- はじめに
- 第1章 メタ認知する力を育むための基礎知識
- 01 やる気にならない子どもたち 学習方法がわからない子どもたち
- 02 自身が経験していない先生たち どう指導したらよいか悩む先生たち
- 03 求められる学力観の変化
- 04 自ら学びをコントロールするプロセス
- 05 初歩の自己調整学習者から上達した自己調整学習者へ
- 06 学習者の行為主体性を高める自己調整学習
- 07 自己調整学習とメタ認知
- 08 メタ認知の高まり
- 第2章 メタ認知する力を育む教師・7つの役割
- 01 安心して学べる土台を整える
- 02 モデルを示し,段階的に発達を促す
- 03 意図的に立ち止まる「振り返り」の場を設定する
- 04 子どもたちの「思考の鏡」となる
- 05 「教える」存在から「学びを促す」「学びを支える」存在となる
- 06 学習方法を教え,「学び続ける力」を育む
- 07 子どもの自己効力感を高める
- 第3章 メタ認知する力を育む授業実践
- 01 振り返りの目的を子どもたちと考え共有する
- 02 よい振り返りについて考える
- 03 メタ認知スケールを活用する
- 04 理解度を表現する,子どもたちと規準をつくる
- 05 モデリング 〜仲間の振り返りから学ぶ〜
- 06 行動と結果の関係を見えるようにして次の学びの計画につなげる
- 07 学びの深まりピラミッドを作成する
- 08 合言葉「どおなつ」でメタ認知を促す
- 09 「ミスバチ」を活用して,成長のチャンスにする
- 10 テストの目的を意識し自分の課題を乗り越える方法を考える
- 11 仲間がテストを受ける様子をのぞき見する
- 12 テスト結果を今後の学びにつなげる
- 13 「単元末ノートまとめ」で学びを整理する
- 14 「ノート展覧会・ノート掲示」で学びを共有する
- 15 学びマップ 国語編 〜学びのプロセスを身につける〜
- 16 学びマップ 算数編 〜学びのプロセスを身につける〜
- 17 学びマップ 社会・理科編 〜学びのプロセスを身につける〜
- 18 「見る」ことで気づき「撮る」ことで伸びる
- 19 カルタで楽しく,深く,覚える
- 20 「チャット風やり取り」でポイントを整理する
- 21 「読む」より「思い出す」で記憶を強くする
- 22 「読解前ガイド」で知識をつなぐ
- 23 「タイトルづけ」で学びを深める
- 24 「視点取得」で見える世界を変える
- 第4章 学習方法を教え,メタ認知の扉を開け!
- 01 教訓帰納 〜学習方法を教える〜
- 02 仮想的教示 〜学習方法を教える〜
- 03 精緻化方略 〜学習方法を教える〜
- 04 体制化方略 〜学習方法を教える〜
- 05 問題づくり 〜学習方法を教える〜
- 06 学業的援助要請 〜学習方法を教える〜
- 07 二重符号化 〜学習方法を教える〜
- 08 検索練習 〜学習方法を教える〜
- 09 分散学習 〜学習方法を教える〜
- おわりに
- 参考・引用文献
はじめに
心地よい風が吹く4月末のある日,一人の若者が3年生の国語の授業を参観しています。子どもたちは「知りたい」「学びたい」という想いにあふれ,教師の一挙手一投足に目を輝かせています。教師も笑顔いっぱいで楽しそうに授業を進め,教室全体があたたかい雰囲気に包まれています。
しかし,教室後方にいる若者だけは顔が引きつり,愕然とした様子です。
ある日のある教室を,俯瞰して描きました。参観者は,20年前の初任者だった私です。当時,私は25名ほどの3年生を担任していました。大学で理論や授業づくりを学んだはずなのに,子どもたちを前にすると「どう指導したらいいのか?」「どう声をかければいいのか?」とわからないことばかり。担任がそんな状態だから,学級も落ち着かず,まだ4月末なのに困った雰囲気が漂っていました。
そんなある日,隣のベテランの先生の授業を見に行きました。そこで目にしたのが,冒頭の光景です。隣の学級なのに,あまりにも様子が違います。
その瞬間,私は「教師という仕事の責任の大きさ」「自分の力が子どもたちの成長を左右する」という事実に直面しました。そして決意しました。この先生のように,「子どもたちのやる気に火をつけ,可能性を伸ばせる教師」になろう,と。
教師の関わりで育つメタ認知
私たち教師が子どもたちと関われる時間は,担任している1年間。長くても数年です。この限られた時間が,子どもたちの「未来」につながっています。だからこそ,子どもたちが自分で選択し,コントロールできる力を育てることが大切です。
そのためには,自分や他者を客観的に理解し,考える力が欠かせません。こうした「自分の認知を一段上から捉える力」を,「メタ認知」と呼びます。簡単にいえば,「自分の考え方や学び方を振り返り,よりよくする力」です。
メタ認知は,子ども自身が行うものですが,教師の関わり方次第で育てることができます。例えば,振り返りの場を意図的に設定したり,価値づけたりすることで,子どもたちのメタ認知は高まります。
自己調整学習とメタ認知が教育のカギ
AIの発達や社会の複雑化が進む今,単なる知識(丸暗記)ではなく「自分で考え,学び続ける力」がますます重要になっています。文部科学省が示す次期学習指導要領の論点整理でも,この方向性は明確です。
そのため,教師が子どもたちの自己調整能力やメタ認知を育む指導を行うことは,これからの教育に欠かせません。
理論と実践をつなぐ一冊
本書は,私自身が「子どもたちの力になりたい」ともがきながら学び続けてきた経験をもとに,理論と実践の往還を意識してまとめたものです。
理論をできるだけわかりやすく説明し,「では,どうしたらいいの?」という実践のヒントを提示しています。紹介する実践は,失敗を重ねながらも,子どもたちの学びを広げ,深め,メタ認知につながったものを厳選しました。
この本を読むことで,下記のようなことが得られるはずです。
・自己調整能力やメタ認知を育てる視点や理論
・メタ認知する力を育む教師の役割
・授業で使える具体的な方法
・多様な学習方法についての理論と実践 など
少しでも,「子どもたちのやる気に火をつけ,可能性を伸ばす力」になれば倖いです。本書を手に取っていただき,ありがとうございます。
著者 /友田 真
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明治図書

















