- はじめに
- 第1章 「みんなで定時退勤」のためのマインドセット
- なぜ「みんなで定時退勤」なのか
- 「みんなで定時退勤」のための三原則
- 結局、定時退勤ができるのは「○○のおかげ」
- 第2章 「みんなで定時退勤」の第一歩 相手を知り、チームを動かす
- 何はともあれ、自己紹介から始める
- お互いの教育観を共有し、理解する
- 相手のタイプを見極め、攻略法を考える
- 第3章 学年団の力を引き出す関係構築術
- 学年団のさらなる力を引き出すには?
- 雑談で人間関係を変える
- 教えてもらう側に回ることで、信頼関係を発展させる
- 第4章 仕事の効率をさらに上げる学年会運営
- 学年会の役割を理解する
- 「いつやるか」を決めるだけで無駄がなくなる
- 学年会の攻略ポイントを押さえる
- 第5章 長期休暇を制する学年団の働き方
- 長期休暇の攻略はその前から始まっている
- 長期休暇前に踏むべき4つのステップ
- 長期休暇中1回目の学年会 最大の目的は役割分担
- 長期休暇中2回目の学年会 ゆとりあるリスタートのために
- 第6章 学年団の大仕事=行事の攻略法
- 行事は学年団の仕事の大半を占める
- 校外学習の攻略法
- 運動会の攻略法
- 行事の活動は子ども主体で
- 第7章 学年団で取り組む教材研究と授業準備の効率化
- 残業が当たり前? 教材研究と授業準備
- 教材研究や授業準備を学年団で役割分担して行う
- 学年団でデジタルを活用して教材研究や授業準備の効率化を図る
- 第8章 学年全体で取り組む子どもの見守り、居場所づくり
- 担任1人でクラスを見ることの限界
- 学年での交流を積極的に行う
- 生徒指導案件こそ学年団で取り組む
- 学年での「居場所づくり」を行う
- 第9章 「みんなで定時退勤」のためのQ&A
- Q1 学年の先生全員が定時退勤に賛成ではないときの向き合い方は?
- Q2 若手vsベテラン、仕事量のバランスを取る方法は?
- Q3 役割分担を、周囲から「協力していない」と誤解されないためには?
- Q4 会議や打ち合わせが長引いたときは?
- Q5 学年で先生ごとにやり方が違う場合は、どう擦り合わせる?
- Q6 トラブルが起こった場合も定時退勤を優先していいの?
- Q7 定時退勤は本当に必要?
- Q8 学年で足並みをそろえるために、どんなルールを決めればいい?
- Q9 時短のツールやICTを導入しても、結局使いこなせないのでは?
- Q10 保護者から手を抜いていると思われない?
- Q11 「この仕事は本当に必要?」と精査する基準は?
- おわりに
はじめに
校内で業務改善に関する研修に参加したときのことです。働き方改革の一環として、外部の方に講師として来ていただきました。
その冒頭、こんな質問が投げかけられました。
「皆さん、毎日定時で帰れるようになったら、何がしたいですか?」
その問いに対し、参加者は思い思いに想像を膨らませていきました。
「ヨガやジムに通いたい」
「市街まで買い物に行きたい」
「プロ野球観戦をしたい」
「家族とゆっくり夜ご飯を食べたい」
だれかが答えるたびに、笑顔が広がり、あちこちで笑い声が上がりました。
「みんな、定時で帰りたいと思っているんだ」と僕は感じました。
この研修を通して、「定時で帰る自分」を想像したことで、「早く帰りたい」という思いが心の奥からわき出てきた人もいたかもしれません。
一方で、こんな声もありました。
「でも、結局はだれと組むか次第でしょ」
たしかに、担任や学年の組み合わせによって業務量に差が出たり、同じ価値観で動けるかどうかが左右したりすることも少なくありません。
実際、僕自身も「この人と組めてよかった」と思う年があれば、「今年はちょっと大変かも…」と感じる年もありました。
でも、だからこそ思うのです。
「だれと組んだとしても、早く帰れる仕組み」をつくることが、これからの学校には必要なのではないかと。
働き方は「運」で決まるものではなく、「仕組み」で変えられる。
この本では、そんな思いをもつ仲間たちとともに、実際に定時退勤を実現している工夫や考え方、そしてその背景にある「仕組みづくり」について紹介していきます。
「だれと組んでも、定時で帰れる学校にしたい」
そう願うすべての先生にとって、この本が小さなヒントになればうれしいです。
そして、先生たちが無理なく働ける環境が整うことが、結果的に子どもたちの笑顔や学びの質につながっていく。
僕は、そう信じています。
2025年5月 /こう
-
- 明治図書
- 全員で働き方改革を進めて、学年としてどう協力していったらいいかがわかった。2025/6/2330代・中学校管理職
- 今年度、私の学年団は3人。この本を読み終えた時にどうしても共有したくなったので、お二人にプレゼントしました!「同じ方向を向いて働く」ということを理解していても、なかなか細かいところまでは、すり合わせにくいもの。そんな時に必要なhow toを、手取り足取り教えてくれるのが本書。全員で読み進め、『教え、教えられができる学年団』を目指します。2025/6/1530代・現役小学校教員