- はじめに
- 第1章 漢字の指導改善にどう取り組むか?
- 01 漢字の点画の意味を理解させる
- 02 漢字4コマ指導法とは?
- 第2章 楽しく取り組める!学年別漢字4コマ指導法
- 00 漢字の「基本アイテム」
- 01 1年生の漢字解説表
- ・右 円 王 音
- ・学 気 金 空
- ・見 校 左 四
- ・耳 出 生 赤
- ・先 草 足 村
- ・男 虫 町 天
- ・年 白 文 立
- 02 2年生の漢字解説表
- ・雲 園 遠 夏
- ・歌 画 顔 汽
- ・帰 強 教 近
- ・形 原 後 公
- ・広 光 考 黄
- ・谷 作 算 思
- ・紙 室 弱 首
- ・書 色 新 親
- ・数 声 船 台
- ・茶 昼 通 弟
- ・点 電 冬 当
- ・道 南 売 麦
- ・風 毎 夜 曜
- 03 3年生の漢字解説表
- ・悪 医 育 院
- ・飲 運 駅 央
- ・荷 開 階 寒
- ・漢 期 究 急
- ・級 業 局 君
- ・軽 決 研 庫
- ・港 祭 使 指
- ・次 事 取 酒
- ・受 習 重 所
- ・商 勝 乗 真
- ・進 整 送 族
- ・題 着 追 庭
- ・度 投 登 等
- ・童 農 発 坂
- ・美 筆 表 病
- ・負 服 福 返
- ・放 命 面 遊
- ・葉 様 落 流
- ・旅 両 緑 路
- 04 4年生の漢字解説表
- ・愛 以 印 栄
- ・果 改 械 害
- ・街 潟 管 関
- ・観 願 希 旗
- ・機 議 挙 共
- ・鏡 競 極 郡
- ・群 景 建 験
- ・候 康 差 菜
- ・最 刷 察 参
- ・散 周 順 初
- ・笑 焼 縄 臣
- ・清 席 積 節
- ・選 争 巣 束
- ・帯 達 典 特
- ・徳 熱 敗 博
- ・飛 票 富 変
- ・望 牧 満 民
- ・無 勇 養 陸
- ・量 輪 類 労
- 05 5年生の漢字解説表
- ・圧 営 易 益
- ・演 桜 過 解
- ・確 慣 基 喜
- ・逆 救 居 境
- ・潔 険 減 護
- ・耕 構 興 混
- ・妻 採 罪 雑
- ・酸 賛 支 志
- ・識 謝 授 術
- ・準 招 賞 状
- ・常 制 勢 税
- ・接 祖 総 増
- ・属 率 断 築
- ・程 堂 導 得
- ・独 燃 犯 版
- ・肥 費 備 貧
- ・編 墓 報 豊
- ・貿 暴 脈 務
- ・夢 輸 留 歴
- 06 6年生の漢字解説表
- ・異 域 延 革
- ・株 巻 看 危
- ・貴 疑 吸 胸
- ・郷 勤 筋 敬
- ・劇 激 券 憲
- ・厳 呼 誤 孝
- ・降 刻 穀 骨
- ・座 済 裁 策
- ・私 視 磁 捨
- ・樹 収 宗 就
- ・衆 熟 純 処
- ・承 将 傷 蒸
- ・垂 推 盛 聖
- ・専 銭 善 奏
- ・装 層 操 蔵
- ・尊 退 誕 段
- ・暖 痛 敵 展
- ・届 難 乳 脳
- ・派 拝 背 批
- ・腹 奮 陛 補
- ・暮 棒 幕 模
- ・郵 優 欲 卵
- ・覧 裏 律 臨
- Column 漢字の部首の見分け方
- 第3章 楽しい学びに変える!漢字学習アイデア事典+α
- 01 漢字イラストカードの作り方
- 02 新たな解釈案を考えよう
- 03 スリーヒントクイズ大会
- 04 教室掲示の工夫
- 05 3コマ漢字テスト
- 06 ホワイトボードツールの活用
- 第4章 押さえておきたい!漢字指導の基礎知識
- 01 「象形・指事・会意・形声」以外の分類もある
- 02 「手本と違う」と厳しく採点するのは間違い
- 03 漢字の「書き」は,複数学年で習得を図る
- 04 筆順は「習得のための手段」であり,目的ではない
- おわりに
- 参考文献一覧
はじめに
もし,自分の子が「ピーマンが食べられない」と言ってきたら,どうしますか。栄養バランスを考えれば,苦手だからといって除去してばかりはいられません。少しでも食べられるように,「ピーマンが入っているとは気が付かないぐらいに細かく刻む」「甘めの味付けにして苦みを感じないようにする」など,調理を工夫するのではないでしょうか。かつて学校給食では「苦くても,とにかく食べなさい。食べないと昼休みはありません」といった指導もありました。今時,そんな給食指導は行われていないでしょう。
