小学校国語科 考えの形成を促す文学の発問・交流モデル

小学校国語科 考えの形成を促す文学の発問・交流モデル

BEST300

発問・交流をワンランクアップし対話的な文学の授業をつくる!

「読むこと」の学習プロセスのゴールとして示された「考えの形成」。その考え方がわかる理論とともに深い学びを実現する教材の特性を生かした構造と内容の把握、精査・解釈、共有の工夫のポイントを授業の流れやルーブリックを含む評価や発問モデルとともに詳しく紹介。


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PDF
ISBN:
978-4-18-394810-6
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 120頁
状態:
在庫あり
出荷:
2020年11月30日
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目次

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 理論編 考えの形成を促す文学の授業づくり
1 読むことにおける「考えの形成」とは
2 文学の読みにおける「考えの形成」
3 「考えの形成」のための文学の精査・解釈
第2章 実践編 考えの形成を促す文学の発問・交流モデル
1 教材の特性と考えの形成
2 考えの形成に向かう読みの過程
1 構造と内容の把握の工夫
2 精査・解釈の工夫
3 共有の工夫
3 単元の計画
4 授業の流れ(精査・解釈の授業)
5 授業の流れ(考えの形成・共有の授業)
6 考えの形成の具体例と実践のポイント
7 評価のポイント(ルーブリック例)
第1学年「たぬきの糸車」(光村)1 すきなところを伝え合う
第1・2学年「スイミー」(東書,光村)2 物語のよさを考える
第2学年「お手紙」(光村)3 「上手な読み方」より「どう読みたいか」へ
第2学年「スーホの白い馬」(光村)4 読書生活の充実を目指して読む
第3学年「モチモチの木」(光村)5 人物像と題名の関係を考える
第3学年「サーカスのライオン」(東書)6 物語を好きかあまり好きでないか,また,それはなぜかを考える
第4学年「白いぼうし」(光村)7 人物について徹底的に考える
第4学年「ごんぎつね」(光村)8 単元レポートとして続き話を書く
第4学年「初雪のふる日」(光村)9 「仕掛け」から物語を紐解く
第5学年「なまえつけてよ」(光村)10 人物同士の関係から物語を推測する
第5学年「大造じいさんとガン」(光村)11 文章表現に着目して物語の魅力をまとめる
第5学年「注文の多い料理店」(東書)12 読者と登場人物の気付きの違いから物語の面白さに迫る
第6学年「やまなし」(光村)13 解釈を通して作品の世界を捉える
第6学年「海の命」(光村)14 人物相互の関係を捉え,さらに考える
第6学年「風切るつばさ」(東書)15 人物像の関係性の変化から主題に迫る
おわりに
執筆者一覧

はじめに

 「考えの形成」が「読むこと」の学習プロセスのゴールとして示されたことは,大きな意味をもっている。皆さんもご存じのように,現在の授業改善の方向性は「主体的・対話的で深い学び」であり,これまで受動的と捉えられていたであろう子供たちの学びを「主体的〜」に変えようということである。これまでの「読むこと」の授業について振り返ってみると,私たちは発問や学習活動の工夫などをしていたが,結局子供たちは教師の指示に従って活動し,教師の文脈の中で教師が望む答えを探していたということを否定できない。

 現在は,その状況から少しでも「主体的」な学びとなるような工夫をしているけれども,うがった見方をすれば,「主体的」な学びとは,一見子供が自分で考えてやっているような錯覚を起こさせて学習に対するモチベーションを高めているに過ぎないと言えるかもしれない。つまり,「読むこと」の学びを本当に子供のものにするためには,教師の文脈で読んでいた状態から脱して子供たち自身の文脈で読むようになるということなのだ。そのための方法であり目指すところが作品について自分事として「考える」ことである。常に授業では考えているけれども,それは授業で扱っている「教材として」考えているのであり,授業で扱おうが扱うまいが自分にとって必要な「作品として」考える域に達すれば,それは主体的を通り越して「自律的」と言えるだろう。他律的な学びから自律的な学びへと「読むこと」の学びを進化させる上で,「考えの形成」は大きなチャンスなのである。

 『小学校国語科 考えの形成を促す〜』シリーズの文学編,説明文編のいずれにおいても,実践モデルは,「1 教材の特性と考えの形成」,「2 考えの形成に向かう読みの過程 @構造と内容の把握の工夫,A精査・解釈の工夫,B共有の工夫」,「3 単元の計画」,「4 授業の流れ(精査・解釈の授業),「5 授業の流れ(考えの形成・共有の授業)」,「6 考えの形成の具体例と実践のポイント」,「7 評価のポイント(ルーブリック例)」という構成で提案している。これは,単元を構成する際に,まずはゴールである「考えの形成」で何を考えさせたらよいかを定めた上で,そこを中心にデザインしていくべきという考えに基づいている。そして,ゴールまでの学びをどう評価するか,その具体をルーブリックとして示している。だから,単元の途中で方向性がぶれることがないし,各時間のつながりが強くなり,前時を受けて本時が成立し,本時が次時に生きる展開となる。豊かな「考えの形成」で文学を自分のものにした子供たちは,きっと大人になったときに小説を読むことから遠ざかりはしないだろう。なぜなら,「考えの形成」をするということは,作品を自分のものにすることだからだ。人は自分のものであれば簡単に捨てたりはしない。そういう,未来の子供の姿を見据えて,本書を紐解いていただければうれしい限りである。


  2020年4月   編者

著者紹介

石丸 憲一(いしまる けんいち)著書を検索»

略歴 兵庫教育大学大学院修了。静岡県公立小学校教諭として勤務の後,創価大学教育学部准教授等を経て創価大学大学院教職研究科教授。

専門分野 国語科教育学,道徳教育学

東京・国語教育探究の会(とうきょう・こくごきょういくたんきゅうのかい)著書を検索»

2008年発足。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 新学習指導要領に示された「読むこと」のプロセスに沿った授業づくりが具体的に提案されていて、今後の授業づくりの参考になりました。
      2020/5/960代・再任用
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