「子どもに任せる」がうまくいかないあなたへ

「子どもに任せる」がうまくいかないあなたへ

教師がファシリテーターに徹するためにはどうすればよいか。

子どもの主体性を尊重し、教師はファシリテーターとなる教育が注目されています。しかしながら、子どもに任せる=放任のような状態になってしまうケースもあるようです。そこで、どのようにすればうまくいくのか、悩みに寄りそいながら、そのポイントを解説します。


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ISBN:
978-4-18-408835-1
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
小学校
仕様:
四六判 192頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年6月26日

目次

もくじの詳細表示

「子どもに任せる」がうまくいかなかった10年前の自分へ
第1章 「子どもに任せる」をじゃましているものは何か?
「任せる」をじゃましているもの
1 「教師は教えるもの」という固定観念
2 「ならぬものはならぬ」という意識
3 「教師が何もしないと子どもは悪くなる」という偏見
4 「教えてもらったからできた」と言われたい自己承認欲求
5 「社会はそんなに甘くないから」という押し付け
6 職場の周りの目
第2章 なぜ「子どもに任せる」とうまくいかないのか?
うまくいかない原因
1 放任になる
2 「なんでもよい」になる
3 注意するタイミングを逃す
4 崩れ出してから叱る
5 「教えてほしい」と言われる
第3章 「子どもに任せる」の三大原則
原則
1 よく見る
2 子どもから学ぶ
3 問いかける
第4章 「子どもに任せる」のポイント
「子どもに任せる」のポイント
1 口を出さずに目をかける
2 子どもが学ぶ時間を確保する
3 教科書以外の資料を活用する
4 ミニ先生に教えてもらう
5 子どもの考えを全体に紹介することに徹する
6 教えるべきことは教える
7 保護者に担任の考えを伝え続ける
8 家庭でも任せる子育てをしてもらう
9 教えたほうが楽であることを自覚する
10 子どもたちに将来どうなってほしいか考える
第5章 「子どもに任せる」がうまくいかない悩みとその対応策
学級経営 「自由でいいよ」と言ったら、問題多発……
学級経営 叱れなくて、子どもからなめられます……
学級経営 子どもの主体的な活動をたくさん取り入れていたら、長くなってしまいます……
学級経営 係活動を子どもに任せていたら、別のことをしている子が多くいました……
学級経営 給食準備が遅くてうるさいです。どうすれば……?
学級経営 子ども同士のトラブルがとまりません
授業 教科書の内容を詰め込まないと、テストができません
授業 学力を付けるためにはしっかり教えることが大切では?
授業 子どもに任せて、問いを探求する授業をしたいのですが、できません
授業 「子どもに任せる」授業をしたくても、教材研究する暇がなく、その場しのぎの授業になってしまいます
授業 テストだけで評価してしまいます
授業 従来型のチョーク&トークが抜けません
職場環境 学級で「子どもに任せる」授業ができていても、学年ではできません
職場環境 「ティーチャーは教える人だ」って人にどう接すればいいのですか?
まとめ ずばり教えてください。「子どもに任せる」よさってなんですか?
おわりに

「子どもに任せる」がうまくいかなかった10年前の自分へ

 1校目でたくさんやりたいことを自由にやってきたね。

 自分の武器は若さしかないからと思って、

 となりの先生がやらない実践ばかりしてきた。

 となりの先生より、よいクラスをつくりたかった。


 あなたは周りの先生たちに恵まれていたんだよ。

 見て見ぬふりをしてもらっていたのは気づいていたかな?

