- はじめに
- グラビア
- 未来の体育館環境
- 未来のグラウンド環境
- 1章 体育授業が変わる! ICTの魅力と基礎知識
- 1 体育授業を支えるICT利活用の理論と実際
- 2 「こんな体育授業にしたい!」〜「子供」「教師」「社会」は,どんな体育授業を望んでいるか〜
- 2章 今日からできる! ICT活用の体育授業アイデア
- 実践の読み解きガイド
- 1 マネジメント×ICT―マネジメントを効果的にする指導アイデア
- 初級
- 1 音楽の切り替わりで,次へ動く
- 2 アプリを活用してチーム分けをスマートに
- 3 プロジェクター活用で動く的をやっつけろ
- 4 プログラムタイマーで時短に
- 5 ICTで安全指導をストーリー化して分かりやすく
- 6 撮影準備はペアチェックで安全確保
- 中級
- 7 ARで瞬時に距離測定
- 8 デジタル板書で一目でふり返り
- 上級
- 9 「発表ノート」で即時に意見を集約
- マネジメント×ICT実践のためのアドバイス
- 2 運動量×ICT―運動量を増やす授業アイデア
- 初級
- 10 場を視覚化し,安全に素早く場づくり
- 11 「PowerPoint」でルールや動き方を時短理解
- 12 一人一人のめあての見える化でモチベーションアップ
- 13 時間設定で思考と試行の無駄をなくせ
- 中級
- 14 心拍数を頼りに自分に合ったペースをつかむ
- 15 動き方が分かる,たくさん動ける
- 運動量×ICT実践のためのアドバイス
- 3 技能×ICT―技能を効果的に向上させる授業アイデア
- 初級
- 16 ○○小学校の「ビッグ・データ」を活用して学習しよう
- 17 遅延再生装置を使って自分の動きを素早く確認
- 18 音で測ろう投の運動遊び
- 19 仲間と動きを共有し,意欲も思考も技能もUP
- 中級
- 20 臨場感あるブレのない映像で動きをふり返り
- 上級
- 21 「跳び箱VR」で動きの感覚を追い求めよう
- 技能×ICT実践のためのアドバイス
- 4 課題発見・課題解決×ICT―課題発見・課題解決を容易にする授業アイデア
- 初級
- 22 「データ持久走」で自分のペースを見つけよう
- 23 動画や音声の記録と教師からの問いにもとづいて何が問題なのか考えよう
- 24 動線が見えるアプリを使って,どう動けばよいか考えよう
- 中級
- 25 「デジタルノート」を活用して伝え合いながら課題解決
- 26 授業内ネットワークで共有した動画から,協働して課題発見・課題解決しよう
- 上級
- 27 ドローンで,自分たちの攻め方・守り方を探ろう
- 課題発見・課題解決×ICT実践のためのアドバイス
- 5 思考力×ICT―思考力を向上させる授業アイデア
- 初級
- 28 学んだことを使って実況中継
- 29 「10秒間」でふり返りを記録
- 30 ふり返り映像とともに問いかけを提示
- 31 仲間と考えをシェアして,思考を深めよう
- 中級
- 32 複数の映像を比較して考える
- 33 柔道の技のかけ方をプログラミング的思考で考えよう
- 34 話合い活動を評価し,話合いを磨こう
- 上級
- 35 身体的なプログラミング的思考を促す
- 思考力×ICT実践のためのアドバイス
- 6 判断力×ICT―判断力を的確に育む授業アイデア
- 初級
- 36 動画からイメージと現実とのギャップを判断しよう
- 37 残しておきたい動きのデータベースから,今,必要な情報を得よう
- 38 臨場感あるプレイヤーの視点から攻め方・守り方をふり返ろう
- 39 小さな動きは拡大投影,素早い動きはスローモーション機能で〜効果的動画再生術〜
- 中級
- 40 自己判断を支える「めあて」の提示
- 41 撮り貯めた動画をふり返り,選択して蓄積しよう
- 上級
- 42 おうちの人と体育で学んだことを「評価」しよう
- 判断力×ICT実践のためのアドバイス
- 7 表現力×ICT―表現力を豊かに培う授業アイデア
- 初級
- 43 見本動画と見比べて,友達の動きを「伝え合おう」
- 44 動きの感じを「伝えて」踊ろうよ, 笑おうよ
- 45 チームで動画を共有して一人一人のよさを伝え合おう
- 中級
- 46 水中の浮き沈みする動きのコツを「伝えよう」
- 上級
- 47 身振り手振り!オーバーリアクションで考えを「伝えよう」
- 48 遠いところの友達に,動きの気付きを「伝えて」あげようよ
- 49 1年間の体育での学びをポートフォリオしたものを「発表」しよう
- 50 遠隔システムを使ってアイデアを取捨選択して運動遊びを創ろう
- 表現力×ICT実践のためのアドバイス
- 8 教師力×ICT―教師力をアップするアイデア
- 初級
- 51 ネットサーフィンで情報を集めよう
- 52 サーバーを使って,学習指導案や学習資料を共有しよう(アーカイブ)
- 53 オンラインを活用した対話型授業参観
- 54 オンデマンド教材を活用して学ぼう
- 中級
- 55 オンラインで指導法交流をして学ぼう
- 上級
- 56 オンラインで世界中の先生と授業研究に取り組もう
- 教師力×ICT実践のためのアドバイス
- おわりに
- 執筆者一覧
はじめに
2019年8月,私は札幌で,刺激的なAR体験をしました。ゴーグルをつけ,腕にはスマートフォン。腕を前に出すと,光る玉が手から飛んでいきます。相手チームに,その光る玉をぶつけ合うゲームでした。ゲームの様相は,雪合戦のようで,守りながら攻め,攻めながら守るという攻防一体のゲームでとても楽しむことができました。楽しかったという思いとともに感じたのが,「ここまで技術が進歩しているのか」ということです。最先端技術に敏感でない私も,技術の進歩と進出を実感させられました。「これを体育の学習に導入できないか」と,面白そうなアイデアがたくさん浮かんできました。数分前は,ARのことをほとんど知らなかった私が,この体験を通すことで体育学習で使えないかと思考を巡らせ,ワクワクしていたのです。このARを「知らない」からARを「知っている」への変化は,私たちの可能性を大きく広げてくれることを実感しました。
2020年。新型コロナウイルスにより,世界の状況が変わりました。「オンライン○○」という言葉も多く聞かれるようになり,教育界でもICTを活用することでさらなる学びの充実が求められています。
しかし,現場からは「ICTのインフラ整備ができない」「どんな機器が必要なのか分からない」「どうやって使ったらいいか分からない」といった声が聞かれます。そこで,私たち「体育ICT研究会」は,新しい時代の体育授業を創造するべく,全国で活躍する多数の実践者とともに本書の作成に乗り出しました。本書の実践例が「知らない」から「知っている」への転換を促し,「これならできそう」「環境が整ったらすぐにやろう」と思っていただけると幸いです。
2020年8月 /村上 雅之
アプリもいいのですが、例えばテンプレートのように、そのまま使えるスライドがあるとこれからもっといいと思いました。