- 序章 物語の「自力読み」の力を獲得させよう
- 第1章 今日から始める「自力読み」授業のつくり方
- 1 「自力読み」を始める前に―物語の授業の難しさとおもしろさ
- 2 「自力読み」による学習過程―代表的な7つの読解活動
- 第2章 定番教材で見る「自力読み」の授業づくり
- ずうっと、ずっと、大すきだよ
- サラダでげんき
- きつねのおきゃくさま
- ちいちゃんのかげおくり
- サーカスのライオン
- 一つの花
- 白いぼうし
- 注文の多い料理店
- 世界でいちばんやかましい音
- やまなし
- 第3章 新教材で見る「自力読み」の授業づくり
- やくそく
- みきのたからもの
- ニャーゴ
- 春風をたどって
- ワニのおじいさんのたから物
- 友情のかべ新聞
- 銀色の裏地
- おにぎり石の伝説
- 帰り道
- 模型のまち
序章
物語の「自力読み」の力を獲得させよう /二瓶 弘行
6年生後期の国語教室。子どもたちは小学校最後の物語「海のいのち」に出合います。
私たち教師は、だれもがみんな、きっと願うことでしょう。
「この優れた文学作品『海のいのち』をクラス全員が主体的に読み進め、自分らしい確かな感想をもち、仲間と生き生きと伝え合ってほしい」と。
こんな物語の学びの成立を夢見て、私たちは、上越教育大学プロジェクトの一環とした「自力読みセミナー」を2024年から年2回継続的に実施してきました。夏には茨城県江戸川学園取手小学校での研究授業を通して、具体的な子どもたちの姿からも学びました。また、明治図書出版から『小学校国語 物語の「自力読み」大全』を刊行しています。
このように、私たちは、多くの現場の先生方とともに、物語の確かな読みを育む授業、その学習内容と学習過程を追究してきました。
今、本書を通して、全国の小学校国語教室に胸を張って提案したいと思います。
「すべての子どもたちに、物語の『自力読み』の力を獲得させよう」
物語「海のいのち」を前にして、「自力読み」の力を育んできた6年生の子どもたちは、きっと自覚しています。物語を確かに読むことの意味を。そして、そのための読み方を。
優れた物語作品「海のいのち」は、たった1回きりの読書でも、6年生の私に感想を与えてくれるだろう。それが、「海のいのち」の物語自体がもっている作品の力。おもしろかった、切なくなった、生きる勇気を感じた、人間っていいなと思った…。様々な読後の思いを、「海のいのち」は私にもたせてくれるに違いない。
ただ、私は知っている。繰り返し読むことによって受け取る感想が確かに変わることを。
1回きりの読書では、まだ読めていない言葉がある。まだつかめていない言葉と言葉のつながりがある。そのつながりを押さえることなくして読めない、きわめて重く深い言葉がある。その言葉が見えたとき、それまで見えなかった人物の心情が読める。場面の情景が読める。最も重要な読みの中心である、物語「海のいのち」が作品全体を通して描かれている大きな変容がはっきりとわかる。
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明治図書

