 となりの先生より、よいクラスをつくることにこだわることは、

 あなたも、子どもも、職場のみんなも幸せにしない。

 たくさんの人の支えてもらって、今がある。

 それを忘れずに、これからも挑戦してほしい。


 そんなあなたは、とにかく「ガキ大将みたいな先生」を目指してきたね。

 長縄大会があったら、特訓して学校1位を目指していたし、

 30人31脚にも挑戦してきた。

 逆上がりもバク転も、全員できるまで放課後まで練習していたこともあったね。

 熱血教師が素晴らしいと勘違いしていた時期もあったし、

 まだそうすることが子どもたちのためだって思っている頃かな。


 今の自分は、そういうことには全く熱くならなくなった。

 勝ち負けよりも大切なものがあるから。

 誰かの勝ちは、誰かの負けであるから。

 そして、

 全員が逆上がり、バク転、長縄、30人31脚を、

 できるようになりたいと思っているわけではないから。


 10年前のあなたは「クラスのみんな」が一緒に行動することを大切だと思っているね。

 でも、伝えられるなら伝えたい。

 「クラスのみんな」なんて人はいないってこと。

 一人ひとりは別の人であるってことを忘れちゃいけない。

 「そんなことはわかっているよ」

 って言われそうだけれど、全くわかっていないんだ。

 その天狗の鼻は、この先様々なことがあって折れていくのだけれど、

 今すぐ気づいたほうがいい。

 あなたが1人でできることは少ない。

 でも、職場の全員でできることは、たくさんあるってこと。


 そこで大事なことは、「揃える」ことではないんだ。

 みんながみんなの実践を語り合って、認められる場。

 今みたいに、こそこそやって、となりの先生より優れることじゃないんだ。


 今は、授業の勉強をたくさんしている時期だね。

 おもしろい授業を研究するために、たくさんの本を読んでいるね。

 夜遅くまで勉強していることは、素晴らしいと思う。


 でも、あなたがおもしろい授業をすればするほど、

 子どもたちが何も考えない「餌を待つ魚」になっていることに気づいていないね。


 確かに、子どもたちは楽しい顔をしているかもしれない。

 ただ、その中に、楽しくない顔をしていたり、

 楽しくないのに楽しそうな顔をしたりしている子がいることに気づいているかな?

 教師から見たら、よい授業でも、

 子どもたちにとって楽しい授業であるとは限らない。

 「教師が主役の授業」から、「子どもたちに任せる」授業について考える必要があるんだ。


   10年後のあなたより



 10年前の私は、がつがつ教え込む教師でした。6年生の担任が続いたときは、うちのクラスにいれば、受験合格実績が高いと言われたいと思いながら授業をしていました。

 受験と学校生活は全く違うのに……です。


 何か行事があれば、学校一番にこだわっていました。

 特に長縄大会は、朝練習から放課後練習までして、学校で一番になることにこだわっていました。

 スポーツで感じる「やれば結果がでる」ことを味わわせたかったからです。

 いや、「やったのに結果がでない」ことを恐れていただけかもしれません。

 今考えれば、「子どものため」と言いながら、すべて「教師のため」、いや、「自分のため」でした。反省しています。

 もう成人した教え子たちが、ときどき学校に来てくれます。また、連絡をくれます。

 その子たちは「学校が楽しかった」と話してくれます。

 でも、来てくれるのは、みんなできた子たちです。

 長縄が嫌だったと思う子、逆上がりが嫌だったと思う子、ひたすら居残りして九九を教えた子などは私の元を訪ねてきません。どうしているかもわかりません。

 私のような反省をしないためにも、これからは「子どもに任せる」授業や学級経営を行うべきです。そんな考えを伝え続けて、6、7年は経っているでしょうか。

 そんな私の姿を見て、よいと思って「子どもに任せる」授業や学級経営をしてくれる先生もいます。うれしい限りです。しかし、(間違った)「子どもに任せる」授業や学級経営をして、学級崩壊するクラスがあるのも事実だと感じています。私のもとに

 「庄子先生のようにやっているつもりだけれどうまくいかない」

 「結局うまくいかず、教師主導の授業をしている」

 「教師をやめようと思います」

と連絡が来ます。本当に悲しくなります。そして、反省します。


 「子どもに任せる」をしたいけれどできないすべての先生方に向けて、書かせていただきます。どこか一つでも参考になったらうれしいです。

著者紹介

庄子 寛之(しょうじ ひろゆき)著書を検索»

東京都公立小学校指導教諭。働き方や子育てを中心に全国各地で講演をしている。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 自分一人でなんでもかんでも指導するだけでは必ず頭打ちになるが、かといって一方的に生徒らに雑にまかせっきりな姿勢を見せると伸びるべきものも全く伸びなくなる。いわゆる放任主義的な形になってしまう。それを引き起こしてしまう要因とは何なのか。一考となる一冊。
      2024/4/3020代・中学校教員
    • 具体的でわかりやすい
      2023/9/1830代・小学校教員
    • 「子ども主体」とよく聞く言葉をどう具現化するか、アイデアをいただけました。
      2023/8/730代・小学校管理職
    • 主体的や主体性がさまざまな場面が重視されるなかで、うまく機能させるために大切なことや上手く行かない原因が紹介されていて参考になった。
      2023/5/2830代・中学校教員
    • 「子どもに任せる」ということがいかに不得意なのか,日々の仕事の中で感じて購入しました。たくさんの視点が書いてあり参考になりました。もっと子どもに任せることで良い教育につなげたいと考えています。
      2023/4/2350代・中学校教諭
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