われる勇気」も時には必要だと理解しよう!
- アサーション
- 遠慮せず、でも攻撃的にならず、自分の気持ちを伝えよう!
- 3節 自己成長を促し、前向きに働く
- レジリエンス
- 最悪の出来事も人生の転機に変えよう!
- 省察的実践
- 振り返りと「ありがとう」の積み重ねで成長しよう!
- 引用・参考文献
はじめに
教師になりたてのころ、私は本当に何もかもがうまくいかない教師でした。
どんなに子どもたちのためを思って授業準備をしても、空回りばかり。子どもたちの心に響かず、クラスづくりもうまくいかない日々が続きました。大学で学んだ教育学の知識はあるはずなのに、実際の教室ではまったく生かすことができず、自分には教師は向かないと思いながらも、なんとか続けていました。
教師4年目のある日、1人の子どもから痛烈な言葉を投げかけられました。
「先生には、私の気持ちは絶対わからない!」
この言葉が私の心に深く刺さりました。子どもたちのことを理解したいと思っているのに、なぜ理解できないのか。そんな思いから、私は心理学を本格的に学び始めました。人の心を理解したい、子どもたちの内面を深く知りたいという思いが原動力でした。
心理学を学ぶうちに、驚くべきことが起こりました。大学で学んだ教育学の理論が、心理学の裏づけを得ることで、まるで生きた知識として蘇ったのです。なぜその教育方法が効果的なのか、子どもがどのような心理状態にあるときに学びが深まるのか――理論と実践が見事に結びつき、教室での出来事一つひとつに意味が見えてくるようになりました。
さらに重要だったのは、心理学の理論を教育現場の実情に合わせてより実践的な形に変換することの大切さでした。つまり、心理学の理論を教室で使える「心理術」として活用することが、真の教育実践につながるということです。
現在、私は大学の教員として教員養成に携わっています。教育現場で悩む教師を1人でも減らしたい。そんな思いから、心理学の知見を活用した教員養成に力を注いでいます。
本書は、そんな私の体験から生まれた50の実践的な方法をまとめたものです。心理学の理論を現場に即した「心理術」として活用することで、あなたのクラスも、子どもたちとの関係も、そしてあなた自身の教師としての成長も、大きく変わることを心から願っています。
2026年1月 /熊谷 圭二郎
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明治図書

