では,児童が「漢字を覚えられない」と言ってきたら,どうしますか。「難しくても,とにかくたくさん書いて覚えなさい」といった,苦手な野菜を無理に食べさせるような漢字指導をしてはいませんか。多くの児童が苦手とするピーマンのように,「多くの児童が苦手とする漢字」というものが存在します。漢字を野菜に例えるならば,そのまま食べられるものもあれば,加熱して味付けを工夫しないと食べられないものもあるのです。野菜を食べやすくするために調理を工夫するように,漢字を習得しやすくするために指導を工夫することが必要です。
学校図書株式会社『みんなと学ぶ小学校国語 教師用指導書解説編』(令和2〜5年度版)には「個々の漢字についての意味・成り立ち・読みなどについては,指導者の自主的な事前学習に期待したいところである」とあります。物語文や説明文の指導にも型のようなものはありますが,だからといって個々の物語文や説明文の教材研究をせずに授業をする人はいないでしょう。ところが,漢字指導となると「テストを設定し,家庭学習で習得させる」といった方法が中心で,漢字そのものの教材研究はあまり行われていないように感じます。1年生の中には,「ひらがなよりも漢字の方が覚えやすい」という児童もいます。「山・川・木・日」などの象形文字は,点画が何を表すかがわかりやすいからです。ところが,学年が進んで象形文字が少なくなると,習得に苦労するようになります。漢字の点画が何を表しているかわからず,意味のない点と線の集合体にしか見えないからです。ですから,自分が書いた字の点画が多くても少なくても,おかしいと感じないのです。
そこで本書は,イラストから漢字への過程を4段階で表し,象形文字ではない漢字も点画が何を表しているかをイメージしやすくしました。名付けて「漢字4コマ指導法」です。成り立ちを参考にしていますが,成り立ちを教えることが目的ではありません。あくまでも漢字を習得しやすくするための手段の一つです。ですから,諸説ある成り立ちの中から「多くの児童にとって,よりわかりやすいもの」を選択しています。一部をアレンジしたものもありますし,よいものがない場合は全く独自の解釈をしているものもあります。たくさんの実践を積み重ねて,「この説明の仕方が児童にはベター」というものを本書にまとめました。いわば児童の好みに応じて調理を工夫し,少しずつ味付けを改良してきた「漢字指導のレシピ本」です。「この味付けでなければならない」という正解が料理にはないのと同様に,漢字にも「こう解釈しなければならない」という正解があるわけではありません。ベターであってベストでないのは,もっとよい解釈と説明の仕方もあると考えるからです。
「漢字4コマ指導法」のねらいは「部首や部分の意味を理解させることで漢字を習得しやすくすること」と「既習事項を活用して自分なりに解釈できるようにすること」です。「基本アイテム」や「各学年の漢字解説表」を参考にしてこつをつかめば,漢字を自分なりに解釈できるようになります。第3章の実践例を参考に,成り立ちの諸説にとらわれない自由な発想で,漢字を解釈することの楽しさを児童にも味わわせてほしいです。
多忙を極める学校現場ですから,漢字の教材研究をする時間を確保することが難しいと思います。本書を使って効率よく教材研究できるよう,複数の書籍から集めた諸説もできる限り併記しました。「自分だったら,こう解釈する」「自学級なら,こう説明した方がよいかも」と,漢字の教材研究をすることの楽しさを感じてもらえたら幸いです。
/栗林 育雄
このたびは本書をご購入いただき、誠にありがとうございました。
初版第1刷において、編集過程で以下の誤植が発生しましたことをお詫び申し上げます。
P30 表内「りっとう」に関する説明文
誤 初出:3年生
正 初出:2年生
この度は大変ご迷惑をおかけし、心よりお詫び申し上げます。
訂正用データファイルを以下に掲載いたしましたので、ご参照の上でご利用くださいますようお願いいたします。
訂正用データファイル(ファイル名:388825_teisei.pdf/サイズ:1,637KB)
今後このような事態が発生しないよう、細心の注意を払ってまいる所存です。
重ねてお詫びを申し上げますとともに、何卒ご容赦賜りますようお願い申し上げます。
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