- はじめに
- 第1章 「ほめる」で自走する組織に変わる!
- 1 「目標」と「組織」の見える化
- 2 理想の組織をつくるために
- 3 ほめるとは
- 4 「ほめるんだったらちゃんとほめて」
- 5 ほめずにほめる
- 6 叱る指導
- 7 怒る感情をコントロールする
- 8 フキハラ(不機嫌ハラスメント)
- 第2章 「ほめる」で働く仲間を元気にする!
- 1 職員ファースト
- 2 成功循環サイクル
- 3 強みを活かす
- 4 挨拶と対話でほめる
- 5 職員室にあふれさせたい言葉
- 6 職員は授業でほめる
- 7 教頭は具申させてほめる
- 8 校長は間接的にほめる
- 9 コーチングで対話する
- 10 「思い」を伝えるための工夫
- 11 「行動規範」で意識を揃える
- 12 ほめミニ研修でほめる
- 13 変わる職員
- 14 変わりたい職員
- 第3章 「ほめる」で子どもを元気にする!
- 1 ほめるとへこたれない大人に
- 2 ピグマリオン効果を信じる
- 3 リフレーミングで新たな価値を伝える
- 4 長所接近法
- 5 2―6―2の法則を活用して
- 6 自治的能力を育成する
- 7 明日も行きたくなる学校
- 8 写真と価値語でほめる
- 9 飛込授業で学級集団と担任をほめる
- 10 校長室でほめる
- 11 校長面談でほめる
- 12 全校集会は校長による授業の場
- 第4章 「ほめる」で保護者、地域を元気にする!
- 1 大人こそほめよう
- 2 学校をほめて認めてもらえる場に
- 3 来校者をほめる
- 4 より良い社会をつくるために
- 5 企業の方から学ぶ
- 6 本気のPTA
- 7 ほめ合うまちづくり
- 8 本気の保護者(大分 中津市PTA連合会の挑戦@)
- 9 保護者の本気(大分 中津市PTA連合会の挑戦A)
- おわりに
はじめに
数多くの教育書の中から、この本を手に取っていただきありがとうございます。
「ほめる」ことの良さは、今や教育の分野だけでなく、ビジネス書でも多く取り上げられており、多くの企業の人材育成にも活用されています。そのため、「ほめる」ことを学校経営に取り入れようとする管理職が増えているように思えます。しかし、
・管理職として職員や子どもをほめる場合、どのようなほめ方が効果的なのだろうか。
・ゆるい職員集団にならないだろうか。まとまりのない組織になるのが不安だ。
・子どもを甘やかしてしまい、ほめられないとやらない子どもにならないだろうか。
・保護者や地域は、生き抜くためには子どもを厳しく育ててほしいと言うけれど…。
このような不安もあると拝察いたします。
実は、これらの不安は「ほめる」ことが目的となっていることから生じることです。「ほめる」ことは、「叱る」と同じように一つの手段に過ぎず、あなたが本当に望んでいるのは、次のようなことではないでしょうか。
・子どもも職員も自分らしさを出し、生き生きとした学校生活を送ってほしい。
・一人一人の個性を認め合い支え合う集団となり、自走する組織となってほしい。
・地域や保護者も仲良くなって、みんなで子育てを支えてほしい。
そのような学校をつくるために、「ほめる」ことは有効な手段だと思いませんか。
私は、校長として「ほめる」ことを全面的に打ち出し、組織的に取り組んだことで、職員や子どもが劇的に成長したという事実から学びました。その後に勤務した、教育事務所においても、「ほめる、認める、感謝する」を行動指針として、指導主事と共に訪問する各学校の価値を発見し、それぞれの良さを認めながら助言を行うことで、良好な関係を築くことができました。
これらの経験から、学校や行政においても、「ほめる」ことは経営に欠かせないものだと確信し、立場が変わろうとも「ほめる覚悟」をもって取り組んでいます。
本書では、「ほめる」ことの目的や意義について整理することで、効果的なほめ方について解説し、また、「ほめる」ことで、職員、子ども、保護者や地域の方がどのように変容したか、具体的な事例を中心に紹介しています。
本書が、あなたの目指す学校組織、学校経営の一助となれば幸いです。
/山香 昭
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- 明治図書
- 子どもと一緒で、大人(職員)も褒めて育てないと行けないことを感じました。2023/9/1530代・特別支援学校学年主任