定番教材・新教材で見る
小学校国語 物語の「自力読み」の授業デザイン

定番教材・新教材で見る小学校国語 物語の「自力読み」の授業デザイン

新刊

総合69位

自ら物語を読み進められる学習者を育む

物語の「自力読み」の授業を教室で実現するための具体的な手立てを紹介する一冊。作品の構造と内容の把握、精査・解釈・作品の心から、単元の指導計画、授業展開まで、20の教材別に徹底的に解説します。これを読めば、すぐに「自力読み」の授業が始められる!


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ファイル形式

PDF
ISBN:
978-4-18-392314-1
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
四六判 224頁
状態:
在庫あり
出荷:
2026年8月31日

もくじ

もくじの詳細表示

序章 物語の「自力読み」の力を獲得させよう
第1章 今日から始める「自力読み」授業のつくり方
1 「自力読み」を始める前に―物語の授業の難しさとおもしろさ
2 「自力読み」による学習過程―代表的な7つの読解活動
第2章 定番教材で見る「自力読み」の授業づくり
ずうっと、ずっと、大すきだよ
サラダでげんき
きつねのおきゃくさま
ちいちゃんのかげおくり
サーカスのライオン
一つの花
白いぼうし
注文の多い料理店
世界でいちばんやかましい音
やまなし
第3章 新教材で見る「自力読み」の授業づくり
やくそく
みきのたからもの
ニャーゴ
春風をたどって
ワニのおじいさんのたから物
友情のかべ新聞
銀色の裏地
おにぎり石の伝説
帰り道
模型のまち

序章

物語の「自力読み」の力を獲得させよう /二瓶 弘行


 6年生後期の国語教室。子どもたちは小学校最後の物語「海のいのち」に出合います。

 私たち教師は、だれもがみんな、きっと願うことでしょう。

 「この優れた文学作品『海のいのち』をクラス全員が主体的に読み進め、自分らしい確かな感想をもち、仲間と生き生きと伝え合ってほしい」と。

 こんな物語の学びの成立を夢見て、私たちは、上越教育大学プロジェクトの一環とした「自力読みセミナー」を2024年から年2回継続的に実施してきました。夏には茨城県江戸川学園取手小学校での研究授業を通して、具体的な子どもたちの姿からも学びました。また、明治図書出版から『小学校国語 物語の「自力読み」大全』を刊行しています。

 このように、私たちは、多くの現場の先生方とともに、物語の確かな読みを育む授業、その学習内容と学習過程を追究してきました。


 今、本書を通して、全国の小学校国語教室に胸を張って提案したいと思います。

 「すべての子どもたちに、物語の『自力読み』の力を獲得させよう」

 物語「海のいのち」を前にして、「自力読み」の力を育んできた6年生の子どもたちは、きっと自覚しています。物語を確かに読むことの意味を。そして、そのための読み方を。


 優れた物語作品「海のいのち」は、たった1回きりの読書でも、6年生の私に感想を与えてくれるだろう。それが、「海のいのち」の物語自体がもっている作品の力。おもしろかった、切なくなった、生きる勇気を感じた、人間っていいなと思った…。様々な読後の思いを、「海のいのち」は私にもたせてくれるに違いない。

 ただ、私は知っている。繰り返し読むことによって受け取る感想が確かに変わることを。

 1回きりの読書では、まだ読めていない言葉がある。まだつかめていない言葉と言葉のつながりがある。そのつながりを押さえることなくして読めない、きわめて重く深い言葉がある。その言葉が見えたとき、それまで見えなかった人物の心情が読める。場面の情景が読める。最も重要な読みの中心である、物語「海のいのち」が作品全体を通して描かれている大きな変容がはっきりとわかる。

 そして、そのとき、その「海のいのち」は、読者である私自身に「生きるってね、人間ってね…」と、人の生について強く語りかけてくる。それは、初読でもつことのできた感想を遥かに超えるものだ。それが「作品の心」。

 教室での授業で、私は詳しく言葉を読むのだ。言葉と言葉のつながりを、言葉の隠された重さを読み取るのだ。そうすることによって、物語から受け取る感想が確かに変わる。そして、そんな感想の変容の過程こそが物語を読むことの楽しさ、おもしろさ、そのもの。

 もう1つ、私がこの教室で一編の物語を詳しく読み返す意義がある。

 それは、ともに同じ物語を読み合う仲間がいることだ。「私はこんな読みをしたよ。あなたの読みを聞かせて」と、仲間と話し聞き合う。その集団での読みの過程で、自分とは異なる読みの存在があること、1人では見えなかったことがともに読むことによって見えてくることを知る。そして、さらには、それぞれの「作品の心」を交流することで、その多様性と深さに気づく。そんな体験こそが、みんなと物語を読む「おもしろさ」の学び。

 一編の物語をあえて集団で詳しく読み返すという、教室での物語の授業。

 その授業を通して、子どもたちは、物語の読み方、感想(作品の心)の確かな受け取り方、すなわち、物語の「自力読み」の力を獲得して、主体的な読者に育っていく。

(図省略)



著者紹介

二瓶 弘行(にへい ひろゆき)著書を検索»

桃山学院大学人間教育学部教授

前筑波大学附属小学校教諭

東京書籍小学校国語教科書『新編 新しい国語』編集委員

国語授業のアスヲテラス会(こくごじゅぎょうのあすをてらすかい)著書を検索»


※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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